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初めての本音

嗚呼、意識が覚めていく――。また不毛な現実に、戻される――


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「…………麻、……笑麻…………!!」

目が覚めると其処は、気を失った場所。旧校舎の中だった。もう太陽が昇っている。

朝だろうか。直に、目に日光が入る。本当に、日が眩しい。

美恵が、本当に心配そうに、私の顔を覗きこんでいた。

美恵の顔は真っ白。というより、真っ青。

徹夜明けのような――、もしかして、ずっと起きてたのかしら。

「笑麻……!!」

美恵が、私に抱きついた。……美恵には悪いけど、重い。

「良かった……っ、いなくなっちゃ…………ったと思っ、た……」

美恵が泣いている。私は笑って、そっと美恵の頭を撫でた。

そして、重くて苦しいが、口を開く。

「ねぇ、美恵?」

寝たままの姿勢で私は尋ねる。

「な……っに?」

しゃくり上げながら、美恵が顔を上げる。目が真っ赤。

私は微笑して、事実を告げた。

「会えたよ。夢の人……」

美恵が、幾度も頷く。

「居る、よっ……? その、子……いまっ職員、室に……」

今度こそ驚いた。あの人は、幻じゃなかった。

夢じゃ、なかった。あれは正夢。

「そ、か……。正夢、かぁ……」

私は呟いた。意味もなく、ただそう呟いていた。

「転、校っ……て、いう事に……、なるかも、ね」

「そうだといいね」

私は起き上がって、美恵に笑いかける。

そして、思ったことを、素直に言葉にする。


「"うん"」



嗚呼、今日はなんて清々しい日なんだろうか。


――こんなにも空が、蒼い。

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