Cランクへの道2
セーフ!
日付は変わってない!
ミントからクラン設立の条件を聞き、特に質問も無かったので試験を受けることにした
「昇格依頼を受けるよ」
「分かりました!手続きしますね」
僕が依頼を受けるというと、ミントは笑顔になってテキパキと仕事を処理し始めた
仕事が出来る人ってかっこいい……
そういえば……
「昇格依頼って、他の依頼と違うところがあると聞いたんだけど?」
「……あぁ!そうでした!昇格依頼はCランクから 試験官が着くんです。本来は先にお知らせしておくべきでしたね……すみませんでした」
ミントはあわあわしながら謝罪してくる
やっぱりミントはどこか抜けているね
そこが可愛いところでもあるんだけど……
「それくらいで謝らなくても。次気をつければいいからさ」
と言って頭を上げさせると、ミントは追加で説明してきた
「えぇと、本来ならこちらで試験官を募集するのですが、今回は立候補者が既にいらっしゃったので、その方が着きますが、よろしいですか?」
「分かった」
立候補って誰だろう?
気になるけど、誰だとしても僕がやることは変わらないか
「……はい、手続きが完了しました。例の立候補した冒険者の方にもお知らせしておいたので、もうじき来るかと思われます」
「分かった、じゃあちょっと待ってるよ」
「そうして下さると助かります。そして、こちらが依頼書です」
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昇格依頼 オーク討伐 推奨Cランク
報酬 オーク1匹につき銀貨2枚
依頼内容 近隣の村から2~5のオークが観測された。村が直接的な被害を受ける前にオークを討伐せよ
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……うん、討伐依頼だね
ものによっては「討伐」ではなく「捕獲」や「調査」だったりするから、依頼内容はよく確認しないといけない
罰則を受けたくないならね
因みに、罰則は依頼を放棄したり、ギルドの中で問題を起こしたり、仲間を置き去りにしたりすると発生する
重罪である程、罪は重くなるらしい
昔それでギルドを出禁になって路頭に迷った人もいるという。
奇跡的にその仲間の人は助かったみたいだけど……それでもギルドからの除名は逃れられなかったらしい
その人は冒険者を生業としていたからその処分は致命的で、冒険者の悪い例として初心者講習で話題になるほど取り上げられている
少し可哀想だけど、それ程仲間殺しは罪が重いってこと
それが嫌なら規則は守れとギルドマスターは言いたいんだと思う
冒険者は基本誰でもなれる。
でもだからといって好き勝手やっていい訳では無い
ギルドへの信頼関係の悪影響は勿論、時にはその決断が自分を殺すことになってしまうから
……これはヴェールさんの受け売りだけどね
「うん。確認したよ」
「分かりました。でしたら、試験官が来るまでお待ちください」
「うーん、じゃあそこで座って「その必要はないっす!」」
そこまで話したとき、バン!とギルドの扉を開け放つ音ともに、聴き馴染みのあるはつらつとした声が聞こえてきた
あれ、この声は……
「お待たせしたっす」
「ジル!?」
明らかに僕に向けて笑顔で遅刻を謝罪した
もしかして自己推薦した試験官って……
「はいっす!私が先輩の試験官を行うっすよ!」
ジルは誇らしげに胸を叩いていった
しばらく主人公は出てきません……
何故だ……?
とりあえずこの「ざまぁ系主人公」の成長を生温い目で見守ってやってください
次回は29の予定です
……今度はまともな時間帯に更新しようと思います