アオイの覚醒
アオイは笑っていた
遥か格上の相手と修行していた二人と
一人ぼっちで修業していたアオイ、普通に考えたらアオイに勝ち目はゼロだ。
アオイ
「少し待っててくれ、魔道具を生成する」
そう言って数時間二人は待たされた
アオイ
「待たせたな、じゃあやろうか」
アオイは黒い布に包まれてまるで死神のようだった
レイドに稽古をつけられた二人は14歳の時よりはるかに強くなっていた、エルフ年齢で言えばゆうに200歳程度の実力はある
アオイ
「二人同時にかかってこい」
アオイはそう言い放った
二人はなめられているように感じ、本気で行くことにした
アオイ
「ブーストドライブ」
アオイが新たに習得した闇魔法である、脳を極限までブーストできる
ハエやトンボが世界がスローモーションに見えるように限界まで動体視力を上げられる上に、キャンセル魔法の乱発も可能となる
舐められたと思いレイラが勢いよく突っ込む、それをリサがサポートする
リサはサポートとして多重炎弾を左右から乱発
アオイ
「キャンセル×10」
もはや人間には聞き取れない速さでキャンセルを唱える
次の瞬間レイラは地面に転がり空を見上げていた
リサの首元にはアオイのレイピアが突き付けられている
何が起こったのかわからない
いったい何も無い空間で2年修業しただけでなぜこれほどまで力の差がついてしまったのか
アオイ
「キャンセル…」
アオイは自身にかかっていたブーストを解除する
アオイ
「俺の勝ちでいいな?」
二人は悔しがった、いくら3人の中で一番頭が回るとは言え二人はそのアオイを殺したエルフと2年間も修業をしたのだ
リサは悔しがった顔で答える
リサ
「悔しいけど私たちの負けよ…、多分今のあなたならレイドにも勝てるかもしれないわ」
リサとレイラは確かに2年間で強くなった、しかし怠っていたことがある、それは自身で考えるということだ。
稽古をつけてもらうという行為は確かに合理的だ、しかしそれは無自覚でも稽古相手より下であると認めているようなものだ。
アオイはまるで別人のようになっていた
第一人称も僕から俺に変わっている
レイラはふとあの時のことを思い出した
レイラ
「俺たちを病院送りにしたのはお前だよな、覚えているか?」
レイラは問う
アオイ
「ああ、覚えている、あの時は悪かった。」
忘れていた記憶が蘇っていた、自身の過去のトラウマを殺されるという荒療治で克服していたのだ。
レイラは知っていた、アオイの本当の強さを、あの事件でレイジ達はまるでアオイに歯が立たなかった、プロの格闘家と小学生ぐらいの力の差があった
そう、レイドと3人のように。
アオイは2年間ひたすら何もない空間で訓練をした、自身の心を鍛える訓練
武術の訓練、今までにアオイが見てきた様々な格闘家の試合や練習風景などの動画を脳内で思い出し全て吸収していた。
恐らく地球上だったらアオイは世界最強だろう。
リサ
「思い出した、アオイって聖稜の悪魔って呼ばれてたわよね、私は違う学校だったけど噂には聞いていたわ」
そう、アオイの噂は他校にまで広がっていた、キレると手が付けられない事から悪魔と呼ばれていた。
アオイ
「そうなのか?それは知らなかった、というか記憶が戻るまで俺は自分の強さに気付いていなかったからな」
そう言うとアオイは二人に提案をした
内容はこうだ
二人にアオイと同等の力をつけてもらう、いや今のアオイは越えてもらわないと困るから
3人で切磋琢磨しもっともっと強くなろうといった内容だ
そして3人はまた6歳からやり直し修行を始めた
1回目の時とは比べ物にならないほど辛い修行
アオイは二人に専用の武器を作った
リサには小さな盾の付いた杖を2本
これは2本を一対にすることもできる
そして魔法を発射出来る大型ライフルのような銃を1丁
レイラには手にはめる肘までが盾になっており手の甲からは剣になっている武器を2本
それと魔弾を打てる銃を2丁
アオイはあえて自分が苦手とする武器を二人に与えた
それはアオイ自身がもっと強くなりたいと願うからだ
時は経ち3人は12歳へとなっていた
村の周辺の魔物は既に相手にならないレベルへと成長していた