9話 無知④
先程までの実力が互角くらい。ならば、今回は恐らく互角か、俺の方が上。
悪魔もそらをわかってか此方へ向かってこない。数分後、悪魔は此方へ突っ込んできた。
俺もそれに合わせて突っ込んだ。そして、この鍔迫り合いの勝者は俺だった。どうやら答えは後の方だったらしい。
俺は次の一撃を打つ為に距離を詰めた。そして、悪魔の首を切ろうとしたその時・・・・・悪魔は魔剣を手から離した。俺は咄嗟に剣を止めた。
「何故剣を捨てた、悪魔」
「降参だ。先程の死で、確実にお前は俺より強くなった。戦意喪失だ」
悪魔は両手を上に上げてそう言った。正直、今すぐにでも首を切り落としたいくらいだが、何故か俺はそれができなかった。
「しかしだな、お前、俺を何回殺したと思っている」
「知らん。お前をどう殺すかで夢中だったからな」
クソ! 今すぐにでも殺してえ!! やり返したい! しかし、俺はこの悪魔を殺す事はなかった。
「一つ案がある。俺を仲間に入れてくれ人間。俺は今日限りで魔王軍を降りよう」
「そんなこと簡単にできるのかよ」
「さあな、全ては神次第だ。で、お前はいいのか? お前の事をたくさん殺した俺が仲間になる事に対して」
「いいわけがないが、正直お前への殺意はほぼない」
「よし、なら承認ということで。そうと決まればあの壁の前まで向かうとしよう」
悪魔がゴッドウォールの元へ向かったので俺もしかたなく向かうことにした。
ゴッドウォールまで着くと悪魔は上を向いた。
「神さんよ聞こえるか? 話しがしたい」
いや、そんな簡単に神様が悪魔と会話する訳ないじゃないか。
「戦いは見ていた。本気か? 悪魔」
どうやら話すらしい。確かに神様この戦い普通見守るものか、次の転移者が出るか出ないかここで決まる訳だしな。
「条件なら考えてある、単純なものだがな。もし、人間に危害を加える、ただし正当防衛は、セーフ場合は即死・・・俺はお前達に力を貸す。で、どうだ?」
「・・・わかった。その契約の下、お前をゴッドウォールの中に入れることを許可しよう。では、さらばだ」
マジかよ、承認されちゃったよ。神様との話しが終わり、悪魔は俺の方を向いた。
「とりあえずこれで大丈夫だな。そうだ、男の姿ではなく、女の姿のほうがお前は好きだろう? 俺は男でも女でもないからな。これからは女として接してくれ」
そう言うと、悪魔が光だした。そして、次の瞬間には女性の姿に変わっていた。青髪ロング赤目の女性だ。
「どうだ、お前好みか? これからのお前は主人みたいなものだ。ご奉仕なら任せておけ?」
「いや、最初の印象が男だからパスで」
「そうか、どうやら女には困っていないようだな。あぁそうだ私の名前はナービ・ファリントだ。これからよろしく頼むぞ? ご主人様」
「俺の名前は咲夜真那だ。よろしく、ナービ。後。ご主人様はやめろ、変な趣味だと思われたらどうしてくれるんだ」
「では、真那様と呼ぶ事にしよう」
「うーん、まぁご主人様よりかはいいか」
俺は、とりあえず妥協点の呼び方なのでゴッドウォールを通り、国王に今回の成果を伝えにいく事にした。ナービも問題なくゴッドウォールを通れている。どうやら本当にこの悪魔は仲間になったらしい。