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7話 無知②

 何故だろうか、はっと目が覚めた。何だろうかこの込み上げてくる激しい感情の波は! 俺は、瞬殺された屈辱、隠された悲しみ、自分の非力さ、全ての思いを拳に乗せて、隙だらけの目の前の敵の背中を殴った。


「ぐゔぉば」


 俺に殴られた悪魔は遥か先まで飛んでいった。とりあえず、スッキリ。


「とりあえず、一撃分の仮は返しておくぜ」


 ふと、右腕が視界に入った。なぜ、いちいち右腕何かに意識を傾けたかというと、先程までついていなかったのだが、今俺の右腕はスポーツ選手のような腕になっていたからだ。まさか、死んで強くなったのか俺。


 そんなこと置いていて目の前に居る悪魔に集中だ。俺は甘くみていた。女神様から貰ったこの能力があれば、無双できると思っていた。しかし、現実は違った。この能力がなければ、同じ舞台に立つことすら許されないことだったのだ。

 再び俺の体が何かに閉じ込められた。しかし、力が上がった今は! よし、破れ・・・。


 安堵の暇はもはやこれから先の戦いに訪れないだろう。俺は勘に近い感覚で悪魔が持っていた剣による斬撃を躱した。

 だが、躱されたとわかった悪魔は、瞬時に思考を切り替えて、俺に蹴りをいれてきた。

 

 俺は先程俺が悪魔を飛ばしたのと同じように飛ばされた。


 飛ばされて、転がってる間痛みは感じたが、直ぐにひいていった。傷が治っていたらしい。

 次は後ろから強い衝撃が俺を襲った。悪魔が後ろに回り蹴りを再びいれてきたと思いきや、悪魔は俺を蹴った場所から動いていなかった。

 悪魔は左手を前に出した。人差し指だけを立てて、立てた人差し下に下ろしたと同時に悪魔の方へ飛ばされていた俺の体は地面に叩きつかれた。


 悪魔が俺の目の前まで近づいてきていて、剣を振り上げているのを確認するやいなや俺は、下半身を浮かし、腕に力を入れてなんとか斬撃を回避する。


 俺はようやく、交戦体勢に取り戻せた為、次の一手を繰り出すことにした。俺は目の前に白炎の壁を目の前に作った。悪魔の性格的にこの白炎には・・・ビンゴ、攻撃してきたな真正面から。それなら、リーブとの時どうようやりますかね。俺は両腕を前に構えた。白炎の壁から今頃渦が発生した頃だろう。俺の周りに白炎の壁が発生しないところを見るに悪魔は渦を食らったらしい。


 あんだけ、安堵の隙はないと思ったのに、俺の一瞬の隙を悪魔は逃さなかった。白炎の壁を軽々切り裂き、俺の頭を掴み。


「再生能力が並大抵のものではないことはわかった。だが、脳を破壊されたらどうなる?」


 そのまま地面に叩きつけた。目の前が意識と共にブラックアウトした。





 まだ、終われない。意識が再び元に戻る。俺は多分また死んだんだ。何となくわかる。先程と同じく、不思議な程闘志が湧いてくる。因みに、どんな死に方をしたから想像もしたくない。


「頭を破壊してもまだ立ち上がるか・・・不死身か? お前」


「不死身かは知らないが、まだ、死ねないな」


 いつ死ぬかはわからないけど、死んでないなら戦うまでだ。


「しかも、能力が全体的に向上している。どうやら、思ったよりも楽しめそうだ」


 悪魔は俺に向かって、足を地につけず宙に浮いた状態で距離を詰めてきた。見える。俺はついに、悪魔の動きを目でとらえた。


 悪魔の斬撃を俺は躱して、腹に2度殴った後、一度右手足を引いたまま上げてそのまま悪魔を蹴り飛ばした。

 後ろから寒気を感じた俺は、左足を転けるように曲げて体をそのまま体勢を落とした。


 剣が空気を裂く音が頭上からした為、間一髪で避けれたらしい。俺は次の攻撃がすぐに来ることを予想し、急いで地を蹴った。


 だが、悪魔の斬撃によって左足を切られてしまった。激痛が走る前に左足は白炎によって元に戻っていた。

 俺は目の前に壁を作った。真正面から多分来ないだろう。右か、左か、はたまた上か下か、背後か。

 

 下から来た衝撃に俺は飛ばされた。宙に飛んだという事は無防備になる瞬間ができるという事だ。俺は急いで太陽の光の方に手を伸ばし、白炎を出す時の威力で自分を地面に落とした。


 次に俺は悪魔が上から突っ込んでくると予想し、ありったけの力を込めて、白炎の渦を放出した。


 だが、気づいた時には俺の両手は斬られていて、俺の体も文字通り真っ二つに斬られた。

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