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第4話 自己紹介

いや、違うんです、あの、別に前中後編にするつもりなんてなかったんです。

でもなんか筆が乗っちゃって、気がついたら3部構成で3話を書く羽目になっちゃっているのです。

そもそも“はじまりの街”なんて題名にするから話が長々と続いているのです。一体何を考えてこんなタイトルにしたんですかね。責任者は誰でしょうか。

ちゃんと皆さんはプロットを用意してから書き始めましょうね。こんなことになりますからね。


ではどうぞ!


追記:タイトル変えました!後半が無理だった

前回のあらすじっ!


「ショウタは変態ケダモノで股間を女性に擦り付けるとんでもないど変態だし、あととても弱い。」


「なんだよこのあらすじは!ただの悪口じゃねぇか!」


突然の罵詈雑言に泣きそうになりながらも文句を言う。


「ご、ごめんね?サヤカがこの台本読んでって渡してきたんだけど…」


俺を半泣きにしたファナは、台本をあわてて放り投げながら申し訳なさそうに謝ってくる。


あのファザコン魔法使いが来た時は泣かしてやろう。


「まぁ、実際のショウタはとても勇敢でカッコ良かったけどね。改めて、あの時は助けてくれてありがとう。」


俺がどうやってサヤカを泣かしてやろうかと考えていると、ファナがいきなりそんな小っ恥ずかしいことを言ってきた。


「い、いや、何度も言うけど、俺は何もできなかったし…。ってか最後に助けてくれたファナの方がよっぽどカッコ良かったし…。」


頬が熱くなるのを感じながら、どもりつつもなんとか返事をする。


「えへへ、ありがとう。…なんだかちょっと恥ずかしいね。」


「ファナが先に言ったんだぞ…!」


「あはは、それもそうだね。…えへへ。」


なんだろうこの空間は。

これこそ、俺が過ごしたかった青春というやつではないだろうか…!


「う、うぅ…」


「どうして泣いてるの⁉︎さっきの台本はごめんって!ちょっとショウタの反応見てみたかったからつい」


「いや、あれはサヤカの仕向けた罠だから…今なんて言った?」


「それでは始まります!」


「おいこら!それは地の文で言うやつだから!そんなんで誤魔化されると思うなよ!」


それでは始まります!


「おいこら作者テメェ!」


********


屋敷で目を覚ました翌日。

俺はすっかり体調が回復して動けるようになり、朝食をみんなで食べていた。


「それじゃ、みんな自己紹介でもしましょっか!私達お互いのことまだほとんど知らないでしょ?」


と、食べ終わったファナの提案で、俺達は自己紹介をすることになった。


「じゃあまず言い出しっぺの私からね。私の本名はファナ・フォード・アストリア。この国を治めてるアストリア家の長女よ。でも、年はまだ18で成人したてだし、堅苦しいのとか好きじゃないから気軽にファナって呼んでね。」


「しかもファナはこの街の領主なのですよ!ショウタがセクハラなんてしようものなら即極刑ですからね!即極刑!首チョンパ!」


首チョンパなんて化石みたいな言葉初めて聞いたぞ。

まぁこの世界は異世界でファンタジーなので、あんまり笑えない話ではあるが。


あと、前々から気になっていたのだが、お姫様なのになんであんな場所でゴブリンに襲われていたんだろうか。


「あの、ファナさん達はどうしてあんな危険な目に遭っていたのですか?お姫様なのにあんな街の外でモンスターに襲われるなんて…。」


ユアが俺の気持ちを代弁してくれた。


「ファナさん…か、もうちょっと気楽にしてほしいけど、まぁいっか!えっとね、実はこの街は今すんごい人手不足に悩まされてるの。ほら、こないだ魔王が目覚めたってアストリア城の占い師が予言したでしょ?あれから魔王軍の攻撃が激しくなってね〜…勇者達は軒並み最前線の城下街、アストリアに行っちゃったんだ。しかも一般の人達は魔王復活にすっかり怯えちゃって、勇者志望の子もパッタリ出なくなったんだよね。それで、戦線から一番遠いこの街はすっかり若者がいなくなっちゃって…街の周りのモンスターの駆除や細かな雑事クエストが溜まってるんだ。それで、昨日は私達でモンスター退治に出かけたんだけど思いのほか数が多くてね…。それでピンチになってるところをあなた達に助けてもらったの!本当にありがとね。」


ふむ、なるほど。

いやけっこう重要な単語や驚く情報が飛び交っていて、内心穏やかじゃないが、あまり慌てふためいても不審に思われるかもしれない。ここは大人しく慎重に言葉を選ぼう。

異世界転移した勇者です、なんて言ったら頭のおかしい奴としてここから追い出されるか、担ぎ上げられて最前線に投入されて即死だとか酷い目に遭うかもしれない。

ファナはそんな事をする人じゃなさそうだが、他のお偉いさんが善人とは限らないし。


「それじゃ、次は私の番ですね。…バッ!しゅた!」


「あ、こらサヤカ危ないよ。」


ファナの自己紹介もそこそこに、いつのまにかベッドに立っていたサヤカが、両手を広げてジャンプし絨毯に着地する。

そのままバサァっとマントをなびかせ振り向き、自己紹介を始める。


「私の名前はタカハシ・サヤカ!あの有名な伝説の勇者、タカハシ・ユウの一族の正当な後継者!そして齢15歳にしてお姫様専属のお付き人としてバリバリ働くキャリアウーマンヒーラーなのです!」


「わー!パチパチ。」


…おや?

なんかずいぶん馴染みのある名前だな?

確か、高橋って日本で3番目に多い苗字だったような…。

ってかキャリアウーマンヒーラーってなんだよ。


たまらず、ユアに耳打ちをする。


「おい、この名前って完全に日本人だよな?なに?他にも転移者っているの?」


「みたいですね…。おかしいな、確か前回の勇者様は1000年前に選ばれて見事魔王を封印して、それっきりだったような…。名前もキノシタ・コーダーイさんでしたし。」


確か、木下って名字は日本で94番目に多い名字だった気がする。

というか、


「そうか、当たり前といえば当たり前だけど。ユアは何人も勇者と一緒に旅に出てるんだよな。そんで、何回も魔王を討伐してるわけか。」


なんとなく寂しいというか、むず痒い気持ちになってしまった。


「いえ、実は私が勇者と旅に出るのはこれが初めてなんですよ。毎回勇者の剣は旅の経験を踏まえて神々に改良されているのです。冒険を終えた剣は台座に戻されたあと、台座ごと天界に戻り、その土産話を聞きつつ、良さそうな能力を色々加えて新しい勇者の剣を作るのです。私も何度冒険話を聞かされたことか…。」


「ふ、ふーーん。なるほどね、俺が初めての相棒ってことか…。ふーーん!」


なんか元気が出てきたぞ。よっしゃいっちょやってやるぜ。世界救ってやるぜ。フワッフゥ!


というか神様って暇人なのかな。

いや暇なんだろうな、多分、不老不死だろうし。

つか、良さそうな能力を加えるのはいいけどちゃんと初めから使えるようにしてくれませんかね。オートガードだけって、なんなんですかね。

なんて2人で耳打ちをしていると。


「ずずっ、ぐすっ…ファナぁ、私自信満々に自己紹介じだのに…ぶぇっ、反応じでもらえないんでずげど」


「よ、よしよーし!ほら私の胸においでー!そうだね、サヤカはすごい血筋だよね!みんなにもいつもすごーいって褒められてるもんね!」


ファナが慌てて視線でこちらに合図を送る。

ってか泣くなよ…よっぽど自分の血筋が好きで誇りなのだろうか。


「そ、それはすごいなー!あの伝説のタカハシ勇者の一族だって⁉︎それはすごい!なんてこった!サヤカはスゴイ子だったんだな!」


今にも号泣しそうなサヤカに若干引きつつも慌てて褒めちぎる。


「す、すごいです!私もまさかあのタカハシ勇者の一族に会えるなんて思いもしませんでした!サヤカさんすごい!」


ユアも続いてサヤカを褒めそやす。


「ね、ねー!すごいよねー!サヤカは!私も鼻高々だよー!ねっ?ほらサヤカ、みんなスゴイって言ってるよ?」


「ふっ…ぐすっ、えへへ、そうでしょうそうでしょう。私のお父さんはすごいんですから。ふふん。」


不覚にも可愛いと思ってしまった。

お父さんっ子なんだなぁ、サヤカは…。


「ところで、その、勇者ってのはたくさんいるのか?勇者達が出払ってる…みたいなこと言ってたけど。サヤカの伝説の勇者とはまた違うのか?」


ファナとサヤカは不思議そうに顔を見合わす。


「そうだよ。基本的にこの世界で冒険に出かけたりモンスターを駆除したり、ギルドに登録してクエストをこなす人達のことを一般的に“勇者”と呼ぶの。だって勇気がある者たちでしょう、冒険に出かけてモンスターを倒したり魔王軍と戦ったりしてくれるんだから。」


「その中でも飛び抜けてすごい勇者だったのが私の父なのです!モンスターの討伐数やこなしたクエスト数、魔王軍の撃退数などあらゆる記録を残しているのです!ふふん!」


なるほど…。つまりこの世界において冒険者や探索者達は総じて“勇者”と呼ばれているわけか。


教えてくれてありがとう、と言おうとして


「でも、これは常識でしょ?そんな事も知らないの?いや、これは嫌味とかじゃなくてね、なんというか…えっと年齢はどのくらいなの?意外とまだ小さかったりする?」


おっと、この質問はミスったな…。うーん、なんと答えようか。

すごく遠い東の国からやってきた…じゃダメかな。そもそもこの世界って他に国あるのか?というか国を治めてる人にそんな言いわけ通じるのか…?

記憶喪失って素直に白状しようか。でもそしたら家族関係とか疑問に思われそうだしな…。


「年は…18です。いや俺かなりの世間知らずでさ…外の世界のこと何にも知らないんだよねぇ、あはは…。」


なんとなく曖昧にぼかして答える。


「18…ファナと同じですね。ちょうど成人の儀を済ませたぐらいでしょうか。ご家族はどこにいらっしゃるんですか?あっ、っていうかショウタの自己紹介がまだだったじゃないですか!」


と、サヤカに言われ、俺は慌てて自己紹介を考える。


「俺の名前は“八橋翔太”。えっと年は18で…うーんと、勇者志望でこの街に来ま…し、た。それで、えーっと、家族は故郷にいて、俺だけが上京してきた…っていうかお上りさん…というか。」


しどろもどろに自己紹介を続ける。

くそっ、こんな事なら転移する前から自己紹介についてユアと話し合っておくべきだった!


「へぇー!勇者志望!それはすごく助かるよ!この時代に勇者志望なんて見上げた心意気だね!まさしく勇者って感じだよ!こないだも真っ先に助けてくれたし!」


と、ファナは嬉しそうに俺の手を取りブンブン振ってくる。

女の子の手の感触に若干照れつつも、怪しまれずに良かったとホッとする。


「ふふふ、勇者志望ですか…。ふふん、果たして私のお父さんを超えることができるかな⁉︎勇者ショウタよ!!」


このファザコンも自分のお父さんのことで頭がいっぱいのようだ。

なんか尊大に振る舞っているが、身長もこの中で一番小さいし、なんの威厳も感じられないんだけど。

というか、もしかしなくても、この2人ってかなりチョロいのでは?大丈夫ですかねこの国。


「それじゃ、今度はユアの紹介かな!俺についても、相棒のユアが分かりやすく説明してくれると思うよ!」


と、変に言及される前にユアにパスを出す。


「えっ?私…ですか?」


ユアがキョトンとした返事をする。


「そうだね!喋る剣なんて王族の古文書で見たことあるくらいだし、とっても珍しいからすごく気になるよ!」


「そうですね、私の父もさすがに喋る剣との冒険譚は話してませんでしたし、実在するとは思いませんでした。私も気になります!」


「そ、そうですか?は、恥ずかしいですね////」


よしよし、良い流れだ。

ファナとサヤカは興味津々だし、ユアもまんざらでもなさそうだし。

ここで良い感じに俺とユアについて紹介してくれればとりあえずは安心だろう。

そのあとはギルドに行って勇者として登録的な手続きをして、んで数日このお屋敷でお世話になったりしつつ、手頃なクエストで小金を稼いで当面の生活費を工面しよう。


なんて先のことを考えていた俺は、ユアのテンションが高くなっていることに気づけなかった。

照れるユアをさらに囃し立てる2人を見ていなかったのだ。

そして、、、


「そこまで言われたら仕方ありません。では僭越ながら………私の名前はユア!魔王を討伐すべく神に造られた伝説の剣!そして相棒のショウタは記憶喪失ですが、何を隠そう!その勇者の剣に選ばれし伝説の勇者なのです!!!!!!!!!!!」


ババーーーン!(ユアから謎の効果音が鳴る)


ピカーーーーッ(何故か発光するユア)


ぁぁぁぁぁぁ(声を押し殺してその場に膝をつくショウタ)


ば、ば、ばかやろーーーーーーーーー!!!!!!




続く!(ババーーーン!)



どうも長文お疲れ様でした!ババーーン!

いやほんとこんな終わり方にするつもりはまるで無かったんですがね、なんか閃いてそのまま書いてネットの海に放流する暴挙に出ました。最近ちょっと様子がおかしいモッチー!です。

化石作家がどうしたことか更新止まりません。それもこれもみんなが読んでくれて感想を書いてくれるおかげです。

友達の小説も積みまくってて、早く読まないと間に合わないんですけど、

でもなんだろう、この感覚こそ懐かしいというか、高校時代を思い出してとても嬉しい気持ちになってます。

まぁさすがにそろそろ化石作家に戻るでしょうが、熱のあるうちにバンバン書いて投稿しちゃおうと思います。


ではでは、また、生きていたらお会いしましょう。

ばいばい。


追伸:選択肢を選ぶという設定はどこに行ったんでしょうかね

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― 新着の感想 ―
[良い点] やっぱり会話劇だよねぇ。なつたのしい。 この3人の会話が最高だよなぁ? [気になる点] 名前に聞き覚えがあるー114514点 [一言] サヤカに見知ったお父さんができて我悲しい。 次回も楽…
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