銃乱暴風(ガンゲイルテンペスト)
「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・」
とある郊外少女は息を切らしながら茂みに隠れ態勢を立て直す。手にはライフル銃の弾を込めながら耳についてるインカムで情報を手に入れようとしている。
「こちら・・・・・・・・アイ、ジュピター、ジェイソン応答を頼む」
ザザザザザザザ・・・・・・・
雑音が響き音信不通ながらも依然通信を続ける。彼女らは、いわゆる『転移者』でこの世界に来る前はミリタリー研究部に所属している程のガンマニアだ。アイはミリ研に入る前は、ただなんの取り柄のない地味目の女の子だが、同じクラスの男子生徒のコードネームジュピター、ジェイソンに誘われて彼女は銃に魅力を捕らわれたのだ。
そんな彼女は銃の概念がないこの世界で、神様がくれた創造の力と現代知識を駆使してなんの変哲のない鉱物を現物とはほぼ変わらない銃を生み出したのだ。それ以降彼女らは、本来の目的である魔王討伐よりも銃の性能の為、素材集めやモンスターに試し打ちをし日々性能を明けていた。
それは元凶に操られてもその願望は変わらなかった。
そして今彼女らは数分前はいつもの通り小屋で銃の整備をしている最中、突如として槍のような砲撃を打ち出され間一髪逃げたのだが、他二人とは、そこで別れてしまった。
「一体敵はどこにいる・・・・・」
アイは、自分の持つ特別スキルの『ステルス迷彩』を使い身を隠し、『暗視スコープ』を使い暗闇の中敵の気配を探っている。
この寒さが肌で感じる涼けさにも関わらずアイは緊迫で汗がしたたり唾を飲み込みながらゆっくりほふく前進しながら探った。
「こちらアイ、応答願う」
ザザザザザザザザザザザザ・・・・・・
「(やっぱりだめか・・・・・・どうしてこんなことになったんだ・・・・・・・)」
以前反応がない通信音で彼女は、諦めかけたその時通信先から新たな変化が聞こえる。
『ザザザザザ・・・・・・・ハローお嬢さん。こんな・・・・・・・・ザザザザ・・・・・・夜更けで何をやってるんだい」
「・・・・・・・誰だ」
その声の先はとてもダンディな声をした男が明るく話しかけたのだ。その予想だにしなかった声でアイは過剰に警戒する。
「お前は何者だ・・・・・・ジュピターとジェイソンはどこに行った・・・・・・?」
『ふぅ~~~~~~~それにしてもこの通信機ってもの凄いねぇ。魔力を使わずに遠方の相手に通信ができるなんて現代にはこういう便利なのがあるのかい?』
「答えろ仲間はどこだ?」
『まぁまぁそんなに怒らんなさって・・・・・・・戦は焦った方が負けだゼお嬢さん?』
飄々とした声でアイは歯を食いしばりながら相手の出方を見、周囲を見るが人らしい気配は見えなかった。
『お嬢さん・・・・・・感が良さそうだから、降伏し投降しなさんな。この戦いどちらにしてもお前さんの負けだよ』
「仲間は・・・・どこだ」
『もちろんお仲間さんは無事だ。お前さんがなにも持たずに投降すれば、全てが終わる。場所は変わるけどまた銃を作ればいいじゃないか・・・・・・・』
「・・・・・・・・ふっそうだな。その言葉断らしてもらう。こっちは、アンタのような得体のしれないものに付き合ってる暇はない力ずくで連れ帰らしてもらう」
アイは怒りで通信機を壊し、相手の位置がさとらえないようにする。そして仲間の為に常に『ステルス迷彩』を纏い立ち上がり所持してる銃を全てさらけながら進む。彼女はただ救いたかったのだ。今まで無色でなんの変哲のない世界をあの二人が銃一色で染めあがった。その鋼鉄の絆が動力源になり引き金をこめようとする・・・・・・・・・だがそれはできなかった。目の前にある絶望的な光景で引き金を引こうとした銃が手を滑り落としてしまい立ち止まってしまった。
「なんだ・・・・・・・・これは」
その光景は青色の夜空の中に100は有に超える無数のライフル銃が宙に舞い上がりアイを取り囲んでおり、その中心では、葉巻を悠長にすいすずしい笑顔を浮かんでいるテンガロンハットを被った中年の親父がアイに向け手を挙げる。
「チャオ。お嬢さん初めまして『夜明大翼』です」
「なんだこれは・・・・なんで宙に無数の銃が・・・・」
「『銃乱暴風』それが俺の神殺しの力さ」
「神殺し・・・・・」
「まぁ訳も分からないような顔をしてんだけど。お嬢さんは一度正戦を挑んだ・・・・・・・なら、こっちも戦いを挑むことにするよ」
「あ・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・」
あまりにも戦力の差によってアイは恐怖で動かずその光景をただじっと立ち尽くし下半身が震えだし、失禁寸前だった。そんな中神殺しの男は手を出し親指を立て人差し指をかざし銃を打ち込むようにして打ち出すしぐさを出す。
「ズドン!!!!」
その合図により無数の銃はアイに向け全弾発射され周囲は数秒の銃撃音が響き渡った。
「ふう~~~~~~~~こんなもんかい」
あの戦後男は、仕事を終え悠々に葉巻を加え華麗に吸い出す。彼の名は、オロック セルウィン『夜明大翼』の一人だ。そんな彼がしてるのは先頭に敗北し気絶している三人の治療だ。容体は数か所の黒い痣はあるが命に別状ないほどの傷だった。
彼の持つ『銃乱暴風』のライフル銃の弾は、身近にある対価によって装填する弾の種類が違う。例えば火を対価にすれば火の弾丸を打ち出し氷ならその属性の弾が放たれ自分の魔力を消費することによって本来使う実弾を形成されそれを射撃することが出来るのだ。
今回は空気を対価にすることである程度ダメージを最小に抑えたのだ。
これも全て自分の組織の為に力を尽くしてるのだ。
「ん~~~~~~どうも久々の運動は疲れるねぇ。彼女らが起きる前にススに連絡するとしようかね~~~~」
オロックは葉巻を捨てあくびを軽くした後に手をかざし仲間に連絡をしようとしたその時、オロックは背後からシノビ寄る影によってその行動を中止する。
「お前さん誰だい。こんなオッサンをつけ狙うなんてもの好きがいたもんだ・・・・・・」
「・・・・・・・オロック セルウィン・・・・・・・すみません貴方はここで死んだことにしてくれませんか?」
ゾクッ
「『銃乱』・・・・・・・・・・・・・はやっ」
そのただならぬ気配によって背筋は凍り付きとっさの判断でオロックはゴッドスレイヤーの力を発動し手にライフルを具現化するがその前に目の前の白い制服をアレンジしたような衣類を着た黒髪の女性があっという間に間合いに入れて長い太刀の白刃をチラリと輝き見せる。
「鳴け『静寂神楽』・・・・・・・・・」
そのさえずりで勝負は決した。目の前のオロックは風に舞い散る儚き木の葉の如く前に倒れ沈んでしまい。目の前には、蒼い瞳を輝きだした黒髪少女に軍配があがる。そして少女は息を吐き静かにつぶやく。
「そろそろ来そうですね・・・・・・・・・・」