表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/12

黒髪美女は熱く燃ゆ

この話は個人的に燃える展開にしたかったので、途中で区切りたくない結果余裕で八千字越えました。

黒髪美女の熱き戦いをご覧あれ

月が照らす闇夜の大樹の元、虹色の光がチカチカと照らすなかジレンと神代刹那がお互いの神殺しの剣を打ち合わせていた。

「ふt・・・・・・」

「・・・・・・なかなかやりますね・・・・」

「はっ今まで鞘を抜かねぇてめぇが言うんじゃねぇよ。サッサと本気出せよ・・・」

戦いはお互いがほぼ互角に斬りあっているのだが、相手の神代刹那とはいうと、長太刀を鞘に納めたまま戦っているのだが、彼女のそれは、一見刀を収めて不殺覚悟で戦っているのに見えるがそれは違う。彼女の鞘の周囲には魔力で刃の形のように変化し斬り裂くことができるのだ。その証拠に彼女が鞘を収えたまま斬った木々は、美しい切れ味を見せるかのように綺麗に真っ二つになっていたのだ。

それを見たジレンはより歯を噛みしめ悔しさを見せる。この女はただでさえチートの力を持ってるのに未だに神殺しの力の欠片も見せてないということだ。

しかしながらジレンも様子見の為に手を抜いているのだ。なんせ相手は、神殺しの力を持った『転移者』だ。同じ神殺しの力の領域に立っているので、いくら積極的なジレンでも策もなく突撃するということは、無謀すぎるので相手の出方を伺いつつ徐々に力を上げようとするが、相手は未だに本領を発揮してないのを見て、次に挑発をしようと試みた。





「おい、どうしたよ。さっきからダラダラとした打ち合いをしやがって、てめぇ神殺しの力を持ってるんだよな?サッサとその鞘を抜けよ。その前にこの軽そうな頭を地に落とそうか腰抜け・・・・」

「挑発が丸見えです。そんなことで私が乗ると思いですか・・・・・」

「あ?しょうがねぇだろ?お前が本気を出さないのが悪いんだろ。それともお前の目的は時間稼ぎか、今の切り合いで5分も経っちまってススの『珀船』の発動時間が半分も切っちまった。それまでに終わらせなぇとススの次の魔力が前回になるのに時間がかかってしまうぞ」

ススの魔力は他の人間とは違貯める力が極めて少ない。それでも魔力を回復する『ポーション』はこの異世界があるのだが、このススはとある事情で、薬品系、または他人の魔力を内部に送り回復することが出来ないのだ。それについては後に話をするが、アジムはその問題について密かに研究をしているのだが彼女が現在問題を解決することが出来なかった。

彼女に頼るのは自動回復なのだがそれは丸一日経たないと出来なということだ。

なのでススは戦闘時は自分の魔力を使わずに『珀船』の力を代用し魔力を変換してサポートに回ってるのだ。




「そうですか・・・・なら今回は諦めるのですね」

「馬鹿が・・・・誰が諦めるかよ『虹霞剣』!!!!!」

ジレンはより力を引き出し周囲に虹色のオーラを漏れ出し、じれったいと思い本気の片鱗を見せる。





「・・・・・・・本気ですか。本当はやめて欲しかったのに・・・・・私に鞘を抜かさないでください」

「なにを余裕を抜かしてんだぁ。『螺旋一式 瞬景しゅんけい』」

「・・・・・・・・ぐっ!!!」

そして、そのまま姿を消し瞬時に神代刹那の懐に入り、斬りつけようとするが、彼女の起点により背後に避けるも左袖にかすり血が噴き出しており、瞬時に腕を抑え、回復魔術を使い止血していた。





「どうした!!!転移者よ。次は首を狙うぜ・・・」

「仕方ありません・・・・・・ならそうさせざるしかありませんね」

神代刹那はジレンの力を認めたかのように鞘から刀を抜く居合の体制に入る。彼女がようやく本気を出すそぶりを見せてもジレンは保険を掛け自身になにか力を注いだ後に、先ほどと同じ、高速抜刀術の『瞬景』を試みる。






「『瞬景』・・・・・・・・」

先ほどと同じように周囲に衝撃を流した後に瞬時に相手の懐に入るのだが、神代刹那はそれを読んだかのように鞘から静かに白刃をチラリと輝かせる。そして・・・・






「鳴け『静寂神楽』・・・・・・・・・」

「なt・・・・・」

そのさえずりの後に彼女の刃から軋み泣きわめくような振動が響き渡り、それと同時に無数の斬撃がジレンに向かってかまいたちの如く飛びかかってくる・・・・



「ぐわ・・・・・・」

ジレンはその攻撃をまともに受け、血しぶきを浴び後ろに二転三転転びまわっていた。

神代刹那はその姿を見て、つい自分の本来の力を見せてしまったことを後悔したように俯いていた。

そしてジレンがピクリと動かず再起不能だと確認すると冥土の土産の為に自分の能力を解説する。





「これが、私の神殺しの力『静寂神楽』一見ただの長い刀に見えますが白刃を抜き軽く振ることで無数の斬撃を飛ばすことが出来ます。それも刀を鞘から抜くのが長ければ長い程い威力が上がり、強く振れば降るほど飛ばす斬撃の数が増えます。今私が見せたスイングと抜きの長さは本来の力の半分も満たないですがこの威力です。どうですか。恐れいますか・・・・」

「・・・・・ああ、恐れ入ったよ。本当に保険を掛けてよかったぜ・・・」

なんと先ほどの斬撃の嵐をまともに受けたのにも関わらず平気な顔で立ち上がり神代刹那は予想外な顔を見せる。



「なぜあれを食らって平気なのです。手を抜いたとはいえ再起不能のダメージを与えたはず・・・・・」

「『螺旋五式 色彩』・・・・・・悪いなこの虹のベールで攻撃を最小に抑えたぜ」

ジレンの傷らだけの『夜明大翼』の制服の裏地にはホンの微弱の虹の魔力を帯びそれはちりとなって消えていた。

ジレンは、攻撃を仕掛ける前に『色彩』を使い服の裏地に鎧のような高度な虹の力を纏っていた。これにより防弾チョッキの役割を持ちダメージをほぼ吸収し致命傷を回避したのだ。






「俺がくたばったと思って先ほどからベラベラと能力を解説しやがって、それがてめぇの命取りになるんだぜ」

「そうですね・・・・それでも戦況は変りません。同じ神殺しの土俵に入りましたけどそれでも神の恩義があって力の差が目に見えてます。その証拠に体中にダメージの余波が当たっただけで大分息が荒れてますよ」

「はっ、そんなもん。ヒールで回復すれば、ダメージなんて意味がねぇんだよ。戦力が変わらねぇだと。だったらそろそろ俺の『虹霞剣』の本領を発揮しようじゃねぇか・・・・・・『螺旋四式・・・・・・・・羅王らおう』をな」

血が噴き出し興奮したかヒールを使い回復しさらに虹色の剣が白く発行しうずまきさらなる螺旋を描き周囲に衝撃波を起こす。まるで世界の終わりを唄うように森が泣いているように悲鳴を上げていた。

これがジレンの最も最高パワーを持つ奥義そして魂を目の前のかたきである『転移者』に放出しようとする。





「(この力いったいどこから・・・・・彼は、情報によるとレベルが5のはず。いくら神殺しの力を得たといってもこれほどの力は出せないはず・・・・・・なるほどこれが復讐の力ですか・・・・・上等ですこちらも力で押し返しましょう。いくらパワーが上でも転移者と神殺しの両翼の力を合わせればこれくらい)」

「『羅・・・・・・・』・・・・・・・・な・・・・・・んだと」

ジレンが羅王を発動する瞬間いつの間にかアジムの黒蝶がどこからか出現し、『虹霞剣』に侵入し剣は漆黒に染め上げ光の放出ができなくなってしまい先ほどのような森のざわめきは嘘のように消失してしまった。

それと同時に神代刹那の背後から突如アジムが現れ彼女に向かって黒刀の柄でうなじに向かってこずいて気絶しようとしたが、神代刹那は数あるスキルの一つの『千里眼』(周囲の相手を広範囲で見ることが出来るスキル)と『真眼』(目くらましなど遮断系の魔術は無効)を使い闇夜に忍び寄るアジムをくっきりと見切りその攻撃を防ぎ、神代刹那刹那の周りには不気味に黒蝶の死体が地面に舞い散っていた。

そしてこの攻撃が効かないと察したアジムはジレンがいる場所まで引き返し、『虹霞剣』に侵入した黒蝶を回収する。



「さすが『転移者』ここまでスキルがあるなんてさすがね・・・・・」

「まさかそれで私を仕留めると思いですか・・・・私的に先ほどの彼の奥の手を発動した方が危なかったと思いましてけど・・・・」

「残念ながら私達の目的はあくまで貴方の拘束よ。ただでさえ貴重な神殺しを持つ『転移者』ですもの。ここで殺したらもったいないわ」

「師匠。まだ、そんなこと言ってんのか」

「ジレン。どうしたの。息が上がってるわよ」

「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・誰のせいだよ」

ジレンは息が上がった顔でアジムを睨んでいた。『羅王』の発動の副作用によって体力が一時的に疲弊して動くなってしまっていたのだ。それに加えその大技が不発に終わりこの期に及んで保護だの拘束だの安っぽいことを言ってる師匠がとても苛立たしかった。




「それにしてもあの黒蝶いつの間に仕込んだんだよ」

「貴方が先に行くときちょろっとね。念のために次のカードの為に相手の能力ちからを解析してもらったわ」

アジムは本来モンスターの群れは軽く一蹴するほどの力量はあったのだが今回はあえて時間をかけていたのだ。それは事前にジレンの体に仕込んでおいた黒蝶の解析が終わる為にわざと遅らせたのだ。

彼女の神殺し『魂蝶奏プシュケルネ』の一部である黒蝶は周囲の動きを記録することが出来それを回収することで記憶に加えることが出来るのだ。

そしてもう一つ黒蝶の能力は、他の神殺しの能力を封じることが出来るのだ。それによりジレンは先ほど『羅王』の発動を強制的に打ち消されたのだ。

ちなみにアジムはさきの背後で攻撃と同時に数匹の黒蝶を神代刹那の長太刀に仕込もうとしたが、相手はその回避と同時に剣を抜き周囲に斬撃を飛ばし黒蝶をすべて払ったのでその策は虚しく不発に終わったのだ。





「はっ任せたって言う割には結局は俺は、アンタの引き立て役かよ。この隠見な魔女め・・・・」

「それは誉め言葉と受け取っていいわね。それより、『転移者』神代刹那さん。準備運動は終わったかしらこれからが本番よ・・・」

アジムは愉悦な表情を浮かべながら黒刀を相手に向け宣戦布告をする。



「なるほど先ほどの得体のしれない蝶は貴方のそれですか?文字通りただ者じゃありませんね」

「本来は貴方に手荒らなことをせずに拘束したかったけど正直ここまでな腕とは思わなかったわ。不殺はするけど、手足の一本や二本は失うことは覚悟しておいてね・・・・」

「出来るならそうしてください」

「それとジレン貴方は邪魔になるから非難しなさい」

「ちっ分かったよ」

「~~~~~~~~~」

「ああ」

ジレンは息が上がった状態で戦力にならないと分かったので一度下がろうとするが、その前にアジムは一言伝言を残し、木影に隠れ体力を回復することに専念する。







「それじゃ第二ステージいくわよ」

その合図と同時にアジムはすでに居合の構えに入ってる神代刹那に向かって接近し、開戦する。

そしてススの『珀船』の閉鎖時間まで残り10分戦いはさらに激化していた。







「『静寂神楽』・・・・・・・」

「甘いわよ」ガスっ

双方の黒髪美女であるアジム ニルヴァーチと神代刹那との戦いは、ジレンとの戦いよりさらに過激となり、神代刹那は最初から居合で無数の斬撃を飛ばし本気モードを見せるが、アジムは、その斬撃の嵐を上手く避け抜けジレンとの戦いの記録の通り彼女の戦闘スタイルを僅かの時間で見切り予知し懐に入り蹴りを入れる。

アジムは本来近接戦闘より黒魔術を得意とする魔術師で剣術についてはその次だったが、それでもチートを与え近接戦闘のステータスは恐らく彼女の倍以上もあるがその差を見せないように善戦していた。

なぜなら彼女は、ジレンを一から戦い方を教えた先生でなおかつ『夜明大翼』で最も神殺しの力の熟練度を上げている彼女はその力の隅々まで知っている。それ故に自分より格上には負けるはずはなかった。




「だったら、今度はより早く・・・・・・・・」

「いや、それじゃ足りないわ。私を楽しませるなら後五波を加えなさい」

「なに・・・・・・(この人無数の斬撃を見境もなく突っ込んで・・・・)」

負けずに神代刹那はさらに太刀の抜く長き抜き前回の速さで刀を振る。その影響で周囲の木々は切り飛ばされ文字通り更地にし、アジムの体に数か所刃が当たるが、傷が入る形跡はなく、さらに笑みを浮かべ近接に接近する。神代刹那はすでに刀を半分抜いており、近接で抜刀する体制ではなかったのですかさず防御の魔術の体制に入り目の前に魔術でできた甲羅を出現する。




「『シェル』」

「残念だわ。貴方剣士でしょう?剣士なら最後まで剣術を貫いて・・・・『パニッシュ』」

「く・・・・・・『縮地』」

だがその甲羅は、アジムの打ち消しの魔法でかき消し、黒刀の逆刀で気絶する勢いで攻撃するも、神代刹那は一か八かのかけでスキル『縮地』を使い背後に移動し、わずかに出来た時間で抜いたままの白刃を強く振り、かまいたちを作り、振りかぶろうとしたアジムに襲い掛かろうとする。





「これなら・・・・・・・」

「甘いわよ」

無数のかまいたちが迫る瞬間、アジムの黒いドレスの記事の範囲が伸び、斬撃に吸い付くように斬りつける予定の皮膚に迫り斬撃をガードしており、そのドレスの生地は鎧のように硬く斬撃を無効にし、アジムは最小のダメージを受けることで窮地を去ったのだ。





「今、ドレスが伸びた・・・・・・・・もしかしてあなたの神殺しの力・・・・・・最初はその刀だと思ってましたが実はその重苦しいドレスだったのですね」

「ご名答、私の神殺し、『魂蝶奏』はこれよ。ホンとは明かさずに終わらしかったのだけど、初見でそこまで見破るなんて貴方が初めてのようね・・・・」

アジムニルヴァーチの神殺しの力『魂蝶奏』は本来形などは持っていない。強いて言えば彼女から出現する無数の黒蝶がそれだ。その黒蝶を無数出現することで鎧だろうと刀だろうと変化することが出来る。彼女は神殺しの力を得た以降幾多のモンスターや魔族に挑み、これ以外にも数多の変化を出来戦いのバリエーションが増やしていくのだが、増やしすぎるともし窮地の時にどう対処すればいいか混乱するので、そのバリエーションの中から優秀な形態を編成し、最終的にメイン武器は黒刀と黒ドレスに落ち着いたのだ。







「それは光栄です。現『夜明大翼』の最高責任者に褒めていただくなんて。感謝します。貴方なら私の本気を受け止めてくれるでしょう」

そう言いながら神代刹那は重い腰を上げようやく長太刀を抜き取り本気の体制に入る。彼女の様子は元凶に操られてる雰囲気がない程生き生きとしており、剣士としての本能のままに戦いを楽しんでいった。





「先にいいます。これから私はこの状態のまま強く振り上げますので、できれば避けてください」

「ええ。分かったわ・・・・・」

彼女の持つ『静寂神楽』は封じる為の鞘がないせいか刃全体から空間を軋しませるほどの禍々しいオーラが漂っておい、その力はすべてを飲み込むの力を孕んでいた。

そのオーラを見たか先ほどまで『羅王』を発動し動けなかったジレンは居ても立っても居れずふらつきながら二人の戦いに介入をする。





「おい、ちょっと待てよ。あと一人誰か忘れてねぇか・・・・・今度こそ『羅王』をぶち込む」

「ジレン、体は大丈夫なの。無理したくてもいいのよ休みなさい。それに『羅王』を一日で二発目を発動するのはまだできないはずなのに・・・・・・」

「何言ってんだ。俺はアンタに恩義がある。いろいろ文句はあるがアンタを死なせねぇよ・・・・・」

「分かったわ。ススの『珀船』が閉鎖するまで残り三分しっかりと魂を燃やして」

「ああ・・・・・・・『螺旋四式』・・・・・・・・・・『羅王』!!!!!!!」

その咆哮と同時に再び虹の剣は白く輝かせる。二発目を発動した影響か力の重みが加え、光の点滅が激しく途中で失敗するほどの脆さがあるが、ジレンは目の前の『転移者』の私怨をバネにして発動を維持している。






「ぐ・・・・・・・・・ぐ・・・・・・・流石に二発目はヤバいな。呼吸が切れそうだ・・・・・」

「ジレン相手はこれから本気の一撃を打とうとする、貴方はそれをうまく相殺してその間私は相手の懐について終わらせる」

「ああ、どうせ俺は引き立て役だ。主役は副団長様に譲っている。どのみち俺には王道な主役には似合わない。姑息なことをする裏方がお似合いだからな」

「この勢い、一発目と同等いや二倍三倍膨れ上がっています。ここで命を尽きる程の勢いですね。ですがそれが私をたぎらせる。行きますよ。これが本当の『静寂神楽』を・・・・・・」

『虹霞剣』に『静寂神楽』双方の神殺しを纏った力が地響きを上げ悲鳴を上げるお互いは、息を殺し大技を放つため静かに時は待つ。そしてその時は訪れた。運命の風が双方に吹きかけた時お互いに叫ぶ。







「うおおおおおおおお!!!!!!!!!」

「『静寂神楽』!!!!!!!!」

瞬間周囲は二つの攻撃をぶつかるほど輝き続けた。その光はここより十里離れた都でさえ真夜中にも関わらず光子が昼間のように明るく移るほどの光景だった。双方の光は最初はお互い拮抗してたのだが、総合的にすべてを解放した『静寂神楽』と神代刹那の信じられないほどのステータスで力が膨れ上がり虹の光は瞬時に飲み込み、その後に、無数の刃が複数に二人に襲い掛かり光の果てに呑み込んでしまった・・・・・・





戦いが終わるころには、先ほどの森は更地になるほど荒れ果てジレンとアジムはおろか隠してたオロックとアイを含む三人の『転移者』も消えており。この更地に一人取り残された神代刹那はつい勢いに乗った自分に後悔をしていた。





「すべてが消えてしまいましたね・・・・・・やっぱりこれは使うべきではなかった」

「いや、貴方は最初から使ってなかったわ」

「!!!!」

突然脳裏に響く消えたはずのアジムの声に神代刹那は周囲を見渡す。そして一瞬瞬き(まばたき)をすると先ほど更地にした森は一変、元の大樹のあった森として復活されており、目の前には神代刹那の首筋にはジレンとアジムの二人の刃がしっかりと喉元に当てていて文字通り動けない状況になった。

この突然の出来事でアジムは焦り冷や汗を流す。




「これは一体、先ほど私は、周囲を更地にしたのですが・・・・・」

「してないわ。貴方は先ほどジレンの術中にはまったのよ」

「『螺旋二式 おぼろ』成功」

ジレンが先ほど放とうとした『羅王』はジレンの『朧』によっての議事工作だった。つまり、その発動以降である『羅王』と『静寂神楽』の打ち合いや、ジレンとアジムが光の果てに消失した出来事は神代刹那がかかった術中に過ぎないのだ。



彼の持つ『朧』はいわゆる幻覚、錯覚を起こすの技で、『虹霞剣』が発光する紫色の光を相手が見ることで幻術に入るのだが、その技は、神の力を持つものや知性の低いモンスターや術に耐性かないものには聞くが熟練の術者なら一分も持たぬ不出来の技でジレンの戦闘スタイルである接近戦を考えると本人もこの技を滅多に使わないほどの不遇の技だ。




「そんな私には『真眼』があります。これはあらゆる現実も・・・・・・・・はっしまった」

「そうよ・・・・・・私達はゴッドスレイヤーよ。神の力に与えられた『真眼』もどきはその前にはただの眼にしかないようね」

「でもいつからその作戦をどう考えても即興で立てる作戦じゃないでしょうに・・・・・」

「悪いな。それがあるんだな。先ほど俺がこの戦いを退くと瞬間に師匠が『頃合いをみたら戦いに参戦して『朧』を発動して』と言いやがった全く隠見な魔女だ」

アジムは、全て計算通りだった。神代刹那とアジムの戦いはあくまで撒き餌、成功法でやり合うとそれ相応のリスクが生まれるので、剣の打ち合いという騎士道精神は捨て下法な方法で勝負を優先したのだ。

その戦いの結果でジレン、神代刹那は互いに理想的な戦いができなくやりきれない気持ちで一杯だった。






「本当は正々堂々で戦いたかったのですけど残念です・・・・・・」

「それなら、私達の本拠地までくればいつでもできるわよ・・・・ようこそ『夜明大翼』へ・・・・・」

「ふ~~~~~~~~~降参です・・・・・」

神代刹那は心の中で様々な感情がぶつかっていたのだが結局はその思考を停止し、息を静かに吐き握ってた長太刀を地面に置き戦いは終息した。




思えば、アジムにシズクに刹那の三人は性格は違えど全員黒髪長髪美女な設定にしてしまったな……(しかも三人とも剣が武器という)

まさか序盤でこうもキャラが被るとは作者の引き出しが狭いかよほどの黒髪萌えのせいでしょうか……

本人自覚ないのに……

まあ、アジムは剣士というより魔術師の属性が強いから大丈夫だろ?たぶん……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ