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「魔女のエチュード  ~宗教幻想を題材にした六つの詩曲~」第4番 私は月をあおぎ黒猫と踊る

作者: 黒実 音子

1

目覚めなさいな、満月の月

歌いなさい、ああ、孤独な蜥蜴

私は月をあおぎ黒猫と踊る

孤独なファドに身を捧げた女に相応しいギターラの音で


一人踊っていた孤独な私の道は

ああ、あの日美しい貴方の道とすれ違ったのです

私が魔女だと知っていても、貴方は私に優しくしてくれたのでしょうか

おお、罪深い闇の深さよ

神に背いた私と、神に愛された貴方が

愛しあう道などは何処にもないと知らずに


ああ

魔女は暗闇に月を探して彷徨う

貴方は喧噪の影に闇を求めて微笑む

私は左手で悪魔に祈るのです

愛しい男を捕らえる為

ああ、結ばれるはずなんてないのです

道は初めから違っていたのだから

ただ、遠く美しい貴方の幻が、私の孤独な道に映っただけなのですから



2

囁きなさい、私のしもべよ

卑屈という名の闇の眷属よ

私の様をあざ笑うがいい

月夜の夜に愛しい方を待つ私を


私は名を捨て、仲間を捨て

貴方に恋い焦がれ続けるのです

ああ、例え時間の神に逆らって、私の身が永久に滅びてしまうとしても


私は時を止め、貴方の魂を閉じ込めてしまおうと試みるのでしょう

卑しい力の無力さも知らないで

貴方を神から奪おうとするのです


おお

なんと美しい真昼の力よ!!

私の心も体も朽ち溶けていく程に

神の祝福を受けし輝きよ

私が焦がれて止まないもの

ああ、手に入るはずなんてないのです

私は所詮、闇の魔女

ただ、貴方の美しき輝ける道を呪い、妬み、愛し続けているのでしょう


魔女は暗闇に月を探して彷徨う

貴方は喧噪の影に闇を求めて微笑む

私は左手で悪魔に祈るのです

愛しい男を捕らえる為

ああ、結ばれるはずなんてないのです

道は初めから違っていたのだから

ただ、遠く美しい貴方の幻が、私の孤独な道に映っただけなのですから


私は月をあおぎ黒猫と踊る

魔女は魔女、暗闇と踊れ

美しい貴方に二度と出会う事がないように

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