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序章
現代。
それは文明が進み、高層ビルなどが多く並び
人間にとって、住みやすいものとなった。
その中で、薄れてゆく者達がいる。
妖怪。あやかしという者達だ。
多くは技術などが発展、向上し、
私達の存在は科学的に証明され、
それは人の妄想などと言われた。
森林が多く破壊され、森に住むあやかしも減り
水も濁って私達の居場所は消えていった。
そして、私達は決めた。
ここを捨てて他を探そう。と。
しかし、それは容易では無かった。
行く場所行く場所。
全て壊されていった。
私達は絶望しか見えない未来に飽き飽きしていた。
ある者が言う。
ここではないどこか。我らの楽園がある。と。
私達はその楽園を求め彷徨う。
いくつの日を重ね、倒れてゆく仲間や友たち。
そして私は見つける。
その楽園の入り口を。
その前に私達の事を言おう。
私の名は聖。
九尾の狐である。
この場所に私達の住まう場所はもうない。
気が付けば、私以外の九尾は
消えている。
残されたのは私だけだった。
私が見つけたそこは
椿の木が存在しているのどかな村のようだ。