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子連れ狼 ~異世界HARD MODE~  作者: YesドM
第一章 終わりの始まり
3/11

こんにちわ、お嬢さん

 当然2体1でうまく立ち回ることもできず、生臭い喧嘩になり。

あらやだつよしくん、こんにちは。という顔見知りの警察の方に連行され、現在進行形で事情聴取を受けていた。

「健くんはもうこうゆうことから足洗ったんだよね?それなら彼等とは関わらないほうがいいんじゃない?」

「いやまぁ極力僕だって彼等とはもう関わりたくないですよ…」

「まぁ話を聞く限り今回君は被害者のようだけど・・・。まぁ、昔の友人関係のことをあまりとやかくいう権利は警察官にもないとは思うけど、友人関係っていうのは決して仲良く悪事を働くことではないと思うんだ。」

その言葉を聞き僕は中学時代を思い出した。


 今日絡んできた3人組とは昔はよく遊び、元気すぎる毎日を送っていた。

3人でいるとなんでもできるような錯覚に陥ってしまい、良く揃って喧嘩をしたりして警察の方にお世話になったりした。

 中学から高校に上がる少し前から僕はアニメに目覚め、少しずつ付き合いが薄れていき、高校に上がると同時にきっぱりと別れを告げたのだった。

 あまりに自分勝手であったのかもしれない。ただ薄々はみなも気づいていたのかもしれない。このままではダメなのだと。

ダメなのだと気づいたはいいがどうしたらいいのかがわからない。

だから余計に荒れたのだろう。

「…認めたくないものだな、若さ故の過ちというものは」

「ん?何か言ったかな?」

「いえ…」

 だから僕は「俺」を捨て、アニメへとのめり込んだ。喧嘩をするよりはこっちのほうがいい、なんてことはまだわからない。どちらが良いことであるのかはわからないが変化が欲しかった。きっかけが欲しかった。僕をきっかけに3人も変わってくれればと思っていた。・・・いや、自分を正当化するためのただの言い訳なのかもしれない。


 しかし、高校生になった僕にはこれぐらいしか思いつかなかった。

素直に胸の想いを打ち明けることができるほど自分をさらけ出すこともできずに

かつての友人に心の中で謝りながら僕は深いため息をついたのだった。



 怪我の手当てをしてもらい。事情聴取を受け3時間ほどして、保護者が引き取りに来てくれた。

「…帰るわよ、車に乗りなさい」

 このときの母親の顔を見ることはできなかったが僕に呆れたのだろうか、ショックをうけただろうか、腹がたっているのだろうか。その負い目もあり車内では重い空気が流れているように感じた。

家の近所にあるコンビニに差し掛かるあたりで「ちょっと飲み物とか買いたいしここでいいよ。」と声をかけ停車してもらい

「真っ直ぐ帰ってきなさいよ」

という言葉に相槌をうちコンビニへと向かった。



 コンビニで晩ご飯を買い。紙パックの飲み物にストローを差しながら帰宅しているとふと腰のあたりにつっぱりを感じ「腰やったかな…?」と際ほどの喧嘩をおもいだしなら腰に手を当てた。


手を当てたら手があった。


いやそれはおかしい。

僕は今手を当てたのであってこの手?は僕の手ではないはずだ。

ではいったい『これ』はなんであるのか?

そのことを実感した途端に背筋を電流が走り、全身の毛穴が開き、鳥肌が立った。


見てはいけない。


後ろを見てはいけない。


冷静に警告を鳴らしている意識とは別に頭は少しずつ後ろを向いていく…


「ったくなんだよ、なんもいないじゃんか…」

すっと、早くなった鼓動も落ち着き深いため息をついた。

 そして止まっている足を進めようとしたときだった。


あれ?じゃあ僕が今触ってる手は…?

そう、背後を向いたがなにもいなかった、しかし手はある。

すると自然に視線はあるはずもない腰の手にいき…



僕は女子のような黄色い声を上げるのであった。





 どのような声をあげたのかは本人のプライドのために言わないが、現在は至って落ち着いていた。

というのも

「どうしたんだい?迷子かな?お母さんお父さんは近くにいるのかな?」

ただ子供が健の腰を掴んでいただけであった。

 子供に対して叫ぶなんてひどい。と思うかもしれないが、この子は外人の子供なのか髪が白く。先ほどの状況で夜に上からみたらただの恐怖でしかなかった。


 しゃがみ込み視線を合わせ母性本能前回で両親を探そうかと思い、話しかけてみてはいるが…

「…」

「お兄さんは変な人ではないよ?あ、日本語がわからないのかな…?」

「…」

「え…っと…hello?my name is Tuyoshi」

こんにちは?私の名前は健です。

 残念ながら僕の勉学ではこれが精一杯だった。

かつて英語の授業中に日本語の下ネタを英語でなんていうのだろう。

と英和辞典を開くことに真剣になっていた自分をなぐってやりたい。

なんだか恥ずかしくなってきた。

しかしながらこれでなにかしらのリアクションがあれば英語は通じるということだ…

「…」


・・・無反応、ノーリアクションでした。どうやら僕とはお話をしたくないようです。

だからといいこのまま立ち去るわけにもいかないし…どうしよう…

 うろたえているとこの空気を飛散させてくれるように携帯が鳴った。

ありがたい、と思いつつ

「もしもし」電話に出た。

「あんたなにしてるの!早く帰ってきなさいよ!」

母親からのお叱りの電話でした。

「ごめんなさい。けど聞いてくださいこれにはこうこうこうゆう事情があって・・

いや、適当な嘘とかじゃないって、本当なの。本当なんだって!

え?本当ならどこから攫ってきたのって?

自分の息子なのに信用0ですか!さすがにちょっと悲しいんですけど!

あ、はい。そうですよね。いままでのことありますしね。

本当にすみません。けど現在進行形で僕困ってるんです。警察に連絡したりすればいいですかね・・?」

頭が上がらない、とはこのことをいうのでしょう。

きっとこの男は将来結婚してお嫁さんをもらったときに、尻に惹かれるタイプであろうことはよくわかった。

「うん、うん。まってる。はやくきてね・・」


間違えてはならない、これは女性のセリフではない。健のセリフである。


間違えてはならない、健は乙女ではない。


かつては泣く子も黙るほどブイブイいわせていたドヤンキーである。



信じられないだろ?こいつ、元ヤンなんだぜ?

かつては尖っていた牙も丸くなってしまうとこうなってしまうのだろう。



 話が少しそれてしまったがこれから健の母親が警察に電話をし、母親もこちらに向かってきてくれるとのことで決着がついたようだ。

ふぅ・・

電話がおわり思わずため息をついてしまい。

「これから警察の人とか来てくれるからまってて・・・・ね?

あれ、いない・・・・?」

慌てて辺りを模索してみたが見つからず、これから来るであろう母親と警察にどのように報告したものか・・と頭を悩ませるのであった。


感想、ご意見がありましたらよろしくお願いします。

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