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 血塗れの刃を持つ影。その傍らに倒れる金髪の少女。その少女の背中は赤く染まり、止めど無く鮮血が溢れる。少年の胸中にはどうしてという疑念が尽きない。今までだって、これからだって一緒に居ると誓った。仲間だと認め合った。同じ釜の飯だって食べた。だから友達だとも思っていた。

 影がゆっくりと少年の方へ振り向く。影は涙を流しながら笑っていた。

「君の人生は既に決まっていたんだ。こうなる結末は脚本通り。君の意思だと思っていたこと全てが予定調和だったんだよ」

 影は訳の分からない言葉を少年に向ける。

 人生は既に決まっていた?

 脚本通り?

 全てが予定調和?

 少年は影が口にする言葉全てが理解できなかった。

「そんなことはどうでもいい!! どうして……一緒に飯を食った仲間を刺せるんだ!」

仲間だったと信じていた存在が一瞬にして敵になる。きっと何か理由があるに違いないと縋るように見つめる。何故こんな事をするのか。打ち明けてくれると一縷の望みに手を伸ばす様に。

「君達と一緒の食事は水のように味気なかったよ」

 そう言って影は消えた。僅かな希望にも伸ばした手は届かない。少年が抱いていた友情は幻想だったと思い知らされた。

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