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エピローグ:ミャウコの輝き、銀河の彼方へ

 ミャウコの伝説的なコンサートから半年。銀河系を震撼させたあの夜は、ただのフィナーレではなく、新たな物語の序章だった。あのコンサートの映像はギャラクシーネットで爆発的に拡散され、ミャウコのキラキラしたパフォーマンスと仲間たちの絆は、星々の若者たちの心に燦然と輝く夢の火を灯した。「ミャウコみたいになりたい!」と、グラビアアイドルやアイドルを目指す娘たちが、ミャウコが代表取締役を務める「みゃう☆プロダクション」に殺到。1000箱以上もの段ボール箱の応募書類がオフィスの埋め尽くし、面接の列は銀河系を三周する勢いだった。「にゃんと!これ、全部あたしのファンレターにゃ!?」とミャウコが無邪気に喜ぶ横で、ルシアは書類の山に埋もれ、悲鳴を上げる。「ミャウコ!これはファンレターじゃなくて履歴書!もう限界、あぁん♡助けてぇ♡」



 ルシアの悲痛?な叫びとは裏腹に、他のメンバーはこのカオスを心から楽しんでいる。


 サラは持ち前のダンスの才能を活かし、会社内に「スターダンスアカデミー」を設立。


 彼女のしなやかで逞しい体躯と、本能的なリズム感を武器に、レッスンは野性味あふれる色気と力強さで新人たちの潜在能力を引き出す。


「ほら、もっと体の芯から動かすの! 自然に体を揺らすと、内側からセクシーさが出てくるの」


 スタジオに響くサラの声に、生徒たちは息を呑みながらも全身でリズムを感じ取り、汗をかきつつ笑顔で踊りを磨いていく。


 彼女の指導を受けた新人たちは、野性的で力強いステップと色気を身につけ、ステージへの第一歩を堂々と踏み出していく。





 ナディアはかつて、港町で「海の歌姫」として名を馳せていた。ミャウコにスカウトされてアイドルとして活動するようになった後も、その経験を活かしつつ、現在は歌の講師として新人たちを指導している。


 彼女のハスキー出艶のある歌声からは、海の静けさと荒々しさ、深い愛、そして漁港で働く人々の情景が鮮やかに浮かび上がる。


ハスキーでセクシー、時に荒々しく、時に海のさざ波のように優しく響く。


「気持ちで負けたら駄目。上手いとか下手とかそんなのはあとでどうとでもなる。絶対にこの歌を自分のモノにするんだっていう気持ちが大事なの」


 ナディアは力強く、しかし柔らかく丁寧に生徒たちを導く。


 そのレッスンは、荒波を乗り越える船乗りのように、生徒たちの声や感情の表現力を鍛え、自由に歌う力を育む。


 生徒たちは汗をかき、声を張り上げながらも、ナディアの指導で徐々に自分の声を自在に操る感覚を覚えていく。


 港町の海風のように、荒々しくも優しいナディアの教えは、単なる歌のテクニックを超え、歌手としての心構えや表現力を育む場となった。





 レイラは元剣士として培った体幹や立ち振る舞いの技術を活かし、アイドルに必要なトレーニングを指導するトレーナーとして活躍していた。


「背筋を伸ばして、視線はまっすぐに。体の芯から動かすことが大切よ」


レッスンを受けた新人たちは、ステージ上で自信を持って動く力を身に付けていった。





 セラフィナは、所属タレントたちの悩みを聞くうちに、カウンセリングの才能に目覚める。 ある日、新人の一人が「自分に自信が持てない」と涙ながらに打ち明けると、セラフィナは温かく抱きしめ、「あなたの心は星屑より輝いてるよ。少しずつ、輝きを見つけていこう」と励ます。この経験から、彼女はカウンセリングの資格取得を決意。「みんなの心を癒すのが私の使命です。」と、勉強に励む姿は、他のメンバーにも刺激を与えた。





 ルシアはミャウコ同様その圧倒的な色気と立ち居振る舞いから、所属する研修生やアイドルに姿勢や歩き方、より可愛く、よりセクシーに、よりエロティックに魅せるポージングを指導する講師として活躍していた。


「はい、腰はちょっと右に……顎を少し引いて、息を抜いて……そのまま……♡」


 生徒たちはルシアの指導を真似ることで、魅力的な表現力を身につけていく。





 ミャウコ自身は、相変わらずマイペース。書類の山を「キラキラな夢の宝箱にゃ!」と称して飛び跳ねたり、面接会場に突如現れて「みんな、ミャウコのキラキラパワーで輝くにゃ☆」と叫んだり。彼女の存在自体が、会社全体を明るく照らす太陽のようだ。メンバーたちはアイドルとして第一線で活躍しながらも、会社内でそれぞれの役割を見つけ、夢の後押しをする喜びに目覚めていく。


 元・魔王の高城アサヒは、現在フリーランスのカメラマン兼プロデューサーとしてミャウコの会社で活躍している。また、全体マネージャー管理も担当し、スタッフの動きを見守りながら撮影やプロジェクト進行を調整する姿は、かつての魔王の鋭さと、今の落ち着いた頼もしさが同居している。彼の視線は常に的確で、現場の誰もがその判断に安心感を覚える。


 一方、元・ラノベの神ゼノスは、同じくミャウコの会社に就職し広報部長として活躍中。SNSのフォロワーは瞬く間に10億を突破し、その圧倒的な影響力でミャウコや所属タレントの情報を銀河中に拡散。彼の戦略眼と行動力は、スタッフやファンからも一目置かれる存在だ。





 二人はそれぞれの専門分野で活躍しながらも、会社全体の運営やアイドルたちの活動を陰で支えている。高城アサヒが完璧な構図でシャッターを切る間、元・ラノベ神はその瞬間をSNSで瞬時に広め、世界中のファンがリアルタイムで歓声を上げる。かつての魔王と神の力は、今や銀河のスターたちを支える光となっている。








 そんな中5500万人の応募者の中から選ばれた7人の精鋭たちが、ミャウコの前に立った。舞台は広大なスタジオ。照明が光を弾き、熱気が渦巻く。観客は審査員の他、メディア関係者もずらり。ここで彼女たちは、自由なパフォーマンスで自らの魅力を競う。





■ナナ(人間/舞台役者)


 舞台役者としての経験を活かし、ナナは一人芝居を披露。物語の中で悲しみ、喜び、怒りを体全体で表現する。動作の一つひとつに艶やかさがあり、観客をぐっと引き込む。ミャウコは舞台の最後、ナナがゆっくりと観客席に向かって微笑む瞬間に「これ、ステージでも絶対映えるにゃ!」と心を奪われた。





■リナ(ヴァンパイア/元看護師)


 歌唱で勝負するリナ。前半はしっとりとしたバラードで聴く者の心を溶かすが、後半は突然激しく情熱的なメロディに変化。二面性を見せつけ、ミャウコは「なんとなく自分に似てるにゃ☆」と感じ採用を決意。もちろんセクシーさの評価も満点。





■レナ(龍族/元ゴミ清掃員)


 レナは水着姿でステージに登場。龍族のしなやかな身体が光を受けて艶めく。仕事で身に付けた筋肉が力強く動きながらも、時折見せる笑顔と視線が観客の理性を揺さぶる。朝焼けの街を駆ける姿を思い浮かべたミャウコは、「筋肉も色気も両立できるにゃ!」と即決。






■ミーナ(エルフ/元介護職員)


 ミーナはエルフの特技である高度なバランス感覚と優雅な身のこなしを披露。舞台上で繰り広げる優雅な舞に、柔らかな微笑みとしなやかな動作が加わり、観客は癒やされつつも惹き込まれる。ミャウコは「癒やし系は銀河中で需要あるにゃ!」と頷いた。






■アミ(魔族/元ポールダンサー)


 アミはポールダンスで魅了する。大胆で挑発的な動きに、観客の視線は釘付け。野性的で引き締まった身体付きと彼女の官能的なダンスが舞台を支配し、ミャウコは「これはファンの理性が持たないにゃ」と即座に採用を決めた。





■リサ(精霊族/元タロット占い師)


 リサはセクシーダンスでステージを彩る。普段は控えめで真面目な姿だが、舞台に立つと劇場的で挑発的な表情を見せる。官能的な動きと映像演出を意識したポージングに、ミャウコは「この子のカメラワーク、ステージでも光るにゃ!」と確信した。





■ルナ(セレーネ族/月の民/大学生)


 ルナは月光を思わせる透明感のある衣装で登場。文学的知性を感じさせるしぐさと、大胆な水着パフォーマンスを組み合わせ、観客を魅了する。ミャウコは「学問も色気も両立できるにゃ!」と笑顔で採用を決めた。





 こうして、7人はそれぞれの個性とセクシーさを最大限に発揮し、ミャウコの前で一堂に会した。どの演技も、どの動きも、銀河に新たな伝説の光を放つ瞬間だった。


 デビュー曲「セクシーなわたしを責めないで」は、大胆な歌詞とキャッチーなメロディで、ギャラクシーヒットチャート777週連続1位を記録。ミャウコも「この子たち、めっちゃキラキラしてるにゃ!あたしのライバル候補かも!?」と、冗談交じりに太鼓判を押す。彼女たちのデビューコンサートは、銀河中のファンを熱狂させ、新たな伝説の第一歩となった。





 一方、前回のコンサートを支えた英雄たちも、新たな道を切り開いていた。ガレンは、魔王を倒した後にルナへの想いを2人の思い出のカフェ「sea side story」で告白。「遅くなってごめん。以前ここで話したろ?好きな人が居るって。俺、ルナのことが好きなんだ。ルナとずっと一緒にいたい」と、普段のクールな態度はどこへやら、頬を赤らめながら伝える。ルナは一瞬驚いた後、柔らかく微笑み、「ありがとう。私もずっと前から心は決まってた」と答える。


 二人は同棲を始め、ガレンは施設管理セキュリティの資格を取得。「ガレン・シールド」という警備会社を設立し、ミャウコの会社を最重要顧客として守り続ける。毎朝、出勤前にルナの作ったコーヒーを受け取り、玄関で「今日も無事に帰る」と小さく誓うガレン。その目の前でルナが微笑み、「いってらっしゃい」と言う。二人の生活には、小さな安心と信頼が溢れていた。


 ルナは魔法指導講師の資格を取り、魔法学校「ルナ・スパークル・アカデミー」を開校。彼女の授業は、魔法の基礎から応用まで幅広く教えることが出来、生徒からは大人気。「魔法は心の輝き。自分を信じて、あなたの可能性を形にしなさい!」


 と、生徒たちに夢を与え続ける。


 テオは、ミャウコの伝説を後世に伝えるため、新興宗教「ミャウコ教」を正式に立ち上げる。彼の能力「ザラオル」――死後に発動する自己蘇生呪文は、銀河中で話題となり、彼は伝道師として一躍時の人となる。ミャウコ教の教えはシンプルだ。「キラキラ輝く心で、いつも心にセクシーを。セクシーは愛、愛はセクシーだ」テオは銀河中を巡り、ミャウコの物語を語り続ける。





 ある日、ミャウコの自宅に二人の女性が突然訪ねてきた。





「こんにちわ~、私たちはミャウコ教を一人でも多くの方にお伝えしたくてお伺いしましたぁ〜」





 と、挨拶する二人に、ミャウコは無邪気に答えた。





「ミャウコはあたしにゃ☆」





 女性たちは目を見開き、口をポカンと開ける。


「え……も、もしかして……教祖様!?」


 二人の頭の中は混乱でいっぱいになった。





「う〜ん、教祖というか一応神様にゃ☆」





 おもむろにミャウコは雌豹ポーズを披露する。


 腰をくねらせ、手を前に伸ばし、視線は鋭く光る。


「信じてもらえたかにゃ☆」


 女性たちは思わず吹き出すどころか、片方は異界送りされるかのように仰け反り、もう片方は目がハートになって見惚れてしまった。


「ひゃあ……ミャウコ様ァァ……!」


 ミャウコはにっこり笑いながら肩をすくめる。


「にゃは☆今日はこれくらいにゃ!」





 ミャウコと仲間たちの物語は、銀河の果てまで響き続ける。新たなスターが生まれ、愛が芽生え、笑いと混乱が絶えないこの世界で、彼らは自分たちの輝きを追い求めていく。ミャウコは今日も、キラキラした瞳でこうつぶやく。「次はどんなキラキラでセクシーな冒険が待ってるにゃ!? 銀河中、もっともっと輝かせるにゃ☆」











最後まで読んでいたたきありがとうございました。

感想等頂けると嬉しいです。



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