神殿内部
背後で石の扉が閉まり俺たちは神殿の中を歩き始めた。
(なんだ? 妙に明るいな)
俺がそう思った瞬間、先頭に立ち案内をしていたドワーフの鍛冶屋ボルトスが振り向いた。
「ルキさん、何で明るいかってんでしょ? 魔道具のおかげでさぁー」
ドワーフのボルトスが前を向くともふもふ熊クレオンが耳打ちしてきた。
「えらく態度が変わりましたね」
「ああ、しかも、えらく勘がいい」
その時もふもふうさぎキラが近寄ってきた。
「ルキちゃん、何話してるの~」
「いや、何でもないよキラ⋯⋯って、何でそんなにたくさんのニンジン両脇に抱えてんだよ!」
「いいでしょー! ほ、ほしゅ⋯⋯んーと、ほ、ほしゅーう、だよ!」
「えっ、それ報酬のこと言ってんのか? 」
「うー、リノちゃん、ルキちゃんがイジメる~」
リノが俺の方を向いた。
「ルキ! いいのよ、逃げてたドワーフ村の入り口の門番の兵士の人が戻ってきた時、お礼にどうぞ差し上げますって言ったんだから」
「そうなんだ、キラごめんな、俺が悪かった、許してくれ」
「許さないもん! ルキちゃんにはニンジンあげないんだから!」
「はいはい⋯⋯」
そうこうしているうちに何回か角を曲がり俺たちは石のエレベーターに乗り込んだ。
どうやら、地上四階、地下一階らしい。
「ああ、ルキさん、上は全て村のやつらの居住区になってるんですぜ」
そう言ってドワーフのボルトスは地下一階のボタンを押した。
ガ、ガガ⋯⋯ガガガガガガ⋯⋯
石のエレベーターの扉が閉まりゆっくりと動きだす。
石の扉が開くとそこはだだっ広い空間が広がっていた。
もふもふ熊クレオンが再度耳打ちしてきた。
「何にもありませんね、何でしょうか、ここは⋯⋯」
俺が返事をしかけた瞬間、地響きと共に地面が揺れた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ⋯⋯
(地震か?)
その次の瞬間、突然良い匂いが俺を包み込むと同時に顔の右後ろから美しくしなやかな指が飛び出してきた。
「ルキ! あれ見て!」
そのリノの美しくしなやかな指の指さす先を見た俺は驚愕した。
なぜなら突然、だだっ広い何も無い空間の地面の砂が波のようにうねり始めたかと思うと、城の形をした建物が徐々にせり上がってきたからである⋯⋯。




