水のオーブのネックレス
もふもふ騎士団、魔法騎士のもふもふ猫タバサのママは水の魔女で予言者のアイルーリスである。
「なんだか魔力が体に満ち溢れてきてますの!!」
魔法騎士のもふもふ猫タバサは祠から出て来ると意気揚々として開口一番そう言った。
もふもふ猫タバサは見慣れないネックレスを着けている。
草原の国レイモーン王国のプリンスにして上級戦士の俺はピンと来てタバサに聞いた。
「 もしかしてそのネックレスの効果か?」
「そうですの、フィリア湖の精霊が言うにはママが1000年前に『1000年後にネックレスが出来上がったら私の娘に渡して欲しい』と言ってフィリア湖の精霊に依頼した水のオーブのネックレスですの」
「へぇー⋯⋯っていうか、アイルーリスって一体何歳なんだよ!⋯⋯それに、何でネックレスが出来上がるのに1000年もかかるんだよ」
「その事は、私も気になってフィリア湖の精霊にお聞きしましたわ⋯⋯何でもこの水のオーブのネックレスを作る為には1000年をかけてある方法でフィリア湖の水を結晶化させながらフィリア湖の水の力をネックレスに宿らせる必要があるということですの」
「なるほどな⋯⋯」
俺たちが四頭立て大型四輪箱型もふもふ馬車に乗り込むと、馬車は御者ゴーレムのレムレムによって静かに動き出した。
馬車の前方のソファーに森の国ダソス王国のプリンセスにして上級魔法使いのリノと座った俺は視線の先に違和感を感じていた。
(何かいつもと違うな⋯⋯)
今視線の先には辺境伯令嬢リオーナとその従者グレゴリウスが居なくなり、馬車の後ろのソファーに一人でふんぞり返っている魔法騎士見習のもふもふうさぎキラがいる。
俺はすぐにその違和感の正体に気づいた。
(あっ! キラの服装が違う!)
もふもふうさぎキラは冒険者用の服ではなくメイド服を着ていたのだ。
「なぁ、キラ、そのメイド服どした? まさかとは思うがそれクルーナの宮廷魔法師団の制服じゃないだろうな!」
「えっ? そうだよ~、クルちゃんにもらったんだよ~」
「は? キラは宮廷魔法師団じゃないじゃん! もし宮廷魔法師団の団長、黄粉妖精の異名を取るアズミナに見つかったら、アズミナの口からものすごいスピードで大量に黄色い粉が飛び出してくる黄粉息攻撃を食らうんじゃないか? アズミナは宮廷魔法師団にかなり誇り持ってるし、ヤバいぞ」
「大丈夫だもん、戦うから」
「いや、戦っちゃダメだろ」
その時もふもふ猫タバサが話に割って入ってきた。
「その宮廷魔法師団のメイド服いいですわね! 私も冒険者の服には飽きてきたところでしたの」
その瞬間もふもふ猫タバサもメイド服姿に変わっていた。
俺はそれを見てため息を一つつきソファーに身を委ねながら目を閉じた。
(弟子も弟子なら師匠も師匠だな⋯⋯でも、まぁ、いっか⋯⋯)
俺がそう思った次の瞬間、遠心力により、俺の体は大きく右側に傾いたのであった⋯⋯。




