第二記~追憶に堕ちる~
久々にかけたはいいけど…ほんとにこれR-15で大丈夫???R-18まで行ってない?
思いの外グロ描写入っちゃったけど運営様に怒られませんよーにっ!!!
「醒邏…ふふふ…醒邏、君は私から逃れることはできないよ、絶対に。」
…誰?
「私の醒邏、キミには私から“狂気”を与えよう。“狂気”はいずれ君を蝕む“凶器”となって盲目的な“本能”が醒邏を取り巻く全てをぶち壊してくれるだろうね。」
「あぁ、私の可愛い醒邏、是非ともその美しい叫声を聴かせてくれたまえよ」
少女は目を覚ます、そこは崩れ果てた祠だった。祠の前で起き上がり、なぜか流れていた涙を拭い、周りを見回す。
「ここ…は…どこ…?」
少女の目の前に広がっていたのはあたり一体の森、記憶にある限りの最後の風景とは似ても似つかない辺境へと様変わりしていた。
少女はゆっくりと歩みを進めようと足を動かそうとした瞬間、体が固まる。
ーーー
「探せ!!!〇〇はここにいるはずだ!!!」
「殺せ!!絶対に逃すな!!」
「お姉ちゃん…?」
「大丈夫よーーー、必ず一緒に逃げ切りましょう。」
ーーー
「ぐぁぁっ!!!」
「このクソ野郎ども!!全員焼き殺してやる!!!」
「待って!〇〇!!殺しちゃダメ!」
ーーー
少女は突如流れてきた映像に体を震わせる。そして無意識に理解してしまう。
これは“誰かの記憶”であると、そしてその記憶の持ち主が人々に忌み嫌われていた事実を。そして、焼き殺されていく人々の断末魔を。
理解したくはなかった、しかし、理解してしまう。なぜか。
少女はふと自分の違和感に気がつく。
腕や体の何箇所かに黒い何かが伸びている。そして自身の胸元の球状の何かにつながっていることを。
人ならざる者、妖怪。ふと少女の脳裏にその存在がよぎる。しかし、少女はガンガンと痛む頭を抑えつつ、誰かに助けを求めようと森の中を歩いて行った。
ーーー
しばらく歩くと少女は里のようなところに辿り着き、人気のあるところを見つけ安堵する。しかしそれは崩壊の始まりに過ぎなかった。
少女が思わず駆け出し、里に入る、瞬間、彼女は視てしまった。
少女は無知が故に自身に元はなかった“それ”が何を表すか知る由もなかった。
『サードアイ』、それはとある妖怪の特徴。
ーーーさとり妖怪ーーー
それは生物の心を読む妖怪、一部では神聖視する場所もあるようだが基本は妖、怪異として畏怖されることが多い。
里とは人が集まっている。そして、人とは史実上生物の中でも最も悪意を持つ生物である。大抵の悪役というものもほとんどは人の悪意から生み出されるものである。
ーーー
瞬間、流れ込む膨大な量の“感情”“記憶”“悪意”、それらは濁流となって彼女に襲いかかる。
そしてその濁流はあまりにも少女にとっては激毒に等しかった。
彼女は思わず足を止め、反対方向に駆け出す。
誰かが叫んでいる。しかし少女にそれに反応する余力はもう残されていなかった。
駆ける、駆ける、駆ける。
しばらく走っていると大穴が顔を覗かせる、思わず止まろうと足を止めようとするがその時にはもう遅かった。
少女を襲う浮遊感、そしてあたりの風景が突如かき消えた。
「きゃっ!?」
落下している、その事実を理解した時にはもう遅く、彼女はそのまま重力のまま落下する。
壁に衝突し、血反吐を撒き散らす自分、地面に叩きつけられぐちゃぐちゃになる自分、何かに引っ掛かり、そのまま足掻くことも許されず飢えながらに死ぬ自分、ひっかりどころが悪く首に引っかかって首が締まり苦しみ抜いて死ぬ自分、さまざまな自分の死に様が思い浮かぶ。
吐き気を催すも彼女には今、落ち着いて嘔吐することすら許されてはいなかった。
しばらく落下していると突如、体が何かに支えられる。
何にキャッチされたのかと確認しようと体を動かすも思うように動くことができない。
彼女は視線だけをうまく動かし、自身の体を見やるとそこには並大抵ではない太さの糸が張り付いていた。よく見ると周りにはその糸らしき何かが蜘蛛の巣上に広がっていることに気がつく。
「な…何…こ…れ…」
少女は自分より遥かに大きい捕食者の存在の可能性に体を震わせる。その震えは喉に、そして喉から声に、つながって行ってしまう。
体が思うように動かない、蜘蛛の糸らしきものがまとわりついている。
ーーー食べられてしまうのかーーー
その可能性が脳裏に浮かび、思わず涙を浮かべる少女の前に一人の少女が降り立つ。
その少女は彼女を見ると驚いた様子で駆け寄る。
「大丈夫!?体…傷だらけ…!」
少女は特徴を見ると蜘蛛の要素が見て取れるがそんな姿の反面、心より心配している様子が伺える。
「ごめ…なさ…っ…」
「謝るのは後だよ、大丈夫。今私が責任を持っておろしてあげるから、大丈夫、大丈夫だよ。」
少女は涙ながらに体を震わせる少女を宥める。そして、優しく頭を撫でる。
(この子も…さとり妖怪…可哀想に…里で迫害されてがむしゃらに走ってきたのかな…傷だらけ…あそこに行けば治療してあげれる…かな…)
「さとり…妖…怪…?」
少女はつい聞こえた“声”に声を漏らす、目の前の蜘蛛のような少女はその胸元の“眼”に視線を向けて優しく微笑む。
ーーー
ーー
蜘蛛のような少女は『黒山ヤマメ』という名前であること、黒のサードアイを持っている少女は『緋星 醒邏』という名前であることなどそれぞれを取り巻く事情を共有し合った。
そしてヤマメは醒邏がさとり妖怪という妖怪になっていること、サードアイは普通の目と一緒で見る見ないを自身で判断できること、醒邏がどうしてこの大穴に堕ちるに至ったかを確認し、穴の底まで降り立ち、別れた。




