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第2話「謎の赤い戦士」2

勤め先の100均にて品出しの業務を行う美瑠の手はいつもより進まなかった。

今日起きたおよそ現実とは思えない出来事の事で頭が一杯だったからである。


「...せん、あの~、すみません、すみません!」


「あ、え、はい!」


お客さんからの呼び掛けもすぐに気付かないほど仕事に身が入らない様子で、先輩から心配されてしまうほどだった。

イマイチ業務に集中出来ないままその日の仕事を終え、帰宅。

自分の部屋の扉を開け、いつものようにベッドへ直行、飛び込むように身体を横たえてふと視線を動かすとハクビシンのような生き物が座っている

やっぱり夢じゃなかったんだ、いや、やっぱり夢だったかもしれない。とりあえず一度仮眠をとってみよう、目が覚めればそのまま何事もなかった事になってるはず。

と美瑠はゆっくりと目蓋を閉じた。


「おーい、疲れてる所悪いんだけどいろいろ説明していいかな?」


何も聞こえないフリをしてみる


「おーい、眠っても同じだよ、夢じゃないからね」


「あーもう!わかったよ!」


瑠美が大声をあげながら飛び起きた


「とりあえずアンタは何なの?なんで動物が喋ってんの?ファンタジーの住人なの??」


「ボクはあらゆる世界の時間を管理している空間からやってきたビョウシン」


「はぁ...?やっぱりファンタジーの住人なのね」


「世界の時間がズレたり止まったりしていないかを監視し続けるのがボク達の役目なんだ。そんなボク達の元へ突然ザセツがやって来て大時計を手に入れようと大暴れしたんだ」


「大時計?」


「そう、その大時計はあらゆる世界の時間そのものなんだ、だからもしも大時計が止まればあらゆる世界の時間はとまるし、巻き戻せばあらゆる世界の時間は巻き戻る」


「ほんとにファンタジーじゃん...」


「そんなザセツを女王フリコ様がなんとか食い止めようと必死に戦ったけど、ザセツの力は強力で、フリコ様が追い詰められた。そしてボクに大時計の鍵とザセツに対抗するための力を授けるアイテムを託してこの人間界へ送り出したんだ」


「いや、なんでこっちに来るのさ!他の世界に行ってよ!」


「そんなこと言われてもフリコ様がここを選んだんだから仕方ないよ...」


「っていうことは私がそのザセツって奴と戦わないといけないって事だよね?」


「そうだ。突然ですまないけど力を貸してほしい」


美瑠は大きな溜め息をつき再び身体を倒した。


「キミ1人だけにその使命を託すわけじゃないよ、変身パッドはあと2つある。」


「つまり仲間を探せと?」


「ボクも強力するよ」


「はぁ...じゃあ今のところは今日私を助けてくれたあの人と2人ってことだね」


「いや、変身パッドは元々3つ渡されていて、キミに1つ、そして今ここに2つある」


「え、つまりあの人は関係無いってこと!?」


「わからない、彼女は一体何者なんだろ...」


一体この先どうなってしまうのだろう、美瑠は再びゆっくりと目蓋を閉じた




「報告は以上です!!!」


「そうか、邪魔者が増えたか...まぁいい。さっさと排除しろ!」


人間界から戻ったコーカイからの報告を受けて、ザセツは苛立ちを隠せず声を荒げる


「はっ!!!次こそは必ず!」


「ちょっと待ってください、次はワタクシが参ります」


ザセツの前に跪いていた僕の中からテンラクが立ち上がり一歩前へ出た


「何!?テンラク貴様、横取りするつもりかぁ!!」


コーカイも立ち上がりテンラクの肩をつかむ


「少し気になる事がある」


「誰でもよい、さっさと邪魔者を排除し、アキラメエネルギーと大時計の鍵を持ってこい!」


「はい、このテンラクにお任せを」


「このコーカイも向かいます!」


「ワタクシ1人で十分だ、手出しをするな」


コーカイの手を払いのけるとテンラクは1人で人間界へ向かった


「まぁいいじゃんコーカイ、テンラクのお手並み拝見って事で」


クノウが微笑を浮かべながらコーカイの肩を叩く




「そういえばあの男の子公園に寝かせてきたけど大丈夫だったのかな」


「さすがにもう目を覚ましたんじゃない?」


「一応不安だし見に行くよ」


「ならボクも行くよ」


ビョウシンを鞄に突っ込み、公園へ向かった。




「はぁ...こんなんじゃレギュラーになれねぇよ...」


人間界に出現したテンラクは公園でうつむきながらサッカーボールを足元で転がしている青年から溢れでるアキラメエネルギーを感知し背後に忍びよった


「ちょうどいい、アキラメエネルギーを利用させてもらうぞ」




「キャアアア~!」


大きな悲鳴が公園の方から聞こえてきた、まさかと美瑠は声の方へ走った

そこには今朝と同じような化け物の姿があった


「嘘でしょ!?ねぇこの公園呪われてるの?」


「早速変身だ!」


鞄からビョウシンが頭を出す


「1日に2回も来るなんて反則でしょ!変身!」


美瑠は再び変身し、化け物の前に立ちはだかった。


「ほう、アナタがコーカイの言っていた...」


「え、今朝と違う奴じゃん!」


前回公園に現れた化け物とその近くにいた大男とは違った姿の敵が目の前にいる


「こんなにすぐ現れてくれるなんて好都合だ、いけアキラメの化身!」


テンラクの指示を受けたアキラメの化身からサッカーボールが放たれる、美瑠が間一髪回避したのも束の間、次々とサッカーボールが放たれる。

いくつかはかわしたものの全ては避けきれず直撃してしまう。


「ぐ...」


「さぁ、そのまま畳み掛けろ」


「グオオオオオオオ!!」


ダメージを負いながらアキラメの化身から放たれるサッカーボールの嵐をかわすが、体力と足がついてこず再び直撃

倒れる美瑠にトドメをさそうとアキラメの化身が今までのものより大きなサイズのボールを放つ


「まずい!」


ビョウシンが鞄の中から叫ぶ

もうだめだ、美瑠は目を閉じ歯を食い縛った

その瞬間、今朝と同じく赤い戦士が飛来し、ボールを切り裂いた


「う...アナタは...」


「ほう、現れたか」


赤い戦士はアキラメの化身から放たれるボールを次々と切り裂きながら突進し、アキラメの化身を一刀両断した


「フフフ、やはりそうか、コーカイのバカは気付かなかったようだが...まぁ今日の所は退散としよう。タイマンだと少し分が悪いからね」


そう言うとテンラクは姿を消した


「アナタは...一体...」


美瑠が立ち上がりながら問い掛ける、彼女は少し美瑠の方を振り返ったが何も答えないまま去ってしまった


「またしても助けられたね。彼女は味方なのか...?」


ビョウシンは去っていく戦士の背中を見つめながら呟いた

美瑠のピンチに現れる謎の赤いヒロイン、彼女の正体とは...

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