転生した俺は更生しました4
「え??」
俺はいまいち状況が理解できないでいた。
今までそれこそ約一年近く何もなかったのになぜ今このタイミングで出てきたんだ?
彼女は俺が口を開けて放心していたのが予想通りのリアクションだったのかコロコロ笑いながら
「少年すごく不思議そうな顔をしてるね。そんなに私が出てきたのが意外だったかい?」
意地悪な顔をして声をかけてくる。
「なぜあんたが今ここにいるんだ?」
「はぁ、少年助けてもらったらまずお礼を言うのが筋だと思うんだけどなあと私はあんたじゃなくて超絶美少女リドニーちゃんだって言ったでしょ。」
ビシッ
「いってえぇぇっ!」
彼女は片腕に斧を掴んだまま俺にデコピンをしてた。
てかすっごく痛い。
「おいおいお嬢ちゃんどうやって来たかは知らないが坊主とイチャイチャするんならそのて、離してもらおうか」
ついに痺れを切らして男が声を上げた。
「うっさいなぁ、感動の再会に水を刺さないでくれるかな?最近のゴミは音をよくだすね」
バキィンッ!
男の持っていた斧を彼女は素手で粉々に砕いた。
「なっ!?」
次の瞬間には彼女は男の首を捻りちぎって投げ捨てていた。
そしてこちらに笑顔を向けてまた話しかける。
「さて少年、積もる話もあるだろうが私は疲れたまた会おう。なーに君がピンチの時には助けてあげるさ。私はいつでもあなたをみている。」
彼女はそれだけを言って瞬きをした瞬間には消えていた。
恐ろしさ反面彼女は何者なのかがきになるとかではあるが、目の前の男の死体を見て感覚が麻痺してしまったのかもう何も感じなくなってしまっていた。
「そういえばこうしてるだけじゃいけない、外套野郎に手をかしに行こう。」
さっきの初めて人の肉を切った感覚、死を目前にしてだんだん日本の頃の感覚が抜けてきたような気がする、次は失敗しない。
俺は剣を拾いいまだに痛む腹を押さえながら走り出した。
駆けつけると外套はボロボロで善戦はしていたのだろう周りには盗賊の死体が複数転がっていた。
だが明らかに息が上がり肩が上下に動いているのが見えた。
盗賊は残り2人外套が仲間の大半を殺しているのをみていたのか油断なく挟み込んで戦っていた。
「うぉぉぉ!!」
俺は挟み込んでいた片方に走り剣を叩きつけた。
盗賊は寸前のとこで気づきかわしたが逃げきれず肩から脇腹まで斬り込まれた。
「ぐぁぁぁぁぁっ!!」
盗賊は血を巻き散らかしながらゴロゴロと転がり力尽きたようにおとなしくなった。
「くっ、お前何しにきた!おとなしく馬車に隠れてればよかったものを!」
「ぬかせ、今にも死にそうなほど呼吸を荒げてるくせに。」
「お前がきたところで足でまといだ。おとなしく引っ込んでろ!」
「いやだね、こっちだってこいつらのせいでストレスたまってるんだやらせてもらうよ。」
そう啖呵を買ったのはいいが、実際先ほどのは奇襲したのがたまたま成功しただけで実際初めて人を殺したことに気分がすこぶる悪く、剣を握る手と足が震えている。
「勝手にしろ」
外套はそう言うと残り1人を屠るべく戦いに行った。
「クソ、勝手に動きすぎだぞ」
だが俺が手を貸すまでもなくたった1人は相手にならないようで倒してしまった。
悔しいが口だけじゃなく実力があるのがハッタリではないのがわかった。
「だから言っただろ僕だけで十分だと」
「はいはい、わるーございました。」
俺たちは馬車に戻ろうと踵を返した時、
「死ネェェェ!!」
俺が倒したと思っていた盗賊が外套にボウガンを向けていた。
外套は油断していたのか判断が一瞬遅れてしまっていた。
「がいとぉぉお!!」
俺は全力で奴に駆け寄りタックルしゴロゴロと転がって避けた。
「おらぁ!」
俺はとどめを盗賊に刺した。
流石に疲れた。
奴は俺のせいで気絶してしまったようだ。
起こして帰ろう。
「おい、起きろ戻るぞ。」
何度まゆするが起きようとはしなかった。
とりあえず担いで帰ることにした。
馬車についた頃には当たりは暗くなり始めていた。
近くの町までもう少しでつくらしいが、俺は馬を扱いきれない。
途方に暮れて、外套の介護をしようと思い、ハードをめくった。
「えっ!お前女だったのか!」
めくったらそこには薄緑色の耳の長い可愛らしい顔の女の子がそこにいた。