転生した俺は更生しました3
2日目頑張って描きます
目が覚めると日が昇り鶏の鳴き声が聞こえる。
昨日あのまま俺は気絶したままだったらしい。
「ッ!クソ!体がバキバキだ」
それにしてもあの女はなんだったんだろう俺はまだこの世界のことを知らなすぎるもっと知識をつけなければいけない。
首のズキズキ痛む、触ってみたら噛まれたような傷跡があった。
昨日のことが夢ではないと訴えるように。
それから俺は両親が跡一年足らずで学校に送るもとい、ていのいい厄介払いをされることを聞いてしまったが昨日のことの方が印象に強く残り深刻に考えなくなっていた。
元より俺にとってはこの体を作ってくれた人であって本当の両親としての感覚が薄い、どちらかというとやはり前世での親が元気にしているのかなどの方が気になる。
俺のせいで親に迷惑をかけたし妹も高校受験中だったこともあり顔を合わせられない程の大馬鹿野郎だがそれでも家族のことが心配でならないやはり後悔しかない道であった。
だからこそこの新しい人生は親に見捨てられようが前世での罪をあらためるための、一生にしようと思う。
そう心に決め1日剣術の修行を行い時間を作り読み書きなどこの世界の勉強を始めた。
俺は8歳になったようだ2、3ヶ月前から両親に学校に送られることも聞いたし、すぐに帰ってこれないようあえて隣の(リーゼンフォード王国)に行くことになった。
ちなみに俺が今いる所が(スコット共和国)と言う国らしく王国の属国で戦争も自国ではなく共和国から兵隊を送るようだ。
王国は他の国に比べこの大陸で1位2位を争う領土と軍事力を保持しており隣国は押されて属国に成り下がっているようだ。
共和国は戦争が始まる前から王国と仲良くしており学生を送ることはよくあるらしい。
話を戻して、今日俺はついに件の王国の学校に行くことになっている。
8年間も育ててくれた両親との別れの朝だ今思えばいらないなど言いながらも捨てられないだけマシだったと思う。
荷物もまとめ終わってリビングに行くと親父がいた。
「ついにこの時が来たな。お前にとっては辛いことになるだろうがもう俺は立派にお前を男として育てたつもりだ。胸を張っていけ。」
そう言うと奥の部屋へ消えていった。
俺は親父に何も返事せずにただうなずくだけだった。
靴を履き外へ出ると母親がいた。
「アリスターごめんなさいね。私たちにはこれ以上あなたに教えてあげることはできないの。もっと大きな世界を見て聞いて学んで来なさい。一人前になるまでは帰ってきてはいけないわ。あなたは賢い子よ魔力の方は未だに低いままだけどそれ以外ではピカイチだからそれを武器に頑張りなさい。」
「ありがとうございます。今までお世話になりました。」
俺は方だけの返事を返した。
母親の顔は優しく微笑んでいるように見えるが厄介者を追い払えるような目をしているまだ俺が幼い子供だと思って油断しているのだろう。
甘い言葉をかけ最後までいい母だった演技をしていると思うと凄い役者だったと思う。
そんな親のお腹も最近だぼだぼの服を着ているがほんのりと膨らんでいる気がする。
卒業して帰ってくる頃には俺はいないことになっているに違いない。
旅費と必要なものはもらっているから厄介者はそそくさと出ていくことにしよう。
家を出て馬車を待っていた。
隣で何かソワソワしてる奴がいる見ていてちょっとうざい、ジッとしていろと見ていたら相手も気づいたようでビクッ!としておとなしくなった。
なんだかんだで王国行きの馬車が来て乗り込んだらそいつも一緒の便に乗り込んできた。オドオドしながら俺の前に座ったそいつは外套を目深にかぶり顔が見えないしこちらを伺っているように見える。
見て見ぬ振りをして俺は王国までつく間暇つぶしに話しかけてみることにした。
「あのーすみません失礼ですがあなたはどこまでこの馬車に乗られますか?私は王国まで乗る予定なのでできれば話し相手になってもらおうかなと思ったのですが?」
「…」
返事がないただのしかばねのようだ。
じゃなくてこいつピクリとも反応しないもしかして話しかけられてないとでも思ってるのだろうか?
「もしもーしそこの外套着てるあなたですよーどこまで行かれるんですか?」
やっと自分に話しかけられると気づいたのか辺りをキョロキョロし出してこの馬車に俺とこの外套きた方しかいないことに気付いたようだ。
「あのーもしかして僕に言われました?」
やっと返事をしてくれた外套は少し疑いながらこちらに返事してきた。
「そうですよもし良ければ話し相手になってもらおうかと思いまして。」
「わかりました。いやです。おとなしくしていてください。」
「ヘ!?」
「言ったことが伝わらなかったのですか?あなたみたいな方と僕は喋りたくはありませんそんなことも説明しないとわからないのですか?だから人間の幼体は好きじゃないんだ。」
なんなんこいつばり喋るやん。
いけないつい方言が、いやーまさか挙動不審だった奴にいきなり罵倒されるとは思わなかった。
異世界怖すぎだろ。
言うこと言ってわかったと思ったのか外套はうつむいて寝息を立て出した。
声変わりする前なんだろうが中性的な声で性別が相変わらずわからないけどとりあえず俺のヘイトがたまった。
こんな自意識過剰な奴話しかけるだけイラつくだけだからやめよ。
あれからどれだけ時間が立っただろうか。
外套は全然起きる気配はない。
時計という概念がないこの世界では太陽の向きである程度計算するが体感的に3時くらいだと思う。
馬車が止まって異変に気付いた時にはもう手遅れだった。
異変に気づき御者に声をかけようとしたがすでに彼は首から上がなくなっていた。
静かに彼が殺されていた事実に気づき額に冷や汗が流れた時後ろから声が聞こえた。
「おい幼体下がっていろ相手は自然魔法で音もなく御者を殺してるんだ引っ込んでいろ」
こいつ今まで寝ていたくせにいきなり首根っこを掴んで引っ張ってきた。
「いてぇーなー幼体ばっか言いやがってお前も似たような背格好のくせによく言うな!」
バタン!
反論したらいきなり外套はまた頭を掴んで地面に叩きつけてきた直後。
ズパン!
ちょうど俺の頭ら辺の位置にあった幌が透明な何かで切り裂かれたように開いた。
「お前は少し静かにできないのか。あとちょっとでお前の首は体と分かれていたぞ」
「!?すまない助かった。」
「今僕たちは周りを囲まれているようだ多分盗賊だと思うがお前じゃ足でまといだおとなしくここに隠れたろ。」
外套はそう言うと馬車から飛び出していった。
「クソ冷静になれ俺3年も毎日棒切れで殴られてたわけじゃないのを見せるんだ!」
俺もあとをついていくように馬車から飛び出た。
そこには外套が倒した盗賊がいた。
先程はよく見てなかったがそこに転がっているものを見た瞬間俺は吐き出してしまった。
初めて人の死を間近で見た。
ピンク色の肉が見え新鮮な赤い血液が地面に黒く染みを作るように広がっていく。
ここで俺はようやく気がついた。少し浮かれていたがここは日本ではない。
人の生き死にが軽く扱われる世界それこそたかだか小銭を奪うくらいで殺されるような治安が息してない世界だと今更ながら気付かされた。
「おぉぉえぇぇ」
だだひたすら俺はあの中のものを吐き出していた。
遠くで魔法の詠唱が聞こえる。
勢いよく飛び出したはいいものの少し、いやかなり後悔している。
でもこうしてる間にあいつは戦っている。
俺とあんまり変わらないだろうと思われる奴がならやっぱり負けるわけには行かないだろう。
なんせ俺は前世から出すと31は生きてることになる負けるわけには行かない。
自分をひたすら鼓舞するが一度震えてしまった足はなかなか動かない。
「おいうごけ!動けよ!!落ち着くんだ俺!!あれはただの肉ただ肉だ!気にするなよしいくぞ」
その時だった
「坊や怖くて足が動かないのかい?」
後ろからねっとりとした二チャーと聞こえそうなほどぞわぞわくる声で話しかけてくる奴がいた。
俺はゆっくりと振り返るとそこには2mは超えてそうなほど大きな男が立っていた。
「かわいそぅだねぇおじさんが楽にしてあげぇる」
男がそう言うと手に持った俺の身の丈以上ありそうな斧を振りかぶっていた。
「いい悲鳴を聞かせてねぇヒッヒッヒッヒッヒッ」
やばいこのままじゃやられる!
俺の人生こんなとこで終わるのか?
それこそまだ俺は前世の罪を償っていない!
剣を構えるんだ。馬鹿みたいに毎日打たれてたわけじゃない生きるため抗うんだ!!
シャィィン
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺はとっさに剣を抜き男の斧を受け流した。
返す大刀で足を切り転がって逃げた。
それからは無我夢中だった。
足を切られた男は反撃されるとは思ってはいなかったらしく激怒し俺の腹に切られた足で蹴りを入れてきた。
俺の体は力では叶うはずもなく馬車に叩きつけられるように飛んでいった。
「クゥ!かはっ」
肺の中の空気が全部なくなったような衝撃だった
「こんのぉクソガキガァ!!せっかく俺様が痛くないように一撃で行かせてやろうと思っていたのにもう許さん手足を折ってから切り取り生きてる間に杭をたくさん刺してハリネズミのようにしてやる」
なぜか今俺は自分を後ろから見てるようなテレビを見てるような感覚でいる。
現実逃避なんだろうこれが正直詰みだと思う8歳のガキでできることはもうやってしまったと思う。
そう思うとなんだかどうでもよくなってきた。
男がどんどん俺に近づいてくる。
音が遠く聞こえてくるようだ。
「とりあえずクソガキの足でも折ってもう1人のガキを殺しにいくか」
男がそう呟くと斧を裏返し刃のない方で構えた。
「坊主逃げるなよ」
斧が振り下ろされた。
奥歯がカチカチと震える。
その時だった俺の首筋が急に痛みでうずき出した。
そして甘く囁かれるような安心できるような声が聞こえた。
ガキィィィン!!
それは素手で斧を止め、悪魔のような笑顔でニヤリと言った
「やぁ久しぶりだね少年元気してたかい?」
そこにはあの日見て以来一度も合わなかった彼女がいた。