1章act3 もしかしてわたし達タイミング悪かった?
こんばんはおはようございますこんにちは
1章act3になります。
最近、雨か暑いかですね!
幻想郷も夏真っ最中で暑いですよ。
熱中症とかには気を付けて!
俺達は地図を片手に道を歩いていた。
途中大きな流れる川があったのだが普通に横断した。
「三途の川って書かれてるけど、白玉楼って冥界だったんだね」
「死者が転生を待つ場所って言ってたからな。つまり俺達、死から生になったんだな」
「わたし達死んでないけどね」
「俺達みたいな存在だとあまり関係はないのかもな」
こうして道を歩いていく。
「幻想郷は思ったよりも大きくはないって聞いたがそうみたいだな…」
「それにしてもさ」
「うん?」
と一瞬風が流れる。
「うん?カオル?」
俺は振り返る。
カオルの姿はなかった。
「っ!カオル!カオル!!カオル!!!」
呼んでも反応はない。
拐われた?いや辺りには気配はなかった。
何かの拍子ではぐれた?。
「………あ」
俺はふと魔法を使ってみる。
「リンクは…生きているな…」
どこにいるかはわからない。でも無事らしい。逆探知とかできたらよかったけど。
カオルをここで待つか?白玉楼に戻…りにくいな…。
ともあれここで待つのは危険だと感じた。
進もう。
「あ」とまた気づく。
地図、カオルが持ってたな。
「…進もうとりあえず。なんとかなる」
地図に関しては、カオルが持ってて都合がよかったかもしれない。カオルはよく迷子になるからな。ちょっと方向音痴なのだ。
ともあれ俺は進まなくちゃならない。生きてれば必ずまたすぐ会える。
博麗神社まで目指そう。
カオルもきっとそこに向かうはずだ。…寄り道して行ってない可能性は…高いがお互いに。
リンクのおかげで無事なことがわかるのも幸いだ。
だいぶ歩いたと思う。
だが気付いた時には
「道…迷ったなこれは」
しかも頭の片隅には山をひとつ越えないとならないと覚えがあった。野宿か?いや妖怪いるかもだし無理か?。
と考えていた。
~~
「う~ん。ここ数日何も食べてないのだ~。お腹すいたのか~?…どこかに食料は…おりょ?」
~~
「はぁ。まぁ進むけどな」
最悪飛んでやろうと思案した。
その時だ。
「ねぇねぇお兄さん♪」
呼ばれて振り向く。
金髪の黒い服と頭にリボンがついた小さな女の子がそこにはいた。
「ん?」
「お兄さんもしかして人間なのか~?」
「あぁうん。人間だよ。君は妖怪?」
「そうなのだ~。ルーミアは妖怪なのだ~」
「ルーミアって言うのか。俺は巫凪龍太。龍太でいいよ」
「龍太なのか~。わかったのだ~。それで龍太は」
ルーミアは一呼吸挟み口を開く。
「食べてもいい人間なのかぁ~?」
「!…おっと…ルーミアはそういう妖怪か」
「数日何も食べてないのだ。だから大人しく食べられるのd」
「じゃあはい」
ルーミアの手におにぎりを乗せた。
「だ…え?。あ、ありがとう」
日が傾き始めている。
お昼を食べるのが遅くなったがおかげで助かったようだ。
ルーミアは美味しそうにおにぎりを食べていた。
俺もおにぎり食べよう。
「モグモグ…そういえば龍太はこんな場所で何をしてるのか?」
「博麗神社まで向かってたんだけど一緒にいた人とはぐれちゃったんだ」
「あの貧乏神社に用事なのか~?」
おい大丈夫かその神社。
「あぁでも地図は一緒にいた人が持ってたから博麗神社で合流できるはずなんだが」
「そうなのか~。でも貧乏神社ここからだと全然違うのだ~」
「え?そうなの?」
「そうなのだ~」
マジかぁ。かなり無駄足を食っていたのか。
「マジなのか~…。よかったら案内してほしいのか~」
「ま…真似しないでほしいのだ~!。真似しないなら案内するのだ~」
「ごめんごめん。わかった。じゃあ頼もうかな」
「任せろなのだ~。おにぎりありがとうなのだ。龍太は命の恩人なのか~」
「大袈裟だな。まぁどういたしましてだ。俺こそありがとう」
「どういたしましてなのだ。じゃあ早速行くのか~」
~~~
気配が消えたことにわたしはすぐに気付いた。
「ッ!龍太くん!!」
左右上下前後。いない。
考え得る要因は…
「誘拐?いや想像できないし。食べられた?…そもそも龍太くんは美味しそう…?」
考えても答えはでない。
「迷った?はぐれちゃった?」
ここで待てば迎えに来てくれる可能性はある。でもここに長居は禁物だ。
あまり幻想郷には長居したくない。
一刻も早く彼と共にここから出たい気持ちがあった。
わたしは空を見る。まだ大丈夫。何が?でも大丈夫。
博麗神社に向かえばいいかもと幽々子から言われた。
つまり博麗神社に向かえばもしかしたら彼に会えるかも。いや会える。幸い地図はある。
「行こう」
危険度からして人里に着けばある程度は安全だ。
わたしは歩を進める。地図があってよかった。なかったらいろいろやってたかもしれない。山を吹き飛ばすとか。竜巻を起こすとか。
わたしはもう一度辺りを見渡して博麗神社にまで向かうことにした。
人里には迷わず着けた。
とても誉めていただきたい。
「ここが人里か」
わたしはおにぎりを食べながら歩く。
森宮学校の図書館にある本や都市伝説に出てくるような隠れ里のような昔ながらの風景だった。
「幻想郷は陸続きって"知ってた"けどそうなると主食は米や野菜や川魚…んん?お肉とかはどうしてるのかな?妖怪や人間のお肉かな?」
妖怪の肉は美味だと聞いたことがある。
音羽先輩が天狗の肉を食べたことがあるって言ってた記憶がある。美味しかったらしい。何をしてたんだろうねあの人。
「まぁいいや。あ、通貨は一緒なんだね」
団子屋さんを見かけて客が払ってるお金を見て納得する。
「おい!薬が足りねぇじゃないか」
「す、すみません」
「早くしねぇと!早くしねぇと子供が死んじまう!!」
「ご、ごめんなさい。すぐに戻って」
「今なんとかならないのか!」
そんな話声が聞こえたのでわたしは声がした方に顔を向けた。
ウサギ耳ブレザー?の少し背の高い女の子が子供を抱いた男の人に向かって頭を下げていた。
わたしが気になったのはいくつかある。
ウサギ耳のブレザーの女の子は妖怪?。あとは何かすごく疲弊しているようにも見えた。
彼女のが病気に見えたのは気のせいか?。気のせいじゃないかもしれない。なんにせよ彼女は多分疲れている。
そして子供を抱いた男の人。
男の人は元気に見えるが、子供のほうはそうじゃなかった。
「ッ?!あれって」
わたしは子供のほうに近づいた。すぐにわかった。
黒蛛病だ。
「な、なんだ女!」
「あなたの子供、いつからその状態ですか!」
「え?三日前辺りから、だが…な、なんなんだよ」
「ねぇウサギちゃん。薬は?あなた薬師か何か?」
「え、あ、その私はお師匠様に頼まれて薬を届けに来てる…んです」
わたしのいきなりの言葉にウサギ耳と男の人は狼狽えた。が構っている暇?ない。
「今日薬がないのは足りなかったから?」
「は、はい…。そうです。私が忘れたんだと思います」
私が忘れたんだと思います?。嘘だと直感が囁いた。多分その師匠はこのウサギに対してイタズラ心が強いのだろう。わざと一つ減らして取りに行かせる気だったんだと思う。
「三日でこうなんだ。薬は少しは効いてはいるんだね…」
わたしは子供の状態を見て診察を始める。
「あ、あなたいったい…」
ウサギ耳の質問にわたしは先に病状について話すことにした。
「この病は黒蛛病と言います。魔力、霊力、妖力、といったエネルギーの多い場所で夏にかかりやすい病で、そういったものに耐性が低い人がかかりやすいんです。つまり夏に起きるインフルエンザみたいな病気です。特徴は見てわかりますが、身体中に黒い染みが徐々に身体に浮かび上がるのが特徴です」
「そ、それで治るのか?」
「治りますけど今まで飲ませていた薬では治りません。このままの侵攻だとあと一時間で最悪の結果になります」
「?!」
「え…ッ!?」
二人が絶句した。
「一時間…間に合わない…」
「そういうわけだから今回はそのお師匠に原因があるかな…。よし今から薬を作ります」
「え…?」
「!?」
二人はもう着いていけてない状態らしい。
「その話!私も混ぜてほしいぜ!」
「え?」
と今度はわたしの番である。
マジカル帽を被った女の子と
「はぁはぁ…ちょっと魔理沙早いって」
もう一人誰か来た。短髪の金髪でお人形を連れていた。
「話しは聞かせてもらった!黒…なんだっけ?薬を作るんだろ?。材料がいるなら手伝うぜ」
「巻き込まれたけど私も手伝うわ」
「…じゃあお願いできるかな?」
「おう!自己紹介まだだったな。私は霧雨魔理沙だ。魔法使いだぜ」
「私はアリス・マーガトロイド。人形使いの魔法使いです」
「そっか。自己紹介まだだったね。わたしは桜カオルだよ。魔法使いだよ」
わたしはウサギ耳に「名前は?」と尋ねる。
「 鈴仙・優曇華院・イナバ。玉兎です。鈴仙で大丈夫です。カオルさんお願いします」
わたしは頷く。
「じゃあすぐに戻りますね!」と私は男の人に言って駆け出す。
「私達に任せろ!」
「なんであなたが威張ってるのよ」
「す、すぐに戻ってきますから!」
「お、おう…」
こうして魔法使い三人と兎との材料集めが始まった。
材料集めはそこまで難しくはなかった。
黒蛛病はわたし達の世界で最近発見された新種の病。魔力や霊力、妖力がない人間に発症する病気だ。
材料は魚の腸、4つ葉のクローバーが3つ。古木の根っ子。そして空気中にある膨大な魔力だ。
ただ黒蛛病はグリームの影響で起きる。幻想郷で起きるはずがないのだ。つまりあの蜂型のグリームは間違いなくここに来ている。
……帰れない理由ができてしまった。
けどどのみち彼も同じことを考えるだろう。
龍太くん…大丈夫かな。
「カオルー!とったどぉぉ!」
思考が中断された。
魔理沙の方を見ると魚を釣り上げたらしい。しかしとったどぉぉ!は女の子が挙げていい掛け声なのかは微妙なところだ。
わたしは拍手する。しかし釣りすぎである。
「こっちもあったわ。カオルこれでどうかな?」
アリスが駆け寄ってきて古木の根っ子の一部を見せてくれた。
「うん、バッチリだよ。古木さんには悪いけど感謝しないとね」
「ふふ。そうね」
わたしは右手をずっと上に挙げている。魔力を集めているのだ。
鈴仙を見る。頑張らないといけないような何か焦りを彼女から感じた。
「私もありました。これで大丈夫でしょうか…?」
手には4つ葉のクローバーが3つ握られていた。
「うんありがとう。大丈夫だよ。あと普通に話してくれていからね」
「え?…うん。わかり、わかったわ」
わたしは頷く。空いた左手を彼女の額に当てた。
鈴仙の身体に一瞬光が流れた。
「え?あれ?怠さが消えた…?どうなってるの?」
「回復させただけだよ」
「…ありがとう」
わたしは再開する。
木々はわたしの魔力に反応し話しかけてくるようにも感じた。風が踊り空が動き木漏れ日がキラキラと輝く。
「すごい…」
誰が呟いたかわからないけどそう呟いた。
「おーい!見てくれ三人とも!また釣ったぜ!!ここ当たりだな!」
いや魔理沙、釣りすぎだから。わたし達三人はやれやれとなるのだった。
薬はあらかじめ作ったので人里に戻りわたし達は子供と男の人の元に戻った。
薬を子供に飲ませて黒い染みは消えた。
「治る時はあっという間なんだな」
「うん」
男の人は何度もお礼を言って帰っていった。
「ぁぁよかったぁ…」
「そうね」
「うん」
「元気になったなら解決だな」
そしてわたしはこれからどうするかを考えていた。
「なぁカオル」と魔理沙が口を開いた。
「なに?」
「単刀直入で悪いんだが、お前は幻想郷の住民じゃないよな?」
そう言われた。
「見たことがない魔法に服装もだ」
「うん外から来ちゃった」
「そっか。どうやって?」
「穴が空いてたから?」
魔理沙は頭を抱えた。
「あーこれはあいつの仕業か…」
「また紫の仕業なの?でも最近見てないじゃない」
「まあそうなんだけどな。一人か?」
「ううん。もう一人一緒。男の子だよ」
「その人も魔法使い?」とアリス。
「うん。優しい人だよ」
「そ、そう」
魔理沙は考え込む素振りをし鈴仙が口を開く。
「さすがにカオルとその人が原因とは私は思わないけど…」
「うんまあ鈴仙の言う通りなんだがな…人里で人助けもしてお前の体調も無償で治したんだしな」
「もしかしてわたし達タイミング悪かった?」
「ああいや?。いや悪いのか…話していいのか。…話すか。実はな」
魔理沙は今起きている異変を話してくれた。
「結界と境界が揺れてその賢者がいない?」
「あぁ。原因もわからない。だから最悪、お前達のせいだなってなって二人を殺しにかかる奴もいるかもしれないんだぜ…」
「うーむ。あ、博麗神社は大丈夫なの?」
わたしが聞くと
「霊夢か。あいつもちょっと警戒してるっぽいからな…まぁ人間ならそんなに攻撃してこないと思うが…でもこの状況なんだ。外来人がいるってわかったら少しは疑われるかもしれない覚悟をしといてくれ」
「そうなんだ。むーわかった」
「神社に行くなら着いてくわ。心配だし」
「ま、同じ魔法使いのよしみだしな。私も着いてくぜ。いい暇潰しになりそうだ。鈴仙はどうするよ?」
「私も行こうかな。今日はもう戻るだけだから」
こうしてわたしは四人で博麗神社に向かうことになった。
けどもしかしてわたし、戦えないアピールをしたほうがいいのかな?なんて考えた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
1章act3でした。
幻想郷の登場人物が着々とでてきています。
1章長いなと感じる読者もいると思いますが1章はact5までと考えています。
1章が終わると2章に入れます。
気長に幻想郷を世界を楽しんでいただけたら幸いです。