7章
久しぶりです。
新年最初の投稿になります。
7章始まりです
天狗の里が襲撃を受けたという話を受けたのは2日後に文とはたてが来てからだった。
天子と幽香が戦ってからの夜に起きたことらしい。
カオルは無事にその日の内に帰ってきて、天子とも打ち解けていた。
お互い剣を使うから気が合うのか?。
「それで里はどうなったんだぜ?壊滅か?」
魔理沙が聞き文が答えた。
「壊滅とまではいきませんでしたが怪我人が何かと多く意識不明で誰に襲撃されたかまではわからないんです」
「だいたい何で2日目になって来たの?すぐに知らせにこれば良かったじゃない」
「すみません行けなかったんです天人様。いえ…出れなかったのです」
「はぁ?」
思ったけど最近神社の人口密度が増えた気がしなくもないな。
この時点で霊夢、カオル、魔理沙、文、はたて、早苗、天子、妖夢、咲夜、俺がいる。
大所帯だな。
そういえば神社の外には天子のお目付け役の子が来ていた。
永江衣玖というリュウグウノツカイだそうだ。
「出れなかったって言うのはもしかして天界や魔界、地底に行けないのと関係があるのかな」
カオルの言葉にはたては難しい顔をし呟く。
「でも私達は…こうして出れたし」
その疑問は最もだ。
今人里は長期の異変の最中ということで緊迫している。
博麗の巫女、霊夢が負けたというのが広まったせいで一揆や暴行が起きることが増えていた。
華仙、そして神子や白蓮達がそれを沈めている。
早く解決したいが難しいのだ。
沈黙していた中、霊夢が小さく言う。
「罠かもね…」と。
「罠?」と俺。
「出れなかったのに出れたのはこうなることを予定に入れてる。つまり幽香やヘカーティア、華仙が負けることはきっと想定の範囲内なのよ……」
その言葉に俺達はまた黙ってしまう。
「それでも戦うんだよ」
そう言ったのはカオルだ。
みんなはカオルを見た。
「勝てなくてもですか…?」
と早苗は不安そうにカオルを見た。
カオルは頷いた。
それには全員が息を呑んだ。
「何もしなかったら好き放題にされちゃう。わたし達はここを守るためにここにいるんだから。ね?龍太くん」
「え?…あーそうだな」
唐突に話を振られ俺は笑ってしまう。
なんだかこんなことがあった気がする。
勝てなくても戦う。
そして勝ってきた。
今回も多分同じだ。
「そうだったな」
俺が妙に吹っ切れた様子にみんなは困惑だ。
俺は言った。
「まずはあいつらの計画を止めよう」
まだ不安そうなみんなだったが天子と魔理沙は違った。
「そうだな。止めなきゃな」
「ね!いい退屈しのぎになるわ」
「お前なぁ…」
この二人はそれぞれの考えがあって戦うんだろう。
俺は霊夢を見た。
目が合った。
~~~
あれからカオルは直ぐに文とはたてを連れて出掛けて行った。
早苗は人里に用事があるらしく出ている。
天子と魔理沙は残りの星憑きを探すと張り切って出掛けていった。
残ったのはまたも俺と霊夢だ。
そして妖夢もいた。
「師匠」
その呼び方に俺は驚き霊夢も「はい?」みたいな顔をしたが何かを納得したように表情が戻った。
「もうバレてるからいいじゃないですか」
「そうだけど恥ずかしいんだよ」
「変な師匠ですね」
「ったく…なんだ?」
「カオルさんが行ったってことは」
「あぁ。多分いるかもな」
「そうですか。あの…」
「ん?」
妖夢は少し口ごもったが言った。
「お祖父様とは私が戦いたいです」と。
「一応聞く。なぜ?」
「お祖父様を止めれるのは私だけだと思いますから」
その真剣な顔を見て俺は2つ返事で「わかった」と言った。
そういえば鈴仙はどうしたんだろう。
今日来なかったな。
~~~~~
「いたのか」
「うむ」
「そいつはなんだ?兎か?」
「月の兎だな。今となっては元らしいがの。儂を追いかけてきてな」
「なるほど。捕虜にしたのか」
「……ッ」
「丁度いい。いろいろ情報を持っていそうだ。こいつの記憶を覗いてやろう」
蛇使い座が頭を掴む。電撃のような光が弾ける。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
隣で見ていたアーシェは呟く
「趣味が悪いやり方だ」と。
気にした様子もなく蛇使い座は得心したような顔になる。
「次はお前が行け水瓶座」
「いいの?」
「あぁ。だが博麗の巫女じゃなく周りの奴らを蹴散らせ」
「わかったわ」
「それと獅子座の動きに気をつけておけ。あいつは力は強いが器は子供だからな。巻き込まれるなよ?」
「わかったわ」
「その娘はどうするのだ?」
「力が使えぬように目を塞いだあと手足と首を繋いで放り込め。射手座」
「はぁ私かよ…へいへい」
「ッ…」
「悪く思うなよメス兎」
逃げようとした矢先、急に怯えて悲鳴が上がり動かなくなる。
蛇使い座達には悲鳴が聞こえない場所まで連れていき放り込む。
外に出ようとして立ち止まる。
「ちっ、乙女座か」
「まあね?すごい魔法を使うのね。恐怖で相手を縛り付けるなんて」
「大した力じゃねぇよ」
「博麗の力、さらに星の力も使えるじゃない」
「魔法はともかく博麗の力は移植しただけだ。星の力はついでだろうが。てめぇらが私を利用してるように、こっちだって利用してるだけだ」
「そうね」
「…用はそれだけか?」
「うん。それだけ」
私は「そうかよ」と言い幻想郷に足を着ける。
私の力は脳と心を支配する、精神操作という魔法だ。
この力を貸した結果、博麗の巫女の心を破壊し奈落の底にまで落とした。
だがあの魔法使いには効果が薄かったようにも感じた。
タフなのか阿保なのか馬鹿なのか、それとも……。
「ちっ。胸糞わりぃな」
私にはやらなきゃならないことがあるんだからな。
ここまで読んでくれてありがとうございます
なんだかんだと7章です。
長編となっていますが盛り上げれるといいなと思っています。
次回もよろしくお願いします