6章act2 月からの使者
こんにちはこんばんはおはようございます
お久しぶりになります。
6章act2です!
最近投稿ペースが落ちてしまってすみません。
けど失踪はしないので楽しみにしていてください!
わたしが紅魔館に着くと
「美鈴ちゃん!」
倒されている彼女の姿があった。
「どうしたの!しっかりして」
「うう…カオルさん。侵入者がお嬢様を…」
「!?」
わたしは美鈴の傷を癒す。
「あ、ありがとうございます…!」
「行こう!」
「はい」
館に入るとそこには、見慣れない誰かがいた。
「あぁ?誰かと思えば、さっきの門番じゃねぇか」
レミリアの首を持ち上げ薙ぎ倒す。薙ぎ倒された場所にはこあやパチュリー、咲夜が横たわっていた。
黒く長いスカートのような袴に長く下ろしたブロンドよりの黒髪。黒の巫女服を着た女がいた。
誰…?
「みんなに…レミリア様に何をした!」
「あぁ?こいつ私が星憑きだってわかると妹を返せってうるさいから黙らせたんだよ」
「き、貴様!」
美鈴が怒りに任せ足を踏み出す前にわたしは止めた。
「あなたは誰?」
「ああ?なんだお前?ここのモンじゃねぇな?」
「あなたも妖怪じゃないし幻想郷の人でもないよね?」
「そうだな」
「何しに来たの?」
「知ってどうするよ」
「聞いてから知るよ」
「………意味わからん。まぁいいや。私は強い奴と戦いに来たんだよ。だけどどいつもこいつも雑魚ばかりだな。お前らは支配されるにお似合いだぜ」
「名前は?」
「あ?」
「名前は?」
「あ。あのカオルさん?」
美鈴は話に着いていけてないらしい。
「お前、変わってるなぁ…。私はアーシェ。射手座と言えばわかるだろ」
「そっか。じゃあ戦おう」
「は?…っ!?」
アーシェが言葉を言い切る前にわたしは既に足を踏み出していた。
杖を出し光の剣に変え間髪入れずに打ち込んだ。
光の剣をアーシェは光弓で受け止めた。打ち込んだ衝撃で床が凹んだ。
「てめぇ…」
わたしとしてはこれで終わって欲しかった。
けどそう甘くない。この人は不意討ちに慣れている。
弓なら近距離には弱いはず。
「と、思うよなぁ」
「!!っ!」
アーシェの周り陰陽の玉が現れわたしを薙いだ。
「痛いっ…!」
「その力は霊夢さんの!?」
美鈴の叫びがわたしにも届いた。
「ハッ!夢想、封印だ」
アーシェから数々の黒い光の玉がわたしにめがけて飛んできた。
「くっ!!」
わたしは館内を飛び回避を続ける。
「おらおら!どうした!まだまだこんなもんじゃねぇぞ!」
だめだ。避けるのは難しい。
ポケットから一枚のカードを取り出す。
「あ?」
わたしは剣から放つ光の槍をカードに向かって放つ。カードから、さらに槍が増え夢想封印の光の玉を全て串刺しにした。
「んだよそりゃ」
「シリコンバーって魔法道具だよ」
「ちっ」
「…どうして陰陽玉を持ってるの?」
わたしは攻撃姿勢に変え
「どうして」言いながら急加速
「霊夢ちゃんの力を使えるの?」
瞬間速度で近付き手刀を振る。
「くそっ!」
悪態を付きながらわたしの手刀をかわすも、振り抜いた手刀から膨大な雷撃がアーシェを貫いた。
アーシェは距離を取った。
「いってぇ……」
「次で、トドメだよ」
「…………。なめるなよ」
「…??」
「なめんなぁ!!!十二宮符、サジタリア!」
アーシェを赤黒い光が包み姿が変わった。
長い袖には炎が燃え盛り、袴も変わり短いスカートタイプに変化し右手には絢爛な弓。周りには何本もの炎の矢が浮いていた。
ゴシック風巫女という感じだ。
「!!」
「うらぁ!」
弓を構えただけで炎の矢が何本も飛んできた。
わたしはかわしきれずに受けてしまう。
「ぅぐ…!」
アーシェは瞬間速度で攻めてきて、矢は槍のようにわたしに刺した。
まるで矢が生きてるように振り回される。
「や、やめなさい!!」
美鈴がわたしを庇うように矢を弾いた。
「てめぇはさっきのでおっちんだろうが!」
「かはッ…!?」
陰陽玉が宙を舞い何回も美鈴になぶり当てる。
美鈴は完全に意識を失い倒れ、矢をわたしに向けた。
「これで終わりだ」
「終わりは貴女です」
唐突に知らない声が響き、逆巻くような水が壁になり、わたしとアーシェの間に壁になる。
「え?」
「ああ?んだ?」
わたしの隣に立ったのは刀を持った薄紫色の長い髪を、黄色のリボンを用いてポニーテールにして纏めている。瞳の色は赤。
服装は、白くて半袖・襟の広いシャツのようなものの上に、右肩側だけ肩紐のある、赤いサロペットスカートのような物を着ていた。
「はじめまして。地上の民。私は月の使者。綿月依姫です」
「月の使者だと?」
「そうです」
「あの、わたし地上の民どころか幻想郷の人でもないんだけど」
「…。そうでしたか」
「桜カオル。こことは違う世界から来た魔法使いだよ」
「そうですか。ではカオル。立てますね?」
「うん」
依姫とわたしは二人で刀と剣を構える。
アーシェはそれに対し鼻で笑う。
「はっ、誰が来ようが一緒だ。ギタギタにして……ゴホッゴホッ…」
「「?!」」
アーシェが唐突に咳き込んだのだ。
「ここからだってのに。ゲホッ…くそ!」
アーシェはわたし達に気にも止めずスキマを開き去っていった。
「大丈夫ですか」
「だ、大丈夫。ありがとう」
「いえ、私も事情があったので。まずはこの者達の処置をしましょう。何やら久しぶりに見る顔もありますから」
依姫は倒れたレミリアと咲夜を見てそう言った。
みんなの処置が終わりレミリアは直ぐに目を覚まし依姫とレミリアはさっそく喧嘩腰。
「いつか前のようにはいかないわよ!」
「いいでしょう。万に一つも私の負けはありませんから」
わたしはそれを何とか止めて事情を聞き出す。
「あの巫女、いきなりやってきたのよ。戦えって」
強い奴を探してるって言っていたから多分文字通り戦うためにここへ来たのかもしれない。
「あなたは戦ったのですか」
「戦ったわよ。フランの…妹の居場所を知ってるかもしれないのに。だったら戦うわ」
「……。そうですか」
一瞬間があった気がしたけど気のせいだったかもしれない。わたしは依姫に聞く。
「依姫は何しに来たの地上に」
「私は…月の都に穢れの襲撃者がやってきたのです」
「穢れ?」
「はい。詳しくはわからない。でも偶々地上を覗いた時にわかったのです。何かが起きていると。それは月と地上が密接だということです。あってはならない現状。ということで私が月の民の使者として地上へやってきました」
「穢れの襲撃者は?」
「もう既に倒しました」
「それで、あなたはこれからどうするわけ?まさか私らと一緒に行動するつもり?」
「いいえ。私は私で目的を果たしますよ。なので別行動です」
そう言って依姫は館から出て行こうとしかけ振り向く。
なんだろ?と思い言葉を待つ。
「カオルさん。先の技の数々どれも見事でした。ではこれで」
と言って出ていった。
「ちょっと!なんで私には何も言わないわけ?」
「レミリアちゃんの戦ってるところ見てなかったんだよ」
って言うしかなかった。
「うーーーー。覚えてなさいよぉ…」
レミリアは悔しそうにそんなことを言っていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます
今回はカオル視点になっていました。
全力のバトル回になりましたがどうだったでしょうか?。
既にタイトルがネタバレになっていますが月の使者、通称月の民、綿月依姫が参戦です。
原作漫画では依姫無双という凄まじい戦いっぷりを披露した彼女はここではどんな戦いをするのか楽しみです。
そして霊夢の力を行使する謎の口の悪い巫女の展開もワクワクする展開で書けたらいいなと思います。
では今回はここまでです。
次回は6章act3です!
ここまで読んでくれてありがとうございました