5章act5 十二の魂
こんばんはおはようございますこんにちは
2020年最初の投稿になります
日が昇ると、霊夢は昨日何事もなかったように俺を起こし二人で朝飯を食べる。
もう立ち直ったのか?と思ったのだが
「とりあえず、さ」
「おぅ」
「私まだ不調だからしばらくは任せて…いいかしら?」
いいかしら?で目が暗くなったので見栄だったかと思い俺は承諾した。
どのみち戦うことになるなら一緒だし。
「けどまずは情報集めに出ないとな」
「ふぅん」
「いや他人事みたいに言うがお前も一緒に行くんだぞ?」
「え?」
「戦わすわけじゃないから、安心しろ」
「…う、うん。じゃあどこに向かうのよ?」
「まずは人里んところかな」
そして人里へ向かい俺達は話を聞くことにした。
二人で聞き込みの結果、わかったのはやはり何人かの妖怪達が行方不明ということだった。
その中でも、ある女の子が人里で何かを見たという話を聞いた。
俺達は本居小鈴店。通称、鈴奈庵にやってきた。
「あ、霊夢さん。お客様もいらっしゃいませ。ようこそ幻想郷へ。私は本居小鈴です。お噂は聞いてますよ」
「あぁはじめましてだな。俺は巫凪龍太。噂って?」
「いつも力の強い妖怪と一緒にいる噂ですね」
良い噂ではないかもしれんな。
「小鈴ちゃん、早速で悪いんだけど人里で何を見たのよ?」
「あぁその話で来たんですね。実は今日朝、お店の準備をしていたらですよ?」
緑髪の女が龍の像のところへ来て何かをしていたらしい。
「緑髪……誰だ」
「思い当たる奴って結構いんのよねぇ…」
「??ふむ。もう少し詳しい話はないのか」
「そうですね。優雅なようなのんびりなような感じでした」
神社に戻り
「いや結局誰だったんだろうか」
「わかんないわね」
昼になるとカオルと魔理沙が帰ってきた。
「「ただいま~」」
「おかえり、あれ?文達は?」
「号外出すために仕事するってよ」
魔理沙はチラッと霊夢を見て小さく息を吐いたように見えた。
「それでね、結論を言うんだけど」
「紫を抜く12人の誰かが行方不明だとわかった。まぁ元々行方不明なやつもいたらしいがな」
「元々行方不明ってのは妖夢の祖父か」
俺の言葉に霊夢の顔が強張りカオルは表情を引き締めた。
「とてつもなく強かったよ。あの人」
「そうか…。今わかってるのは、妖夢の祖父と、八意永林、フランドール・スカーレット、あと緑髪の女らしい」
「「誰?」」
「わからん」
「地道に探すしかないのか~。でも魔界の連中も対象に行方不明だったら、こりゃ骨が折れるぞ…?。早苗から聞いたぜ。永林は外見こそ同じだが中身は違うんだろ?つまりあいつらを支配するだけの何かに操られてるってことだよな?」
「あぁ。文やはたて達には?」
「伝えたぜもちろん」
「よかった」
「紫も可笑しかったわね……」
霊夢が小さく呟く。
「そうなのか?私は直に見てないからなぁ」と魔理沙。
「うん…。ね…カオル」
「うん。顔になんかマークみたいなのがあって光ってたの」
「俺は《スティグマ》烙印って呼んだけどな。もしかしたらあれ身体中に張り付いてたのかもな」
「こわすぎんだろ…けどそうなると永林達にも同じ感じにスティグマがあるんだろうか?」
「かも」とカオル。
「?」と俺。
「妖忌と戦ってる時にあの人、刀をカニギリって言ってたの。倒した時に紫が来て、妖忌を見てカニギリって呼んだんだよ」
「んん?そういや永林なんか変な針だしてたな。名前もシャウラだったし」
「どういうことだぜ?」
「……紫は知らないけど、行方不明になった12人は武器に身体を奪われてる可能性があるってことよ……」と霊夢。
「なるほどな。武器か…」
「壊せば戻るのかな?」
「どうだろうな。倒した上で武器もって可能性を考慮したほうがいいかもな」
「………」
霊夢は再び黙ってしまい表情が見えなくなってしまった。
「とりあえず今のままじゃ私らも勝てないかもしんないのか。どうするかだぜ」
ひとまず、解散となった。
勝てないのも問題だ。情報も地道に集めていかなきゃな。
あと霊夢がなんであんなになってるのかもだ。
壊した箱が残ってないか探しにきた。
霊夢はカオルに任せてきた。
「師匠、ありましたか?」
「いや、ガラクタ一つないな」
「そうですか。玩具みたいなやつですよね?」
「あぁ」
途中から妖夢を引っ張ることにした。
人手も欲しいしあれからの話を聞くためだ。
妖夢には今日集めた情報を話しておいた。
「幽々子様はひとまず紫様探しを協力すると仰ってくれました」
「そうか」
「あの…師匠…私、思うんです」
「何を?」
「行方不明だったお祖父様が敵となって帰ってきたこと。紫様が敵として戦わねばならないこと。もしかしたら行方不明になった人達と戦わなきゃならないこと。霊夢さんが敗けてしまったこと」
「………」
「師匠、これは異変なんでしょうか…?幻想郷は今これまでかつてないほどの危機に今あるのではないでしょうか…?」
「どうしてそう思った」
「一番の理由は紫様です。今までの異変はいろんな妖怪が異変を起こしてきましたが紫様自身が異変を起こしたことはあまりありません。あの方は幻想郷を愛してますから……なのに紫様は今私達の前に立ちはだかっている」
「だから、異変なんでしょうか?ってやつか」
「はい…」
幻想郷の成り立ち、スペルカードルール。博麗の事。調べているとわかるが確かに異変と呼ぶのは難しいかもしれない。
幻想郷には力の強い鬼。仙人や閻魔もいる。神もいる。
にもかかわらず未だに彼らから霊夢達にコンタクトを取らない。
「もしあいつらまでグルだったら、どう立ち回ればいいんだかな」
「???」
「グルとは?」
「異変じゃないかもな」
「!?。じゃあどうして他の妖怪達は解決に協力をしないんでしょうか」
俺はさっき思ったことを伝えると
「そうなったら…幻想郷は終わり…ですね」
妖夢は力なく笑いスカートの裾を握り俯かせてしまった。
俺にとってそれは嫌な笑い方だった。
「ごめん、そんなつもりで言ったわけじゃないんだ」
「はい…」
だから考えた言葉は
「一番手っ取り早いとしたら紫を見つけてぶっ飛ばすだな」
自分で言っておいてそれが一番っぽい気もした。
そう言った時、妖夢の反応が変わった。何を思ったんだろう?。
「まぁ…一番妥当かもしれませんね」
「……。勝てるわけないって言わないんだな」
「それは、私があなたの弟子だからですよ龍太さん」
そう言った妖夢の表情は信頼を寄せる優しい笑顔だった。
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「しかしないなぁ」
「そうですねぇ」
「持ってかれちゃったんじゃないー?」
三人目の声は古明地こいしである。
「あれから地霊殿帰ってないと聞いたけど大丈夫なの?」
「んーとね、わかんない」
「………ぇぇ」
妖夢とこいしが会話するのは珍しい組み合わせだなと感じた。
しかしこいしは優雅って感じはないなぁ…。髪だって銀っぽい緑だけど、緑っぽくもないし。
結局収穫がないまま戻ることとなる。
やってきたのは妖怪の山だ。
妙な話があったらしい。
「なんでも刀をもった女性が椛さんと相対してコテンパンにされたんだとか」と早苗の談だ。
「そいつ行方不明者ですか?」
「少なくとも刀を使う女性をあまり知らないですね…」と言っていた。
もしかしたら何か別件かもしれないな。
けどわかったことがあるようだ。早苗が戻ってきた時、有頂天の位置がわからなくなったらしい。
有頂天は天界の一つ。別名、非想天。妖怪の山の遥か上空を目指すことで辿り着ける場所らしい。
そして天界は、成仏した幽霊や修行して欲を捨てた人間が行くとされる、天人や天女が住む世界。大地が宙に浮かんでいる。天界はかつては地上に挿されていた巨大な要石が浮上したものだ。稗田阿求著の「幻想郷縁起」には冥界の中に存在して、冥界の遥か上空にあると書かれている。西行寺幽々子によれば冥界よりも広く、いくつもの世界に分かれているらしい。
食べ物は桃と丹くらいしかないが、天界の桃には体を鍛える効果がある。
現在は天界が飽和状態になってしまい成仏が規制中とされている。しかし八雲紫は、それは大嘘で本当は土地が狭くなるのが嫌なだけと述べている。
俺と妖夢は会話を続ける。
「無くなった、わけじゃないよな?」
「恐らくですけど」
つまり、なにかの理由で隔離されたということだろうか。
「天人達の助けは借りられないわけですね」
「そうなるな。確認しなきゃならん場所が増えたな」
「確認ですか」
「あぁ、魔界とか冥界とか地獄とかな。冥界は望み薄だが」
「もし全部がだめだったら本当に幻想郷だけで解決しなきゃいけないんですね」
「まぁそうだな」
同時にそれは行方不明者もきちんと幻想郷内にいるということだが…。
「考えると行方不明者はみんな操られてる状況なんですよね?」
「まぁ多分な」
「戦うとなると勝てるのでしょうか…」
そこなんだよなぁ…。
けどやるしかない。だが霊夢の敗北はそれほど大きいということだ。幻想郷の最強が敗れたという事実は重い。
「………一つ方法がある」
「え?」
そして俺達は一度神社に戻ると、魔理沙と鈴仙の姿があった。
「お、帰ってきたか」
「……おかえりなさい」
「おかえり。どうだった?」
暗い霊夢とカオルの声に俺は返事をする。
「ただいま。手掛かりはないが一つ試したいことができた」
「試したいこと?」
「あぁ。カオル達は?」
「わたし達はちょっと湖まで散歩したよね」
「うん…ルーミアが行方不明らしいのよ」
暗い霊夢の返事に俺は顔をしかめる。そういえばあの時から姿を見ないな…。
「魔理沙達は?」
「私のほうは魔界に行けるか調べたんだ。結論だけ言うぜ。行けそうにない。まるで無かったように行けないんだ」
「…これはいよいよ幻想郷だけで解決しろってやつか。鈴仙はどうした?」
「心配になったから来てみたの。でも懐かしいような怖い気を感じたんだよね」
「なんだよそりゃ?それだけじゃ何かわからんぞ?」
「ご、ごめん魔理沙」
「けど気にはしておこうよ?龍太くんは試したいことってなに?」
「きっととっておきな話になるぞ」
まずはこれをみんなに話さなきゃな。
高校一年の森宮での大きな事件が起きた。ファルシと名乗る男が起こした大きな事件だった。
俺とカオルを中心にその事件は解決したんだが俺はその戦いの最中、力が覚醒し魂を12に分けたのだ。
その12個の魂を幻想郷に呼び、大袈裟だが幻想郷を救う者に力を貸すという方法だ。
「つまり龍太の力で私らを強化して挑もうってやつか。なるほどな。悪くないかもしれない」
という魔理沙。
「まぁその魂は魂だから、誰が誰を選ぶかわからないんだけどな」
「マジかー…。選ばれたいところだな」
魔理沙は闘士に火が点いているような反応だった。
魔理沙もまたこれまで霊夢と色々異変を解決しているらしい。
魔理沙も魔理沙なりに幻想郷を守ろうとか考えているのかもしれない。
妖夢が考えるように呟く
「12人の行方不明者と12の魂ですか…もしかしてですが」
「うん、妖夢ちゃんの予想は多分正しい。妖忌も永林さんもみんな星に関する力があったから、龍太くんの魔法も星に関連してるもんね」
「あぁまあな」
「けどもしそれが操られてる人達にいったらどうなるの?」
鈴仙が言う。まぁたしかに不安要素だが
「一応あれも俺の魂みたいなもんだからさすがにそんな奴のもとには行かないかもしれないんじゃないかな」
と言うしかない。
「そうなったら戦ってゲットすればいいんだよ」
という魔理沙の前向きな言葉に鈴仙は仕方なく納得した。
「…何か準備はいる?」
今まで黙っていた霊夢が口を開いた。
「ああ大丈夫だよ。ありがとう」
霊夢はコクりと頷いた。
「カオル、リンクだ」
「おっけ~」
俺とカオルは対面に向かい合う、互いに手を繋ぐ。
俺とカオルの心と思いが繋がりリンクした。
立ち上がるのも困難な風と、目映い数の光の玉が渦巻き、みんなは「わぁぁぁ!」と叫んでいた。
その風と光は伸びるように光の柱となり空に打ち上がっていった。
この光の柱は間違いなく幻想郷の全員に見えている。
紫不在であり不調の霊夢。幻想郷の境界と結界は緩い。カオルの力を借りれば干渉くらいはできるだろう。
事実干渉できた。
「来るぞ!」
俺の言葉に、みんな空を見上げていた。
光の柱が再び現れ、様々な色に輝く光がゆっくりこっちに向かって降りてくる。
「夢想封印みたいですね」
妖夢が言った。
光が降りてくるその時、幻想郷中の四方八方から何か飛んできた。降りてくる光に向かってぶち当たり光達は大きな音と爆発を立てて変な方向に飛んで言った。
「な、何が起きたんだ」
「今のは明らかに攻撃だったぜ」
俺の言葉に魔理沙が返した。
「攻撃?じゃあさっきのは」
「星に取り憑かれたやつらのだろうな」
俺は地面に座り込んでしまった。
「龍太!!」
みんなが駆け寄り魔理沙に支えられた。
魂状態だったからだろうか、受けた攻撃は痛みになって魂を通して俺に走ってきたのだ。それを話すと
「……」
みんなは沈黙する。
「みんなも気をつけてくれよ」
その言葉にみんなは頷く。
その言葉を合図に
「やはりここでしたか」
「?!」
全員その声に振り返ると両腕にゴツく赤い赤熱したガントレットを装備し、右腕には妙な紋様…スティグマを持った茨華扇の姿だった。
ここまで読んでくれてありがとうございます
5章act5でした。
前半と比べると戦いが増えました。まさに激闘編です。
もうちょい遊んでみたいですが、遊びすぎると終わらないですね。
次回は5章ラストになります。
もうすぐ6章です。
今回はここまでです。
ここまで読んでくれてありがとうございました!




