4章act2 人里で能楽
お久しぶりです。
こんばんはこんにちはおはようございます。
4章act2になります。
「よっこらっしょ」
「んしょ」
「あ、それあっちに片してよ」
「わかったぞ~」
と、俺達は朝から片付けと清掃だ。
「おーい霊夢!」
とマジカル帽子を被った女の子がやってきた。
「あら魔理沙来たわね。あんたも手伝いなさい」
「え?いやいきなり言われてもな…お?」
「ん?」
魔理沙は俺を見て近づく。
「へへっ。実際に会うのは初めてだな」
「あぁそういえばそうだったな。俺は巫凪龍太。龍太でいいよ」
「私は霧雨魔理沙だ。魔理沙って呼んでくれよ。会えて嬉しいぜ。魔法の話はよくカオルから聞かせてもらっててな。それにちょっと世話になったんだ。龍太からも近いうちにでも聞かせてくれよ」
「もちろんいいよ。魔理沙も魔法の話聞かせてくれるか」
「当たり前だぜ」
「ちょっとそこ二人~~!!手も動かしてよ」
向こうから霊夢の声が俺達に届いた。
「わかってるよー!。じゃあやるか」
「いや何してるんだ?」
「掃除だよ。宴会に向けてな」
「なるほど。いや珍しいな…。まあいいか。わかった。私も手伝うぜ」
そうして掃除は無事に終わることができた。
「そういえば魔理沙は何しに神社に?」と俺が口を開く。
「あぁこれだ」
一枚のパンフレットを渡された。
「俺達に?」
「おぅ。こころが能楽を見せたいって人里でな」
「能楽か。こころって?」
「秦こころっていう妖怪がいるんだ。そいつが能楽を披露するんで見に来てほしいって」
「なるほどな…」
「ところで、《ふたり》カオルと霊夢は何してるんだ」
「さぁ」
そういえば二人が中で何かやってるが何してるんだろうか。
閉まっているから見えないが。
と、俺達が話してたら扉が開いた。
「霊夢にカオル何して…え?」
魔理沙の言葉が固まる。
俺も無言になった。
「じゃーん!!」
「………」
何とカオルと霊夢の衣服が入れ替わっていた。
カオルはくるりと回り俺に笑顔を向ける。
「どう!龍太くん」
「かわいいよすげ似合う良い」
即答。
「やったねありがとう。霊夢ちゃんのはわたしの制服貸したんだよ~!」
カオルは霊夢を俺の前に押し出した。
押し出された霊夢は俺の前に立つ。
制服の姿の霊夢か。
俺達の世界に霊夢が学校に通ったらこんな感じなんだな。
「…………」
何も言わないので俺は聞いてみる。
「どうだ?制服」
「足元がすーすーするわ」
「それを俺に言われても困るんだが…」
「そ、そうよね。で…どう?」
霊夢もカオルみたいにくるりと回ってみせた。
そのアクションいるの?。
というツッコミは自分の中で割愛した。
意外と可愛かったんでまぁ良しとする。
「あぁ。かわいいよ。似合ってる」
「そう…。ありがと。魔理沙もなんか感想は?」
「あぁ霊夢が女に見えるぜ」
「魔理沙…あんた一回私と腹を割って話しましょうか」
「う…いやいや!、似合ってるってことだよ」
「ったく。調子いいんだから」
「いやほら、霊夢とカオルって雰囲気全然違うだろ?カオルがおっとりだからどっちも似合うが霊夢が女子高生ったけ?バリバリ違和感ないんだよなぁ」
「半分誉めてないわよね魔理沙?」
魔理沙は笑いながら首を横に振る。
「さ、用事は伝えたからな。私はそろそろ行くぜ。アリスと待ち合わせしてるんでな。じゃああとでな」
と魔理沙は先に行った。
「魔理沙か。いいやつだな」
「うん、魔理沙ちゃんはいい子だよ」
「そうか。とりあえずその格好で行くのか?着替えてきたらどうだ?」
「「そうするわ(ね!)」」
そして俺達は人里に向かう。
「ここに来ると思い出すのよ」
「ここ?本屋か」
「そう。本居小鈴店。いろいろ変なこと起きて大変だちったのよ」
(詳しくは東方鈴奈庵を参照)
「へぇ」
そのうちじゃあ店主にも会えるのかな?。
「着いたわ」
「ここは広間みたいな場所だね」
「お、霊夢じゃないか。お主も来たのか」
「えぇ。久しぶりねマミゾウ」
「久しぶりだのぅ。そちらの二人が噂の」
「えぇ。私の居候よ」
「そか。儂は二ツ岩マミゾウじゃ」
「あ、巫凪龍太だ」
「桜カオルだよ」
「よろしくのぅ。能楽は今回はお主達のために開く感じが強いようだからの。楽しんでいくとよい」
「あぁありがとうマミゾウ」
「ありがとマミゾ~」
言うとマミゾウは楽しそうに去って行った。
「すごい人だったな」
「うん。妖怪だよね?」
「あぁ。狸もいるんだな」
「狸さんだったんだ!化け上手だね」
「あぁ、狐も化けるのは上手いが狸はさらに上手いって言われてるからな」
そんな俺とカオルの会話に霊夢はもはや肩をすくめるだけだった。
慣れってすごいのねと小さく呟きが聞こえた。
能楽が始まる前、俺達は幻想郷で出会った友人達と再会したり出会ったりした。
俺達が来ることを聞いていたようだ。
例えば
「師匠来てたんですね」
「あぁ、妖夢こんにちは。でもここで師匠はちょっと」
「あ、すみません…師、龍太さん」
俺は妖夢の頭をわしゃわしゃ撫でた。
その様子を霊夢が眺めており口を開いた。
「あんたら、仲よかったの?」
「最初は全然だよ」と妖夢。
「ふぅん」と霊夢。
カオルはクスリと小さく笑っていた。
妖夢の鍛練はだいぶ順調だ。
彼女はやはり筋がいいのだ。祖父であるおじいさんももう少しちゃんと指導すればきっと俺達が師匠になることはなかっただろう。
「あ、龍太さん。カオルさん。やっぱり来てましたね」
「早苗先輩~」
カオルがわーいという感じで早苗に近づきキャッキャしていた。
「先輩も能楽を?」
「あ、はい。神奈子様が見て損はないとおっしゃって」
「なるほどです」
「はい。妖夢さん久しぶりですね」
「うん、早苗も久しぶり。最後に会ったのいつだったけ?」
「結構前になりますね」
「かもね。龍太さん達とはもう知り合ってたんだ」
「はい。妖夢さんも?」
「うん」
という二人は話をしていた。
「お、三人とも来たか」
「えぇきたわよ魔理沙。アリスも一緒だったの」
「えぇ。あ、こんにちはカオル」
「うん、アリスちゃんこんにちは」
「うん。そして初めましてね。巫凪龍太さん。カオルから話は聞いてたわ」
「そうだったのか。巫凪龍太だ。初めまして」
「初めまして。アリス・マーガトロイドよ」
俺とアリスは互いに握手をする。
その他にも鈴仙やこいしなど知り合いが声をかけて話をした。
文はというと今回の能楽について取材をしにこころの所へ向かっていった。
「なんかこんなに人が集まるの珍しくないですか?宴会や祭りでもないのに。異変でも起きそうですね」
「ちょっと早苗。めんどくさくなること言わないでよ。今から能楽。異変なんて起きないわよ」
霊夢はそう言った。
みんなでわいわいと盛り上がる中、
「魔理沙」
と誰か男の声が魔理沙を呼んだ。
その声に俺達はつられる。
魔理沙もその男を見る。
「何度言われても私は商店の跡は継がないぞ親父」
親父ぃ!?となったのは俺だけではないはずだ。
みんなそんな反応だった。なのにカオルは落ち着いていた。カオル??。
つまりこの男が魔理沙のお父さん?。
「………」
「……」
魔理沙と霧雨の親父は睨み合う。
数十秒後。
「好きにしなさい」
霧雨の親父がそう言った。
「え?」
「俺からは何も言わん。好きにしなさい」
「チッ…。散々継げだの結婚だのなんだの言って最後が好きにしなさいだ?。だったら最初からーー!」
「魔理沙ちゃん」
魔理沙が声を荒げかけた時、声をかけたのはカオルだった。
「う………すまん。……いいのか親父」
「あぁ。ただ、たまには母さんに姿を見せてやってくれ。…桜と言ったか。魔理沙をどうか頼む。じゃあな」
そう言って霧雨の親父はカオルに頭を下げ、俺達に一礼し去っていった。
「……悪い。今日は帰るぜ。助かったぜカオル」
「あ、うん」とカオル。
言って魔理沙は人ゴミに紛れていった。
とまぁ残る気になることはカオルに向けられるわけである。
「魔理沙と何があったのよ?」
霊夢がみんなの疑問を代表してカオルに聞いた。
カオルはかわいい笑顔で笑うだけであった。
永遠の謎にする気かカオルぅ???。
その後、能楽が始まった。
能楽は見たことがなかったが、どうやら博麗神社がとある天人の手によって倒壊した話を面白可笑しく脚色した物語だった。
霊夢は苦笑いだったが。
能楽が終わると後片付けに入る秦こころを手伝った。
「あ…ありがと。どうだった…?」
「おぅ神社がぶっ壊れるところとか面白かったぞ」
「よかった」
とこころのお面が笑顔になった。
みんなと解散し俺達は能楽の感想を話ながら、夕食はどうするかを話ながら神社に戻った。
霊夢と俺は魔理沙と何があったか気になって、改めてカオルに問いかけたが「魔理沙ちゃんに聞いたほうがいいかも」となった。
「魔理沙、口割るかしら」
「割らなそうだなぁ…」
というのが俺と霊夢の予想だった。
さて、いよいよあさっては宴会だ。
楽しみだな。
俺とカオルに霊夢の三人は今日の夕食に手を合わせて言う。
「「「いただきます」」」
4章act2end
ここまで読んでくれてありがとうございます。
4章act2はタイトル通り人里で能楽を見るのですがいろいろと気になることを含まれています。
このいろいろはきちんと書いて行く予定なのでお楽しみにです。
今回は霊夢とカオルの衣服取り替えっ子をしてみたのですがこれはありだと思ってしまいました。
かわいい良い。うん!。
ってことで次回は4章act3になります。
ここまで読んでくれてありがとうございました!