4章 博麗神社の裏山
こんばんはおはようございますこんにちは
4章に入ります。
「龍太~あついのか~」
「そうだな。ならなんで俺にひっついているのか…あと霊夢どうした雑巾食ったような顔して」
「別に。って誰が雑巾食った顔よ。龍太さんって意外とこういうの鈍い?」
「なんかパトリシアや志郎達にはよく言われる気がするなそれ」
「誰それ?」
「俺とカオルの仲間だ。外の世界の」
「そう。仲間なのね」
霊夢は空を見上げる。晴天快晴だった。
今日も俺は神社でくつろいでいる。
ルーミアが途中でやってきて霊夢が困った表情をしていた。
「どうした?」と聞くと返事は「別に」である。
「カオルは今日は白玉楼に行ってるんだったけ?」
「あぁ妖夢と遊びにな。人里で合流して一緒に昼して行くみたいだな」
「ふぅん」
遊びにとは名目上であって実際は遊び=鍛練である。
ほんとは俺も行きたかったがさすがに二人で押し掛けるわけにはいかない理由があった。
「ねぇ何か話してよあっちの世界の…龍太さん達が住む世界の話」
その理由が霊夢である。
地霊殿に行きみんなで話す内に俺達は俺達の世界の話をした。
幻想郷の外にはない物もあることから興味を引く話も多かったのか霊夢の関心を引いたのだった。
正直俺はルーミアに対する困った表情のが気になったんだが…。
「えー」
「いいじゃない。私はこうして幻想郷のこと話してるじゃない?」
「ルーミアも聞きたい~」
二人に言われ俺は悩んだが
「わかったよ。じゃあそうだな…」
俺は俺の世界にある魔法使い同士の戦いについて話してみた。
少年お話中。
「って感じなんだ」
「ふーん。ソーサリーズバトルねぇ。スペルカード戦とやっぱり違うか。チームワークが物を言う実戦って感じね。トドメとかはないの?」
「ああ。魔法使い同士みんな仲間だからトドメはしないよ。オーバーキルはよくないだろ。まあ一対一でも必ず相棒はいるしな」
「一対一なのにかー?」
「うん。戦う人と指示を出す人ととで役割があるんだ」
「なるほどね。じゃ2対2なら指示を出す人も戦うわけね」
「そういうことだな」
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「龍太~」
「ん?」
「霊夢が楽しそうでよかったのか~」
「そうだな」
ちなみに俺はあのあと霊夢に買い出しを頼まれルーミアと一緒に人里に来ていた。
「ルーミア、霊夢と一緒にいてもよかったんだぞ?」
「そー思ったけどなんか一緒にいると難しい感じになるからやめたのー」
「難しい感じ?」
「ごわーって感じ?」
ごわーって難しい感じ…。
ザワザワするのか?霊夢とルーミアに昔何かあったのか?いやでもそれなら霊夢が何かしらアクションがあったはず?。
記憶とかいじったらもうどうしようもないが…っても幻想郷が今不安定だと聞いた。
幻想郷に住むみんなに何かしら影響があってもおかしくはない?
そもそもルーミアって…
「ルーミアは…もしかして」
「うん~?」
「いや…やっぱなんでもないさ」
「きになるのーだー」
「あはは」
俺はどうやって誤魔化そうかなと考えを巡らしかけた時だ。
人の声が耳に入る。
「…あれ人喰い妖怪じゃないのか」
「ほんとだ。なんでこんなところに」
「喰われはしないかしら」
「嫌なこと言うでねぇ…」
ルーミアにも耳に入ったのか声の先へ向いた。
「あ、こっちを見やがったぞ。恐ろしや。おいあんた。連れなら早く連れていってくれ。子供どもが怖がる前によ」
言葉の先を俺に向けられ「え?ああ」と返事を返す。
「行こうか。買い物済ましちまおう」
言うとルーミアは頷き俺の手を握り着いてくる。
人間は妖怪を恐れていなければならない。
妖怪は人間を怖がらさなきゃならない。
幻想郷はそういうバランスで保っている。
もし恐れという言葉が幻想郷から消えれば幻想郷は崩壊すると霊夢は言っていた。
そういう意味では俺やカオルは異質なのだ。
人でありながら妖怪と行動を共にしているから。
俺は妖怪も人もあまり変わらないと考えているが、きっと幻想郷の住人達は違うのだろう。
ルーミアが黙ってしまったので俺はルーミアの頭を撫でる。
「???」
「腹が膨れりゃ忘れるさ。金はあるしな(自腹だが)なに買おうか」
「え…!ルーミアもご飯一緒にいいのー?」
「あぁもちろんだ」
ルーミアはようやく笑ってくれた。
彼女は人喰いでありながら今は人を食べないと言っていた。
まあ…妖怪は基本人を食うらしいが…ルーミアはそれを更に特化した感じかもしれない。でも食べない。
つまり…それはかつて満たすものがあったということだ。
心を満たす何かが。
俺はルーミアに対して一つ予想があった。
その後、神社に戻るとカオルも戻って来ていた。
「いっぱい買ってよかったの?」とカオルは俺を見たが
「今日は大食いが来てるからな」とルーミアを見る。
カオルも釣られ「なるほどね」と頷く。
霊夢は「龍太さんお金いっぱい持ってたのね…」と何か頭を抱えていた。
宴会が近いから食糧不足の心配がなくなったのは、ほっとしたらしい。
ルーミア以外に大食いがいるのか?と聞いたらピンクの悪魔が幻想郷にはいるらしい。
カービィいるの?幻想郷に?。マジか。
カオルと俺は首を傾げた。
「ルーミアは…もしかして」
あの時のことをふと思いだす。
俺はルーミアにこう聞きたかった。
ルーミアってもしかして空亡か?と。
夜、みんなが寝沈まったあと俺はこっそり神社を出た。
ずっと気になっている場所があったのだ。
誰も行かないし誰も口にしない。
様子見と見学ならいいかな。
俺はそこに立つ。
博麗神社の……?。
「こういう場所を裏山って言うのかな」
博麗神社の裏山。
俺は足を進めた。進めばわかるだろう。
だいぶ進んだか?
池のような湖があった。
「ここは…」
「珍しいね。人間がこんな場所に来るなんて」
「???」
無邪気?いや、ゆったりとした声が聞こえた。
声は上か。
長い金の髪と頭のリボン。背丈よりもでかい翼をもった女の子がいた。
「誰だ?」
「誰だって私のセリフなんだけど…」
「いや…まさか人がいるなんて思わなくてな」
「人じゃなくて吸血鬼だよ私」
「吸血鬼か。レミリアやフランの他にもいたんだな」
「当たり前でしょ」
「で、誰?」
「いやだからそれ私の…ああもう。私はくるみ。あなたは人間だよね?」
「あぁ。巫凪龍太だ」
「巫凪龍太…噂の外来人?」
「噂の外来人だな」
「やっぱり。すごい力があるって聞いてたからちょっと会ってみたかったの」
「そうなのか?」
すごいのか?。
くるみは言いながら俺に近付き地面に降りる。
くるみがジロジロ俺を見る。
吸血鬼って何気に全員美人顔なんだなぁ。
やはり血を吸いやすくするためか?とか考えていた。
がレミリアやフランとは違う危険があった。
ここは早く帰るに限るか。
「うん。あーやっぱり人間なんだねー。ところでなんでここに来たの?」
「この先に何があるのか気になったんだ」
「えー?変わってるなぁ。魔界だよこの先」
ええ…神社の近くに魔界とか大丈夫か。
「もしかしてくるみはここの門番なのか?」
「だっただよ~。今はもう全然そんなことないけどね…。でも人間をましてや外来人をこの先には行かせてあげれないよ」
「そうか」
俺は踵を返す。
「え、ちょっとまって。帰るの?帰っちゃうの?」
「あぁ帰る」
「ええ~普通は行かせてもらうぜじゃないの?」
「…こんな時間に戦うとか疲れるし。まぁ何があるかはわかったし」
「じゃあ勝手に踏み込んだからあなたの血、残らず飲ませてもらうね?」
「ッ?!」
ぶっといレーザーが俺を襲った。
俺の回りに光の玉が浮きレーザーが吸収された。ちょっと紙一重だった。
「おい!いろいろなんか理由がひどくないか!」
「ひどくないよ!ここに来たからそうかなって思うでしょ!」
「思わないぞー。………。あー…じゃあどうしたらいい?」
「え……?」
「血はやれないが俺は戦うために来たわけじゃないからな。なら穏便に済ませたい。どうしたらいい?」
まさか戦うって時に言葉をかけられるとは思わなかったんだろう。
実際本当に戦いをしに来たわけじゃないのが伝わったらしい。
だが俺は外来人だ。
戦いを続行されたら俺も反撃を考えるしかない。
選択肢はくるみにあった。
だから俺は一つ手を打つことにした。
「ここで何もせず戦うか。それとも一緒にお喋りするか?」
『言葉も立派な魔法よ』と月島果夜が言っていた。
少しでも相手が迷ってれば選択肢を縛ればどちらにせよ自分に有利な展開ができるとかなんとか。
「じゃあ…………」と彼女は口を開く。
「おぅ」
くるみは俯きながら答えてくれた。
「おしゃべりする…」
心の中でガッツポーズを決めてハイになった俺がいた。
話す中で思ったのがくるみは思ったよりも話すほうだった。
ここには人があまりこないからが理由なのかもしれない。
俺は幻想郷の他にも新たな世界。
魔界の存在を知った。
会話に満足したのか最後は裏山の入り口まで見送りもしてくれた。
「楽しかった。またね~」
「あぁまたな」
裏山には思った以上の発見があった。
そう思い満足しながら俺は神社に戻ると
「散歩は楽しかった?」
と霊夢が縁側にいて座っていた。
少し驚いた。これはあれだ。待ち伏せってやつだろうか。
「あー………ああまあな。ただいま」
「…おかえりなさい。裏山のほう行ったの?」
「行った。魔界があるんだって?」
「あるわ。幻想郷とは違う別の世界よ」
「聞いた。ちょっとびっくりした」
「そう。…ってそんな話はいいのよ。龍太さん。あのさ、出かけるのはいいけどせめて一言言いなさいよ。こんな時間にどうしたのってなるじゃない」
「悪い…起きてたのか」
「起きてたわ。カオルが寝てるからよかったけど起きてたらカオルにも心配かけたかもね」
「…それは本気でごめんなさいだな…。けど近かったしまさか裏山に誰かいるなんて考えてなかったんだ」
「まあそうね。それは私も悪かったわ。ちゃんと説明すればよかったし」
「次からは一言言うよ。気を付けるよ」
「そうしてちょうだい」
しばらく沈黙。二人して月を見上げる。
ルーミアは暑そうに寝ているが時々カオルの周りにやたらひんやり涼しい風が吹いているからかカオルはあまり暑そうな表情ではなかった。
ルーミアがカオルにひっついて快適そうな顔をする。
これバレたらどう説明しよう。
「やっぱりただの光を操る魔法使いじゃないわね……」
「何か言ったか?」
「幻想郷に来て感想は?って言った」
「へ?」
「感想よ。幻想郷の」
「あー、まぁ魔法が使えなかったら今ごろ死んでるなって実感してるところだけど」
「そりゃ幻想郷はそういう場所だからね」
「でもま、楽しいよ」
「そう」
「霊夢こそ、最近やたら外の世界の話聞いてくるようになったな」
「地霊殿で私だけ相槌うつこと多かったじゃない。さとりは心を読むから景色だってイメージできるし」
「こいしやお燐やお空は?」
「なんでか話付いてきてたじゃないの。私だけ分からなかった話もあったけど楽しかった。じゃなんか妖怪に負けた気分だからね」
「めんどくさがりの負けず嫌いだな」
「嬉しいわね。ありがと、それは認めてあげる」
「ほめてねぇからな」
言うと霊夢は笑う。
夜空を見上げ言う。
「問題は残るけど…宴会が終わったら二人は帰すわ」
「…そうか…」
「だから今のうち二人のいる世界の話聞きたいわ。カオルからも聞いたのよ。外の世界は他の世界とも繋がってるって。しかも行き来も出来るって。本当に?。聞いておきたいわ。さとり達にもしてない話とかあるんでしょ?」
時刻は夜中の1時過ぎくらいだというのに霊夢がやたら楽しそう話してくるので俺は小さく笑った。
「なに?なんで笑ってるのよ」
「いや。じゃあ霊夢、来るか?」
「…??」
「難しいだろうけど、もし俺達の世界に来れるなら来るか?遊びに。案内とかしてやれるだろうし」
「…………」
「霊夢??」
数秒の間があったと思うと霊夢は静かに口を開く。
「それはできないわね」
「そうか。仕方ないな」
「そう。仕方ないってかそんなことしたらいろいろ困るわよ。だいたい私は話が聞きたいって言ったのに来るか?は変じゃない」
「それもそうだな」
「そうよ。さ、龍太さんも寝なさい。私はまだ寝たいんだから。起きたら神社の掃除と部屋の片付けしてもらうんだからね」
俺は霊夢に押されながら部屋に戻り、布団にもぐる。
「わかったわかった。…んじゃおやすみな」
「ん、おやすみ」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
今回は旧作の登場人物がでてきてくれました。
旧作の存在を知って一度出してみたいと考えました。
また登場させるかもしれません。
今回はルーミアと霊夢の関係、もしくは関連性についてちょっと物語に考察として書いてみました。
ルーミアは闇を操る妖怪なのですが、頭についてるのはリボンではなくお札だだそうです。自分では触れないらしいのですがこれはルーミアの力を封印札なのでは?と考えています。
あくまでも予想ですが霊夢とルーミアは昔何かあったと考えています。
そもそもルーミアの力を妖怪として例えると空亡という反応が多かったことを元に考えて考察しています。
空亡とは百鬼夜行の終わり現れる強大な妖として描かれています。
つまり日の出を象徴する闇です。
しかし空亡は妖怪!いや自然現象だ!という議論されることも多く、かなり異質な扱いを受けています。この異質さが妖として産まれる材料にもなりますのでこれらの材料が空亡という妖になりうることもあると考えています。
俺と私の交換日誌×東方projectでは様々な考察をしています。
今回もその類いになりました。
それがルーミアと霊夢の関連性です。
つまり、力の封印される前のルーミアと霊夢に何かあるのでは?という考えを持って書きました。
まぁあくまでも予想の考察ですけどね。
公式では特に記載がないのが実にもどかしいところですけどね。
では今回はここまでです
次回は4章act2になります!
ここまで読んでくれてありがとうございました!