3章act2 弟子を取る気はないですか?
こんばんはおはようございますこんにちは
3章act2になります。
8月はもう終わります。
夏休みだった学校はそろそろ始業式でしょうか。
今年は短いそうですね。
「はぁ~」
俺はため息をついていた。
地霊殿へ向かうために準備をしていた。
とりあえずあの後、ちょっと散歩してくると言って俺はここに来ていた。
「別に大丈夫じゃないの?。あなたは読まれるかもしれないけど、カオルが読まれないなら読まれないで」
「いやまぁ幽々子の言う通りなんだがな…」
白玉楼である。
「でもカオルが戦えるならいつかはばれるのか~」
途中ルーミアに会い一緒に来た。
「そのいつかは明日じゃ困るんだよなぁ…」
「どうにかするしかないけど霊夢まで一緒だもんねぇ」
「多分霊夢はわかってくれると思うけど」
俺はカオルに話すこともそうだがとりあえず相談は多いほうがいいということで白玉楼に来たのだ。
ルーミアには最初に会ったときに話してしまったのでバレているから仕方ない。
妖夢は出かけているとのことだった。
幸いだったかもしれない。
悪いことをしてしまったという気まずさが残っていたからだ。
「でもよかったわ」
「何が?」
「妖夢があなた達を探してたのよ。帰ってくるまで待っててもらっていいかしら」
「え?探してた?…まあいいが」
「そう。今日カオルは?」
「アリスん家行ってるらしい」
「あら魔法の森に」
「うん」
「ルーミアも龍太と待つのか~」
「いいわよぉ~」
その間、俺達は心を読まれてもいい対策を考え話しあっていた。
「ただいま戻りました幽々子様」
ガララと玄関が開く音がした。
「あら?帰ってきたわね。妖夢~お客が来てるわよー」
「お客??いったい誰が…あ」
と言って妖夢の言葉が止まった。
ルーミアを一瞥。まだいい。
俺を見た。固まった。
「お、おじゃましてます」
「………。いらっしゃいませ」
「……」
「……」
気まずい。
幽々子はそんな俺達を楽しそうに眺めていた。
「お茶」
「え?」
「お茶のお代わり今持ってきますね」
「あ、あぁ。ありがとう」
言って妖夢は部屋を出る。
「やっぱり気まずいの?」
「まぁそうだな」
「喧嘩したなら仲直りすればいいのか~」
「喧嘩かこれは…?いやそんな簡単に?そもそもあの時俺、妖夢に思ったから言ったって言ったんだぞ」
「そうねぇ。でも妖夢のためだったんでしょう」
「あぁ」
「だったら気まずくなる必要はあるの?」
「ない、けども…仲直りは悪くないかもしれない」
言うとルーミアは笑顔になった。
いつまでもこの状態なのは何か嫌だしな。
「お茶持ってきましたよ」
妖夢がお茶とお菓子を持ってきていた。
主に幽々子とルーミアの分だろう。
二人はお菓子に手を伸ばす。
「妖夢~龍太が二人で話したいって言ってたのか~」
「言い方に語弊があるからやめて!?」
思わずツッコンでしまった。
「え…?龍太さんが?」
と妖夢は俺を見た。
俺は幽々子に助けを求める視線を送ったが頑張って~という感じ。ルーミアはお菓子にしか目がいってなかった。
「……ああ、まあ。うん話があってきたんだ」
「そ、そうですか…。あの幽々子様」
「いいわよ~」
「わかりました。その…でしたら庭で話しましょうか」
「わ、わかった」
俺と妖夢は庭の木陰のある椅子に腰かける。
俺はここに相談を持ってきた話をしていた。
「って感じなんだ」
「戦えることを隠す、ですか」
「あぁ。といってもしばらくはだよ」
「…いつかはバレてもいいと?」
「まぁ、な。でも今はバレちゃまずい気がしてな。
少なくとも宴会終わって帰るってころまではバレたくないな」
「ほぼ最後までですね」
「ははは…」
「でも隠すんですか?カオルさんあんなに強いのに」
「あんなに強いのに…って妖夢。戦ったのは俺だろ?」
「たしかにそうなんですけど、抜けなかったんです」
「?。抜けなかった?何を?」
「刀です。最初にあなた方を見た時です。私は二人を雰囲気で外来人だとわかりました。でももしかしたらここを荒らす不届き者かもしれない。そう思って刀に手をかけようとしました。だけど…あの目」
「目?」
「はい。カオルさんの目を見た瞬間、美しいと感じました。そしたら抜けなくなったんです。刀を抜いた瞬間、私は消されると感じるくらいに。だから幽々子様が練習の決闘をしようと言った時」
「俺を指命したんだな」
美しい故の怖さってやつだろうか。
「はい」
「なるほどな。う……」
「ど、どうしました?」
「いや…うん」
俺はその時のことを思いだし妖夢を見た。
「…………」
「な、なんですか…?」
あああ…ええい!言ったらスッキリする!
「な……」
「…な?」
「……仲直りがしたい、です」
「え?」
カオルと喧嘩することはたまにはあった。
でも恋人だから喧嘩をしたという感じで仲直りだってちゃんとできた。
でもこういう友達ではないかもだがみたいな感じの人と仲直りの仕方を俺はあまり知らない。
だけど言わなきゃならない。言わなければ伝わらない。
「あの時、わざと妖夢を傷つけるようなことを言った。言った言葉は本心だ。妖夢は伸びる。なのに妖夢の爺さんは途中でいなくなったんだから、そりゃ思う。爺さんは無責任な人だと。でも妖夢を傷つけたことは悪いとずっと考えていた。だからちゃんと仲直りをしようと思って妖夢に会いに、ここに来たんだ。だから………あの時はごめん」
実際は覚対策にと思って相談に来たはずなのに、心のどこかで妖夢にこの言葉を言いたかったんだなと自覚した。
俺は妖夢の言葉を待った。
彼女は何を思い、考えるのか。
俺を見て口を開いた。
「……。仕方のない人ですね。いいですよもう。仲直り、しましょう」
その言葉を聞けてホッと荷が下りた気がした。
「ありがとう」
「はい。どういたしまして。
私からもいいですか?」
「ああいいよ」
もうなんでもこいや~という感じだった。
「弟子を取る気はないですか?」
「へ?弟子?」
斜め上すぎる妖夢の言葉に俺は疑問符を浮かべた。
「弟子です」
「俺ら幻想郷、明日明後日じゃないけど帰る身だぞ」
「その間だけでいいんです」
俺は考える。カオルならなんて言うか。
まあどんな答えでも納得してくれるか。
「弟子ってもしかして」
「はい。私です」
「………」
妖夢の目は、至って真剣だった。その目はどこかカオルと似ていた。
俺は何かがわかった。確証があったわけじゃない。
あの時、妖夢と戦った後に俺はカオル、幽々子の三人で話をした。
その時、妖夢はそばにいたんじゃないだろうか。
証拠としてカオルと幽々子は笑っていた。
もしかしたらだが、そうだったのかもしれない。
「そういうことだったんだな」
「何がですか?」
俺は小さく笑う。
「いいや。弟子だな。いいよ。俺とカオルが師匠になろう」
「え。ほんとですか?」
「あぁ」
こうして幻想郷にいる間だけ、俺とカオルは妖夢の師匠となった。
「龍太達遅いのだ~」
「そうね」
「そろそろ呼びに行く~?」
とルーミアが言った時だ。
ボゥン!と敷地内で小さな爆発が起きた。
「??。行ってみましょうか」
「わかったのだ~」
二人は爆発源に向かう。
「これは…」
「妖夢!動きに隙がある。必ずしも相手は剣士じゃない、妖怪、怪物、人間、化け物かもしれない。常に考えることを忘れるな」
「は、はい!」
刀と光の輝きがぶつかっていた。
「ハァッ!」
「くっ!まだです!」
二人はどことなく楽しそうだったのかーと後にルーミアが教えてくれた。
「龍太はいったい何をしにきたのか~」
「さあね。何をしにきたのかしらね」
ルーミアと幽々子は嬉しそうに呟いた。
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「ってことになったカオル」
「わかった。じゃあわたしも妖夢ちゃんを鍛練するね」
帰り、俺はカオルと会い一緒に神社に戻っていた。
「結局覚だっけ?どうにかなるの?」
「多分カオルは読まれないだろうからな。ばれたらばれただ」
「そっか。わたしもそれでいいと思う。わたしとしては妖夢ちゃんと龍太くんが仲直りしてくれたことが嬉しいからそれでいいよ」
「ああ、ありがとう。いつも助かるよ」
「わたしだって龍太くんがいなかったらきっと大変だったよ。ありがとう」
「カオル……。ありがとう大好きだ。一緒にここに来れてよかったよ」
「うん、わたしも…大好き。二人きりの冒険はまだまだ続くよ。どこまでも」
「あぁどこまでも」
俺とカオルは唇を触れあわすその時、
「ちょっと」
「「うッヒョああああぁぁぁぉぉっ!?」」
俺とカオルは叫んだ。
そばには霊夢がいた。
「れ、霊夢ぅぅぁ?。いたのか。いつから」
「龍太さんが死にたくなるところからかもねぇ」
「うごうごぉお…」
「まったく。油断も隙もない。暑いのに熱いんだから…。外でもそんな熱いわけ?」
「いやぁそんなにはぁ?」
「あつくぅ?ないよぉ?」
「はいはい。ごちそうさま。とりあえずご飯にしましょうか」
「あ、ああ、そうだな。っと、ただいま霊夢」
「霊夢ちゃん、ただいま~」
言うと霊夢は小さく笑った。
「おかえりなさいカオル。龍太さん」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
今回もかなりほのぼのした展開になりました。
主人公達が弟子を取るという話ですね。
次回は、3章act3になります。
今回はここまでです!
ここまで読んでくれてありがとうございました!