3章 鬼の来客
こんばんはおはようございますこんにちは
3章始まりです。
8月下旬になりましたね
「暑い~…」
「暑いばかり言ってると暑くなるぞ」
「わかってるわよ」
「アイスとか作れたらなぁ」
「アイス?」
「氷菓子ってやつ」
「あぁ~いいわね」
って言うのが俺と霊夢の会話だ。
ちなみにカオルは今日は魔理沙と一緒にアリスの家に行くとのこと。
「幻想郷じゃ作れないの?」
「どうだろ、氷を操る誰かがいればあるいはだが」
「へぇ~なら今度捕まえるわね」
「え?あぁ」
捕まえる?。
俺はというと久しぶりにゆっくり出来ていた。
これまで拉致やら迷子やら戦闘ばかりで疲労がたまっていたからだ。
幻想郷のみんなと話したりするのは楽しいのだが。
縁側で身体を倒す。
「龍太さん疲れてるの?」
「ん、まあな」
「そう。幻想郷の連中が迷惑かけて悪いわね」
「いいよ。迷惑だとかは思ってないしな」
「そう」
「あぁ。そういえば霊夢って一人っ子なのか」
「何よ突然」
「いやフランやレミリアやこいしとかと会って思っただけ」
「ふうん。私は一人っ子よ。少なくとも傍に家族はいないわね」
「へぇ」
「…家族はいない。けど私が継いだ博麗ならいた」
「先代ってやつか」
「そ。名前も知らない先代」
「なんかむなしいな」
「かもね。仕事ばっかりしてたみたいだから巫女しか覚えられなかったんだわ」
「結界が張られて120年だったけな」
「そうよ。嫌に詳しいわね」
「調べたんだよ」
「そりゃご苦労なことね」
「霊夢からしたら興味はないだろうけどな。120年って言ったら明治時代とかその時間まで遡るんだ」
「明治?そうね。そんで?」
「幻想郷がここまで来るのに例えば…咲夜から聞いたがスペルカードルールって言うんだったか。それができるまでいったい何があったか。妖怪や巫女、ここに住む人達、そして外から迷い込む外来人。それらを含めて考えると幻想郷の簡単な歴史だが分かるんだ」
「へぇ~やるじゃない」
霊夢が初めて興味の目を見せた。
「ってことで聞くんだが外来人の骨ってどこに埋葬してるんだ?」
「無縁塚」
意外にもあっさり答えてくれた。話題に興が乗っているんだろう。
「そこに一ヶ所に集めてるわけか」
「そうよ。それでそれを知って何がわかるわけ?」
「博麗巫女が今何代目かが大まかにわかる」
「………………」
「??。どうした?」
「あなたを今少しこわいと感じたわ」
「あぁごめん」
「いや別に謝ることじゃないけど。龍太さんの世界の人間ってみんなこんなんなわけ?」
「カオルを見てもそう思うか?」
「…あまり思わない。でも少し思うわ」
「やっぱり昨日のか?」
「そう。こいしの第三の目、一瞬だけど開いたじゃない」
「さぁ…どうだったかな」
「あくまでも誤魔化す気ね?。いいけどね。そうしたほうが良い気がしたし」
「なんで?」
「勘よ」
「勘かよ」
「勘よ。宴会の準備ぼちぼちと始めないといけないわね」
「今日やるのか?」
「来週になったのよ。幻想郷中にもう広がっただろうから。二人を見に来る妖怪も多いだろうし。まぁ楽しみにしておきなさい。龍太さんとカオルの歓迎会でもあるんだから」
「か、歓迎会?」
「何?不満?」
「いや嬉しいよ。嬉しいが来週まで紫って賢者が来たら」
「来ないわ」
「…はい?」
「来ないわよ。普段からどこで何をしてるかわからないやつだけど来ないわよ」
「それも勘か?」
「勘よ。ハズレてほしい勘だけど」
「たしかにハズレてほしい勘だな」
知り合って話すようになってまだ間もないが霊夢の勘はなぜだか高確率で当たる気がした。
元々直感力や頭の回転が早いのかもしれないな。
霊夢と紫がいないと帰れないからだ。
もしかしてそれまでずっと俺達はここに?。
一抹な不安。だが
「その時は私だけであなた達を帰すから安心しなさい」
「え?」
「え?って当たり前じゃない。特例として帰すのよ。色々問題残るけどそれだけよ」
そう言った霊夢の表情はなぜか痛そうに見えた。
問題が残ることが嫌なのか。
それともまた別の問題か。
「そうか」
「そ」
といつの間にかいつもの表情だ。
気のせいだったかもしれない。
「霊夢~」
と誰かがやってきた。
「萃香じゃない。どしたの」
「外来人が来てるんだろ~」
「来てるわ。あ、言っとくけど食わせないわよ」
「え~…」
「えーと霊夢」
「あ、龍太さんごめん。こいつは伊吹萃香。鬼族で旧地獄に住んでんだけど時々遊びに来るのよ」
「ほー鬼族か」
「そうだよ鬼の伊吹萃香だ。お前を食いに来たんだ外来人」
萃香は酒の入った入れ物、瓢箪を振りながら言った。
「え~…」
「なんだそのめんどくさそうなの顔は~」
「なぁ霊夢、鬼族から食われないようにするにはどうしたらいい?」
「コイツに勝てばいいわ」
「勝って実力を見せればいいのか」
「あたしに勝つだと?人間と鬼の違いは大きいぞ」
「って言われてるけど龍太さん」
「いや言われてもな…」
「龍太さん戦えるんでしょ。せっかくだからどう戦うか見せてよ」
「どうするよ外来人。お前は私に食われるか戦うしか選択肢はないぞ~」
「…わかった。一回限りな。負けたら好きにしろ。ただし勝ったら今後は鬼族は俺らを狙うなよ」
「おおいいぜぇ~どうせあたしが勝つからな」
霊夢は軽くそわそわした面持ちで俺と萃香のやり取りを見ていた。
20分後。
「うっぷ。吐きそう…」
と言ったのは地面に突っ伏した萃香だった。
「これ龍太さんの勝ちね。まさか鬼にそんなことが有効だなんてね。私も参考にしようかしら」
霊夢がそんなことを呟いた。
「おっぷ。あたしが人間に負けるなんて」
「"世界"は広いんだよ。本当にな」
俺がやったのは『鬼退治』だ。
かつて酒呑童子は五角形の家紋を持った陰陽師にやられたという逸話があったのを知っている。
俺はそれを魔術に応用し萃香に使ったのだ。
効果は絶大である。
「あー萃香。勝敗だが…」
「あたしの負けだ。二言はない。鬼は嘘をつかない」
と言って俺と萃香の勝負は終わった。
今回は相性がよかったな。
これが鬼は鬼でも吸血鬼のレミリアが相手だったらヤバかったかもな。文化圏が違うし。
「でだ人間。えーっと」
「ああ。巫凪龍太だ」
「あたしは伊吹萃香。実はもう1つ用事があってきたんだよ」
「用事?むしろそっちが本題だったんじゃないの?」
「まあうん。そうなんだよね」
「それで用事ってのは?」
「龍太達を地霊殿に招待したいと古明地さとりから」
俺と霊夢は互いに顔を見合わせる。
「地霊殿ってこいしのか?」
「うん。もう会ったの?」
「あぁ。会った。近々顔を出すよって話もした」
「それなら都合がいいや。わざわざ伝えるまでもなかったんだね。じゃああたしは帰るよ。じゃあね霊夢。龍太」
と言って萃香は帰っていった。
何しに来たんだほんと。
「地霊殿って旧地獄だったけ?」
「そうよ。ほんとにいくの?」
「あぁまあな」
「龍太さんには対応できる力があるけどカオルが心配なのよね」
「まぁそうだな。危険なのか?」
「危険ね」
カオルは戦えるけど、戦えないということにしているからな。
「ちなみに正確には旧都って言うのよ」
昔は地獄の一部だった場所。「旧地獄」とも呼ばれる。地獄の繁華街だったが地獄のスリム化により切り捨てられた。地下だが冬には雪が降る。移り住んだ鬼たちが、忌み嫌われた能力を持つ妖怪を受け入れて地底都市を巨大なものへと築き上げ、鬼たちの楽園になっている。地獄だった頃の施設には、いまだに地獄に落とされた者たちの怨霊が残されている。
地上の妖怪たちが地底都市を認める条件として、地上の妖怪を地底都市に入り込ませない代わりに鬼は旧地獄の怨霊を封じる、という約束が地上の妖怪の賢者である八雲紫と地底の鬼たちの間で交わされている。
「これが旧地獄よ」
「ほー地霊殿ってのは?」
「地霊殿は」
旧地獄の中心にある灼熱地獄跡の上に建てられた館。中庭に灼熱地獄跡に通じる穴がある。灼熱地獄跡の怨霊の管理を任されている古明地さとりが住んでおり、地獄に住む動物たちがさとりのペットとして怨霊の管理や別のペットの世話などをおこなっている。お燐や霊烏路空のように長い年月をかけて妖怪化しているペットも存在する。
「わかった?」
「あぁ。ありがとう。とりあえず人間が行くには危険ってことだよな。まぁもしヤバかったら俺だけでも行って」
「じゃあカオルは私が護衛してあげるわ」
「は…?」
「それなら一緒に行けるわよね?」
「…いやまぁ。…霊夢ってめんどくさがりなやつかと思ったんだが」
「私も思ったわそれ。でも思ったよりここにいても暇だし。たまには幻想郷の巫女らしいことするとするわ」
霊夢は笑って言った。
「わかった。でも無理はしないでくれよ」
霊夢は俺の言葉をどう受け取ったのかコクリと頷いた。
しかし俺は思考していた。
カオルを覚なる元へ連れて行っていいものかと。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
主人公はだらだらと神社で過ごす感じになりました。
物語を書いて思いますが何かしらの紹介がいるかも思ったらこちらでも後々書かせていただくかもしれません。
次回は3章act2になります!
ここまで読んでくれてありがとうございました!