秘封倶楽部プロローグ
東方projectとオレワタのコラボ作品となります。
季節が重なる始まりでよかったと思います。
まずは秘封倶楽部の彼女達からの物語です。
「ねえ蓮子知ってる?」
「もっちろんだって!メリー。一万年単位の周期でみられる流星群とそして重なる彗星」
「蛇の遣いがまるで星々を注ぐように降り注ぐ」
「蛇遣い座流星群と彗星」
「まさか生きてる間に見られるなんて思わなかったね」
「メリーの書物にあった流星群かー。言い伝えかと思ってた」
「でも実際にテレビで取り上げられたもの」
「だね!楽しみー!見る場所手配してあるんだっけ」
「うん。蓮子がすぐに場所取りしようって言ってくれなかったらきっと大変だったわね」
ここは日本の都市京都。
昔は東京が都市だったのだけど発展と共に京都が栄えていき京都が都市になった。
幻想《妖怪、神々、信仰、空想、お伽噺》が過ぎ去り、神々の存在が消えた国。
世界は非科学的なことを排除してしまった。
でも私達、秘封倶楽部は知っている。
こことは違う世界で、そういう存在がいることを。幻想郷を。
もしかしたらこの世界でもなく幻想郷でもない"別の世界線"ではそういう存在と共存しているのかもしれない。
なんてね?。
「そうそう!早めに言ってよかったわ!今の時間帯でも流星群は見えないけど彗星は見えるみたいよ」
「え?そうなの!?蓮子」
「そうなの!でも本格的に見えるのはちょっと先っぽいよ」
「なんだ。実はまだってことね。それにしても蛇遣い座か」
「蛇遣い座と言えば星座よねメリー。八十八ある数多な星座の中で私達の知る限り有名な星座はやっぱり十二星座」
「うん。針の冠を持つ蠍座」
「鋏の冠を持つ蟹座。水の冠を持つ魚座に」
「夢の冠を持つ山羊座。そして堅の冠を水瓶座。あと王の冠を持つ獅子座」
「処女の冠を持つ乙女座。双の冠を持つ双子座。あとは弓の冠を持つ射手座」
「激の冠を持つ牡牛座。生命の冠を持つ牡羊座」
「最後に圧力の冠を持つ天秤座」
「そしてその中心が」
「「蛇遣い座!」」
私達は同時に言い笑い合う。
「えぇ~でもこれメリーほんとなの~?」
「どうやらほんとみたいよ蓮子」
「いやまあ書物通りならそうなんだろうけど一万年単位の星座蛇遣い座が、十二星座の中心なんてよくわかったわね」
蓮子は空を見上げる。
「私も半信半疑だったけどテレビであんなに堂々とやられちゃったら認めないといけないわね」
「ま、そういうことなら認めてあげようじゃないかね」
私は「もう蓮子、上から目線よ」といって笑い蓮子に倣って空を見る。
……あれ?なんで?
「メリー?」
なんでかな?どうして?
私は空を見ただけなのに。
「ちょっメリー?どうしたの?」
なんで…?
「メリー!!」
ああ…蓮子。
私は手を伸ばそうとする。
でも届かない。
「メリー!!」
「ッ!!」
蓮子が私の手を握ってくれた。
まるで私を守るように暖かった。
「蓮子…?」
私の意識は戻ってきた。
「??。うん。蓮子よ。メリー大丈夫?」
「えぇ。大丈夫よ」
「なら良いけど。空見たと思ったらいきなり焦点飛んでるんだもん。…もしかして境界のスキマが?」
私は「うん多分」と言って「でも」と続ける。
「何か変だったわ…」
「どういうこと?」
「うーん、ごめん。ちょっと説明が」
そう言うと蓮子は私の頭をクシャクシャ撫でた。
「よいよい。まぁわかるようになったら教えてよ」
「うん。もちろん」
「じゃあ景気付けで私がケーキ奢ったげる」
「え?いいの?じゃあどれにしようかな」
私と蓮子はいつものように会話に花を咲かせた。
それにしてもアレはなんだったのだろう。
言葉に表すのがとても難しいけれど、でもなぜだろう。
私には分かる。
境界が悲鳴をあげたことがどうしてわかるのだろう。
秘封倶楽部プロローグend
次回は幻想郷プロローグとなります。
今回はここまでです。
ここまで読んでくれてありがとうございました