第4通 戦い
「とはいえあそこまで大きいとなると、流石に苦戦しそうね・・・」
「他に武器持ってないのか?あれば俺も協力できるんだが」
「この世界の戦闘はゲームとはまるで違うからやめた方がいいわ、見ず知らずの人でも無駄死にはさせたくないもの」
「それじゃ、お言葉に甘えとくよ」
そう言って俺は向こうの木の影に隠れた
別に怖かったとかじゃない、決して
決してないんだけどここはあいつの言うことも聞いてあげようと思っただけです
勘違いしないで欲しいかな
俺らが会話しているのを察して待っていてくれたハウンドドッグも、流石に我慢の限界らしくいきなり仕掛けてきた
それに反応して剣で防御
いい反射神経だ
こちらの世界にも交戦状態というものがあるらしく、ハウンドドッグが仕掛けてきた瞬間あいつの頭上に「交戦状態」という文字と名前やHPなどのパラメータが表示された
どうやらあいつはアインズ・ケルベルクと言うらしい
勝手にアインズとでも呼ばせてもらおう
盾で防いだものの、流石にあの速さだ。完全には防げなかったらしく、少しのけぞり、HPも少し減っていた
ハウンドドッグに限らず、このゲームで犬や狼の類であるエネミーは力が低く、そして素早い
レベルがあまり高くないと、一撃も与えられず倒されてしまうことも稀にあるほど、回避が高く、攻撃もよけづらい
さらに身体も大きくなり一撃ごとの威力も上がったわけだからかなり厄介だ
続いて右前脚で攻撃
アインズは左に避け、そのまま右手の剣で一撃、さらに身体を回転させながら左手の剣でもう一撃
かなりのダメージをたたき出した
どうやらアインズの武器は両手剣らしい
それになるほど、これならアインズが俺が戦うのを拒む理由がわかる
本来ユニオン テイルはRPGなのでただのコマンドバトルだが、この世界ではその概念がないらしくアクションゲームに近い
それにボタンをおしてキャラクターを動かすのではなく、実際に自分で動き戦っている
そのためここまで大きく強いエネミーと戦うとなると実践を重ね、身体に覚えさせる必要があるのだろう
アインズの攻撃力はそんなに高くないのだが、それ以上にハウンドドッグをも上回る速さと小回りの聞く軽い両手剣で連撃をいれ、かなり押している
ハウンドドッグのHPは残り少しとなり勝利は目に見えていたかのように思えたが、アインズには何か違和感があった






