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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-19 作戦会議2

 フィーネの呼びかけにより今回死の森の調査依頼を受けていた胡桃、ロイ、フィーネを含めた冒険者七人が宿屋『花鳥風月』の一階に集まっていた。


 拓海は二階から降りてきた冒険者達の邪魔にならないよう仁の側に立っていた。


 七人が揃うと黒いローブを着た、どこか見覚えがある男が話し始めた。



「それで、ロイ。フィーネに聞いたが大事な話とはなんだ?」



 ロイは男に問われ真剣な表情で話し始めた。



「ハッ! 今日『黒の流星』と、緊急事態で特別にそこにいる桐生拓海と森の調査を行った時のことです」



 ロイの言葉で皆の視線が拓海に集まった。突然集まった視線に拓海は咄嗟にしゃべる内容が思い浮かばず、軽く会釈した。


 黒ローブの男は拓海を一瞥してから、すぐロイに向き直った。



「今はその緊急事態というのは置いておこうか。それに彼の様子を見るとそれはもう解決したんだろ? とりあえず今日の調査で起きた事を話せ」



 ロイは黒ローブの男の言葉に黙って頷くと、今日の調査で遭遇したゴブリンロードについて話し始めた。ゴブリンロードが三体いたという事態に集まった冒険者達は皆表情を曇らせていた。



「あ、そういえば今回いたゴブリンロードは何かおかしかったよ。全員気配を絶つ恐らく闇魔法を使ってたと思うよ。かなり近くにいたのに、攻撃し始めるまで全然気づかなかったしさ」



 すると、胡桃の言葉に今回依頼を受けた冒険者の男の獣人が疑問を示した。



「ちょっと待て。ゴブリンロードの群れというのも珍しいのに、闇魔法を使うだと? 闇魔法を使うゴブリンロードなど聞いたことないぞ」



 黒ローブの男はしばらく黙って一人考えていると、話がまとまったのか六人に向かって話し始めた。



「今回の件はもしかしたら、俺達だけでは危険かもしれん。まだゴブリンロードがいるかもしれないからな……。一度モーガンに報告して、援軍を頼もうと思うが、異論はないか?」



 黒ローブの男は自分の言葉に誰も異論がないのを確認すると、ロイにモーガンに報告するためアストレアに一度戻るように指示した。


 その後、ゴブリンロードが森を出てくるかもしれないのでエンデ村の門番以外に交代で二名ずつ見張りをつけた。


 話し合いが終わると、黒のローブを着た男とロイと同じアストレア聖騎士団の鎧を着た女が近づいてきた。



「君が拓海君か……。モーガンから聞いていたよ。頭の回転が速くて、戦闘センスも中々だってボヤいてたぞ」



 黒ローブの男がそう笑いながら話していると隣に立っていた騎士団の女が拓海を上から下まで見てそっぽを向いた。



「見た目はそんな感じはしないですけどね。本当に強いんですか? この人」



 初対面で失礼な女だなと思いながらも拓海は黙っていると、黒ローブの男が騎士団の女に注意をした。



「こら、シルフィ。人は見た目で判断するもんじゃないぞ」



 シルフィと呼ばれた女はムスッとして拓海の方を睨んだ。



「モーガン副騎士団長とロイはあなたを随分評価しているようですが、私は認めませんからね!」



 そう吐き捨てて、黒ローブの男に一言「お先に失礼します」と頭を下げてシルフィは二階の自室に戻っていった。


 黒ローブの男はため息をついてシルフィが二階に上がっていくのを確認すると拓海に向き直った。



「すまんね、あんな風だが根は優しい良い部下なんだ。まあ、多目に見てやってくれ」



 拓海は苦笑しながら頷いた。そしてさっきから気になっていたことを聞いた。



「すいません。あの、あなたは一体……」



 拓海の言葉に黒ローブの男はそういえば名乗ってなかったなと呟いて自ら名を名乗った。



「俺はモーガンと同じく、アストレア聖騎士団の副騎士団長をしているアークだ。よろしくな、拓海君」



 その後、拓海は胡桃とフィーネとも合流して今回の件について四人でそれぞれ意見を話したり、雑談を話したりして過ごしたのであった。


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