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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-18 作戦会議1

 拓海が子供二人を連れて宿屋『花鳥風月』に入ると早速子供達はエンデ村に物資を送りに来ていた男達に頭を下げて謝りにいった。


 拓海は少し離れた場所で仁に汲んでもらった水を飲みながら子供達の様子を見ていると背後から誰かに肩を突かれた。拓海が後ろを振り向くと頭にゴーグルを着けた短髪の女性が片手を上げて、拓海を少し見上げるようにして立っていた。



「やっ! 君が拓海君だよね?」



 見覚えのない女性に声をかけられて拓海が戸惑っている様子を見た女性は陽気に笑いながら自己紹介をし始めた。



「誰だこいつって顔してるね〜、私の名前はフィーネ。胡桃ちゃんと同じく今回依頼を受けてたSランク冒険者だよ! よろしくね!」



 拓海は胡桃達の他にもSランク以上の冒険者が何名か来ていたのを思い出した。フィーネは拓海を見てニヤリと笑みを浮かべると拓海を肘でつついた。



「いや〜、拓海君ってあれでしょ? 街で美少女二人連れてイチャイチャしてたんでしょ? 見た目によらず、意外と大胆な性格してるね〜」



 フィーネの言葉に拓海は思わず吹き出した。



「ごほっ、ごほっ……。ちょ、何の話しですか!? それ!?」



 フィーネはニヤニヤしながら話しを続けた。



「やだな〜! 街中で胡桃ちゃんに詰め寄られたり、エルフの子に抱きつかれたりしてたじゃんか! お姉さんはしっかりとこの目で見たぞ!」



 拓海はその状況に身に覚えがあるので何も言い返せなかったが、テンパりながらフィーネの誤解を解こうと必死になっていた。


 拓海のその様子を見たフィーネはますます面白くなって拓海をいじっていた。



「ほらほら〜、拓海君はどっちが好みなの? 言っちゃいなよ〜!」



 笑いながら拓海をいじり続けるフィーネの肩を誰かが叩いた。フィーネが笑いながら後ろを振り返ると胡桃が腕を組んで笑顔で立っていた。



「フィーネさん……。何してるんですか……?」



 目が笑っていない胡桃を見たフィーネは目をそらしながら慌てて話題を逸らした。



「あ、あははは……そ、そういえば二人とも遅かったけど何かあったの?」



 胡桃の後ろから頭の鎧を外しながらロイが深刻そうな顔を浮かべながら歩いてきた。



「ああ、そのことについて急いで話し合いをしたい。皆を集めてくれないか?」



 いつもはふざけているロイの真剣な顔を見たフィーネはさっきまでのふざけていた雰囲気をガラリと変えて黙って頷くと、二階に上がっていった。


 拓海は二人が無事だった事に胸をなで下ろすと、何やら浮かない表情を浮かべた胡桃に話しかけた。



「良かった……。無事だったんだな! でも、他に何かあったのか? 浮かない顔してるし」



 胡桃は拓海の言葉にこくりと頷いた。



「うん、ゴブリンロードが三体いたの……」



 その後、死の森の調査依頼を受けた冒険者達がフィーネの呼びかけにより宿の一階に集まり始めたのだった。

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