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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-12 おとぎ話1

 拓海とアイリスは昼食を食べ終わると、依頼を受けるためギルドの受付に行った。拓海が依頼リストをパラパラとめくってアイリスは隣でリストを覗いている。



(やっぱり討伐系の依頼の量は増えたままか……。しかも皆が討伐系の依頼を受けてないせいで、増えていく一方だな。早く原因がわかるといいんだけど……)



 拓海がそんなことを考えながらリストをめくっていると、隣でリストを覗いていたアイリスが指を指して声をあげた。



「あ、これなんてどうですか?」



 拓海はリストをめくる手を止めて、アイリスが指を指している依頼に目を向けた。



「えーと、これは人探しの依頼か」



 Eランクの依頼で子供二人が行方不明らしい。受付の人に聞くと、どうやらこの依頼はどうやら昨日依頼主から依頼の申請があったらしい。



「これにするか! それにしても子供が行方不明か……。迷子……ってわけでもないのかな?」


「どうなんでしょう?」



 このまま考えているだけでは埒があかないので、二人は依頼主から直接話しを聞こうと依頼主の自宅を訪ねた。家はアストレアの西の城壁の最も近い場所にあり、二階建てだった。


 二人が家に着くと、拓海は家のドアをノックして声をかけた。



「すいませーん。依頼を受けてきた冒険者なんですが、少しお話を伺いたいんですけど」



 しばらくして、家の中から足音が近づいてくるのが分かった。ドアが開くと顔色の優れない女性が出てきた。



「冒険者の方々ですか……。わざわざすいませんね」



 拓海は依頼主の女性の咳き込みながらそう小さく言葉を話した姿に驚いたが、とりあえず女性に立ち話させるのも申し訳ないと考え、家に上がらせてもらい、話を聞くことにした。


 拓海とアイリスは机を挟んで向かい合わせのソファーがある居間に案内された。拓海とアイリスは依頼主の女性と向かい合わせでソファーに座ると早速本題に入った。



「今回の依頼で行方不明となった二人の子供を最後に見たのはいつですか?」



 依頼主の女性は俯きながら答えた。



「昨日の昼頃です……。急に家を飛び出していってしまって、まだ帰ってこないのです……。私も探したのですが、私は今病を患っていまして……。見つけることが出来なかったので、今回冒険者さんに依頼させていただきました……」



 その後、拓海とアイリスは依頼主から子供の特徴を聞いて二人は早速アストレアを捜索することにした。



「俺は西と北側を探してみるからアイリスは東と北側を頼む」



 しかし、拓海とアイリスしばらく色々な場所で探し続けてみたが子供達の足取りはつかめなかった。



「酒場とか、商人にも見かけたか聞いてみたんだけどな……」


「誰も見ていないっていうのが気になりますね……」



 二人は今のままでは手詰まりだったので、何かもっと情報がないか再び依頼主の家に向かうのだった。


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