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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-9 集い始める者達


「…………ん……ふぁああ……もう朝か」


 部屋に取りつけられた時計を確認して拓海はベットから起きて顔を洗った。



(今日はエンデ村で少しゆっくりしてから、アイリスとアストレアに帰るか……)



 顔を洗った拓海は約束している時間より少し早いが、着替えてから胡桃とアイリスの二人と合流して朝食をとりに一階に向かった。



「あれ? もしかして……」



 一階に降りた拓海の視界には見覚えのある銀髪後姿の男がアイリスと話しをしていた。とりあえず拓海は先に来ていたアイリスのもとに向かった。アイリスは拓海に気づくと頭を下げて挨拶をしてきた。



「あ、拓海さん! おはようございます!」


「おはよ、アイリス。あと、ロイだよな?」



 男は拓海の方に振り返ってにやりと笑った。



「おう! 久しぶりだな拓海! ちょいとアイリスちゃんとお話させてもらってたぜ」



 ロイとは前に一度、模擬決闘をしてから一緒に御飯を食べたり、共に剣術の腕を磨いたりと何かと交流があったのだ。この世界で拓海にとっては少し年は離れているが初めての男友達でもある。


 相変わらずのロイに拓海は息を吐くと、アイリスの様子を一瞥した。



「アイリスを口説いてあんまり困らせるなよ。うちの大事な仲間なんだからさ」



 拓海の言葉にロイは「はいはい、分かってるって」と言うとアイリスの方を見て、小声で囁いた。



「よかったな! 大事な人だってさ!」



 ロイの言葉にアイリスは顔を赤くして俯いた。拓海はアイリスにロイが何を言ったのかわからなかったが、とりあえず三人は四人掛けのテーブル席に座った。



「そういや、ロイがここにいるってことは依頼か?」


「あぁ、そうだぞ。俺の他にも依頼を受けたメンバーは今日、明日くらいには全員集まるんじゃないかな? 拓海達は胡桃ちゃんの付き添いか?」



 拓海がまあそんなところだと返してから三人は仁に朝食を注文して雑談をしていると、ふらふらと歩く胡桃が拓海の視界に入った。



「胡桃、こっちだぞ!」



 拓海の声に反応した胡桃はこちらに向かって目をこすりながらゆっくりと歩いてきた。



「ん〜おはよ〜二人とも……。あれ? この銀髪の人は……って、ロイさん!?」



 ロイは胡桃の寝ぼけた姿に少し驚きながらも笑って答えた。



「胡桃ちゃんも依頼受けたらしいな! 改めてよろしくな!」



 それから四人で朝食をとり、しばらく雑談をしてから拓海とアイリスは荷物をまとめるために部屋に戻った。



(まさか、ロイも依頼を受けていたなんてなぁ……。まあ、騎士団の人が受けてても不思議じゃないか)



 拓海が荷物をまとめてエンデ村を発つため一階に降りると普段からテキパキとしているアイリスがすでに一階で待っていた。



「お待たせ! それじゃ、そろそろ行くわ。二人とも依頼頑張って!」



 拓海とアイリスは胡桃とロイに見送りをしてもらいながらアストレアに戻るため、エンデ村を出発したのだった。


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