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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-8 宿屋『花鳥風月』再び2


「こんばんは〜」


 拓海達三人は宿屋『花鳥風月』に入ると前に来た時同様に、カウンター席の奥で仁が物の整理をしていた。


 時間が遅かったので見たところ村人はいなかった。拓海の声に気づいた仁は手を止めてこちらを振り返り、三人を一瞥してから声をかけた。



「こんばんは。拓海君と胡桃さんは久しぶりですね。おや、そこのエルフの女性は拓海君達の仲間ですか?」


「あ、初めまして。アイリスと申します……。えっと、拓海さんと胡桃さんとパーティーを組んでます! よろしくお願いします!」



 仁はアイリスのたどたどしい姿に微笑んで一つ頷くと三人に声をかけた。



「胡桃さんは今日は依頼の件で来たと思うのですがお二人はどうしたんですか?」


「いや、あの時から顔を出せてなかったから生存報告とお礼を言いに来たんですよ」



 そう拓海が言い、エンデ村を出てから拓海が経験した出来事などを話したりしながら四人で雑談を交わした。


 拓海達三人はしばらくして、夜御飯も食べ終わると仁がそろそろ仕事の残りがあると思いそれぞれ二階の部屋に行こうとすると仁が拓海にそっと声をかけた。



「しばらくしたら、一人でまたここに来て下さい。少し話したいことがあります……」



 何ごとかと思いつつ、拓海は頷くと三人は部屋に戻っていった。


 胡桃とアイリスにまた明日の朝に一階に集合と決めて、拓海は自分の部屋に入った。



(仁さんが俺に話? 胡桃とアイリスの前では話せないようなことなのかな……。何だろ?)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 部屋に入って荷物の整理などして三十分くらいが経つと拓海は仁に会うため、一階に降りた。


 仁はまだ色々作業をしていたが、拓海は近づいて声をかけた。



「仁さん、話って何ですか?」



 拓海が声をかけると、仁は手を止めて拓海をテーブル席に呼んで向かい合うように座った。



「拓海君と今日会ってから気になることがあってですね……。その様子を見ているとやはり気づいてないようですね……」



 思い当たる節がない拓海は首を傾げ仁に聞き返した。



「気づいてない? 俺って何かやってましたか?」



 仁は腕を組んで少し考えながら話し始めた。



「ふむ……自ら欲して手に入れた強大な力というものは正しく使わなければ身を滅ぼし、最悪死に至ります。君はそのことを頭の片隅にでも覚えておいて下さい。まあ、年長者からのアドバイスですよ……」



 仁はそれだけを拓海に伝えると、作業に戻っていった。何故このタイミングで自分にこの話をわざわざ一人の時に言うのか仁の意図が理解出来ないまま拓海は部屋に戻ってベットに突っ伏した。



(駄目だ……。仁さんが何故あんなアドバイスを急にしてきたかわからん……)



 考えれば考えるほどわからなくなった拓海はベットに突っ伏してそのまま眠りに落ちるのだった。

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