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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-4 三人

 それから、悩んだ末に胡桃はもう一度詳しく話しを聞いてくると言ってギルドの受付に行き、アイリスは新調した防具を鍛冶屋に受け取りに行った。


 そして残された拓海は気になることがあったのでアストレア聖騎士団の訓練場に向かっていた。



(いるかな……ってあれは)



 拓海はエレベーターで訓練場があるフロアまで上がると久しぶりにある男と鉢合わせた。



「お、久しぶりだね拓海君」


「お久しぶりです! ルークさん」



 笑みを浮かべてひらひらと手を振る銀髪の白衣を着た男は、アストレア城で働いているらしい研究員で名はエル=ルークという。拓海が冒険者登録をした時にお世話になってから、二人は会うと少し話をするようになったのである。


 そしてルークは思い出したかのように拓海に尋ねた。



「最近、君の噂を耳にしたよ。この前三人でSランクのバンダースナッチを討伐したんだっけ?」


「あははは……。最後は満身創痍でしたけどね。何とか討伐して、三人で帰ってこれて良かったです」


「ふむ、三人……ね……」



 ルークは拓海の胸のあたりを目を細め見つめ、笑みを浮かべたままそう呟くと何か思い出したように言った。



「あ、ちょっと今日はこの後に人と会う約束があるからもう行くな。また機会があればゆっくり話そうぜ、三人でな」


「あ、はい! ではまた!」



 その後、拓海は小走りに駆けていくルークを見送ってからしばらくしてルークの最後の言葉の違和感に気づいた。



(あれ? さっきルークさん三人って言ったよな……? えーと……俺とルークさんと……誰だ? あ、俺と胡桃とアイリスの三人ってことか)



 そう自己解釈をすると拓海は気を取り直して再びアストレア聖騎士団の訓練場の真ん中にある建物の副騎士団長の部屋に向かって歩き出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 拓海と別れ、エレベーターに乗っているルークはエレベーターの壁にもたれて一息ついた。



「ふぅ……まだ拓海君は気づいてないのか……。これはまたひと苦労しそうだな……」



 そう呟いたルークの姿は次の瞬間エレベーターから消えていた。


 そして無人のエレベーターがそのまま下の階に降りていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 騎士団員達が鍛錬する様子を眺めながら拓海は副騎士団長の部屋がある建物に着く前に、休憩中の騎士団の一人を見つけ近づくと声をかけた。



「お疲れ様です。ちょっといいかな? 今モーガンさんはどこにいるかわかりますか?」


「ん? あぁ君か。それならーー」



 それからその騎士団員に副騎士団長室にいると教えてもらった後、少し雑談をしてから拓海はモーガンに会いに建物に向かうのだった。

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