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異世界に導かれし者  作者: NS
第3章 死の森
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3-3 依頼

「ただいま二人とも! 見ての通り装備を修復して、さらにグレードアップさせてきたよ!」



 拓海とアイリスが一緒にデートをして三日経った昼過ぎにアストレアに着くと大和に防具の修理に行っていた胡桃から手紙がきていたので拓海とアイリスはアストレアの入口で胡桃を待っていたのだ。



「おかえり! お〜確かに前と防具の形が少し変わったな……」



 胡桃の防具は相変わらずくノ一型の防具なのだが、今回は前の装備より高価で丈夫な素材が使われているようだ。そして何より前の装備より身体のラインがくっきりと見えていた。


 拓海はそんな胡桃を見続けると次第に照れてきて思わず目をそらしてしまい、その様子を見た胡桃はにやりと口元に笑みを浮かべて拓海に詰め寄った。



「ん〜? 拓海〜? どうして目をそらしたの〜?」


「ちょ、近っ、胡桃!? わざとだろ!?」


「えへへ……」



 顔を赤くした拓海は後退り、顔をそらしたが胡桃は面白がってそれに合わせて回り込んで笑っていた。


 そんな二人の様子を見たアイリスは頰を膨らませて、黙って拓海の後ろに回り込んで思い切り抱きついた。



「えいっ!」


「ーーーーッ!?!?!?」


「なっ!? え、ちょ、アイリス!?」



 アイリスが後ろから抱きついた勢いでそのまま胡桃と拓海もくっついてしまい、胡桃は驚きながら一歩後ろに飛び退いた。


 そして予期せぬアイリスの行動に拓海はパニック状態に陥っている一方、胡桃がアイリスの行動に目を丸くしていると、アイリスが拓海の背中からひょこっと顔を出して胡桃に向かって悪戯っぽい笑みを浮かべてウインクをした。



(ア、アイリスってこんなに大胆な行動出来たっけ!? 私がいない間に一体何が!?)



 そんなアイリスに胡桃は口を半開きにしていると相変わらず思考が停止している拓海にアイリスは苦笑しながら拓海の背中から離れた。


 それから、しばらくして落ち着きを取り戻した拓海は二人に説教をし始めるのだった。



「あのな二人共。そうゆうことは誰にでもするもんじゃないからな! そんなことされたら色々と勘違いする人もいるだろ? それにーーーー」



 胡桃とアイリスは正座して項垂れて拓海の説教を聞き流していた。



(拓海だからこうゆうこと出来るんだけどなぁ……)


(やっぱり拓海さんに伝わってなかったかぁ……)



 拓海の説教に二人は心の中でため息をついて肩を落とすのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その後三人はとりあえず立話をし続けるのもどうかということでアルカディア城の酒場に向かっていた。


 そして三人が雑談を交わしながら酒場に着くと、三人の姿を発見したギルドの受付嬢の一人がこちらに向かって小走りで駆け寄ってきた。


 その近づいてくる受付嬢に気付いた三人が立ち止まっていると、受付嬢は三人の前で立ち止まり胡桃に声をかけた。



「突然すいません! 『黒流星』様宛てに依頼が来ておりますのであちらで確認をお願いします」


「え? 私?」



 それから胡桃は拓海達に先に何か注文しておいてと言い残し、ギルドの受付嬢の後について受付の奥の部屋に入っていった。


 しばらくして拓海とアイリスが適当に飲み物を注文して待っていると何やら難しい顔をした胡桃が受付の方から帰ってきた。



「どうしたんだ? そんなに難しい依頼だったのか?」



 拓海の言葉に胡桃は首を横に振って否定した。



「ん〜いや、難しい依頼ではないんだけどね……。二人とも死の森の噂は知ってる?」



 胡桃曰くその噂というのは死の森に行った冒険者がそのまま行方不明になるという、拓海が何度か耳にしたことがある噂だった。


 その噂はどうも事実らしく、冒険者ギルドは取り敢えず死の森での依頼を一旦全て取り下げて死の森への立ち入りを禁止したようだ。


 そして胡桃の依頼というのは立ち入りを禁止している死の森を調査して欲しいという依頼だった。どうやら胡桃の他にもSランク以上の冒険者にも同じ依頼が送られていて何名か派遣されるらしい。



「でもこの依頼いつ目処が立つかわからないんだよね……せっかく二人と合流したばっかりなんだけどなぁ」



 胡桃が難しい顔をしていた原因はどうやらそうゆうことらしく、胡桃は唸りながらゆらゆらと左右に身体を揺らしていた。


 拓海はそんな胡桃らしい理由で悩んでいる胡桃の様子を眺めて苦笑を浮かべるのだった。

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