彼女との出会い
おれは今日行われる入学式のため目の前にあるアビリティミドルカリッジ、通称AMCに来ていたんだが初めて見て唖然としていた。
なぜ唖然としていたのかというとその圧倒的な大きさによる存在感に気圧されたに他ならない。
前にAMCの公式ホームページでこの学院について調べていてある程度の大きさはあるんだなと数字だけを見ておおまかにしか想像していなかったのだが実際に見てみるとその大きさに驚いてしまった。
こういうのを百聞は一見に如かずというのだろうか。
そんな風に驚いていたがこれから入学式が行われるため早く講堂に行かなくてはならない。
そんなわけで講堂がどこにあるのか探してたのだがいかんせんこの学院がでかすぎるためどこに何があるのかわからなずしまいには迷子になっていた。
そんな時、おれは不思議な光景と出会った。
周りは桜の花が咲き誇り、花びらがひらひらと舞っている中で
一人佇んでいる美しい女の子がいた。
すると女の子がおれの方を向いて目が会った。
『ねぇ、あなたは誰?
名前は何て言うの?』
『お、おれは叶夢創といいまふ、す。
今日入学式でここに来たんですけど、
あ、あなたの名前は何て言うんですか?』
『わたし?
わたしの名前は……、
うーん、やっぱり教えてあげない』
『えっ⁈
何でですか?』
『うーん、何となくかな?』
『何なんですか、なんとなくって、その答え酷いと思うんですけど…』
『まぁ、どうせ後でわかることだしいいかな。
それよりもさっき入学式で来てたとか言ってたけどそろそろ時間だと思うけど大丈夫?』
『あっ、やばい…
もう始まってる時間だ…。』
『あー、もしかしてここにいるのって講堂の場所がわからなくて迷子になってたから?』
『うっ、まぁ、そうなんですけれども…』
『やっぱりか、
まぁ、この学院は無駄にでかいからねぇ。
じゃあ今回はわたしが案内してあげようかな』
『えっ、いいんですか⁈
じゃあ、お言葉に甘えてお願いします。』
『よし、じゃあ時間もないことだし走っていかなくちゃね』
これがおれと彼女との出会いだった。
まさか彼女が昔、突然どこかにいってしまった仲の良い幼馴染みだったとはこの時は気付けなかったのだ。