オネイスロ 旅たち ⅰ
帰宅途中にて学校で明星からアンダーグラウンドという存在を聞かされてからどのような組織なのかを考えていた。聞いた限りだと反能力者組織らしいが、なぜ能力者の存在に反対するのかがわからない。今の世界は能力者によって平和を維持されているのにその存在を否定してしまうと世界は平和ではなくなってしまうのではないかと考えればすぐにわかることではないのかと…。でも能力というものは個人差が大きいため、おれみたいに使えない能力を保有しているアビリティキーパーだと香奈ちゃんみたいに何でもできてしまう能力を持っている者に嫉妬や妬みをすれば嫌いになるかもしれない。それがどんどん大きくなってこのような組織に所属するようになってしまうのではないだろうか
そのようなことを考えていると家についた。
『ただいま〜、かあさん』
『おかえり、創。ご飯まであと少しだから早めに降りてきといて』
『りょーかい』
おれの家の夕飯はそれなりに早い方だと思う。時間はだいたい6時ぐらいだろうか。でも、他の家庭の夕飯の時間を知らないのでなんともいえないが…
それから自分の部屋に入った。
そこには今までとは違うものが存在していた。
それはポータム。
これは香奈ちゃんが作ってくれた異世界“オネイスロ”への入り口の扉だ。また、このポータムを起動するにはある言葉を言わなければならない。
合言葉は、“サーチアッテンダー”。
おれはこの合言葉を詠唱して、ポータムを夕飯後にくぐることになった。
おれは今オネイスロにいる。
時刻は現実時間では午後9時過ぎぐらいだったはずだがこちらの世界では太陽が昇っていた。
午前なのか午後なのかは詳しくはわからない。
周りを一周してみたがどういう場所かよくわからないため、これからどうしようかについて考えていた。
こういう場合、どのような選択をするかによって今後の展開が大きく左右するはずだ。
ゲームに例えてみればわかりやすい。
RPGをしていると仮定する。
このジャンルは基本的にマップを少しずつミッションをこなしながら進んでいき、ボスとなる敵を倒して終了となる。
このとき、最初にマップを順調に進めていくのか、それともバトルをして金を稼いでいくか、または、敵の弱点属性のモンスターを育てていき圧勝していくかと個々人によってゲームの進め方は変わってくる。
ただ、最終的にはボスを倒すという共通目標があるためこれを達成するためにいかに効率よく立ち回るかがゲーマーとしては大事なスキルとなってくる。
今自分が置かれている状況をRPGに例えると一番最初の始まりの街にいてこれから冒険が始まるという展開だろうか。そしておれはこのオネイスロで神になるという目標を持っているため、これの達成のためにどのような行動を取ればいいか考えた結果はまずは誰かに会い、情報収集から始めることにした。
ゲームを攻略していく上で情報は必須だ。
このようにしておれはオネイスロという世界で冒険を始めた。
果たして、おれはこの世界で神になれるだろうか?
これからの自分の行動は慎重に選択していきたいと思う。
今回からとうとうこの物語の根幹となるオネイスロ編に来ました。
意外とここまで続けられて嬉しいです。
今後もワールドクラフトオペレーションをお楽しみ頂ければ幸いです。