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第六話:対なる守護騎士(一番星と鉛玉)

また少し過去話。

時間軸は孫娘ちゃんとルフナが出会う少し前、先代国王さんが存命している時点から始まります。国王様の出番の予定ないけどねっ。

主役は孫娘ちゃんとあと一人の男キャラの構成です。



最終的にはエリノアとシベリウスの再開の話にも繋がる予定のエピソードとなります。



その日、セレスニルは活気に満ちていた。

先日、五十年以上の長きに渡り君臨した『王都守護の楯』、大神官シベリウスが引退を表明したのが発端だった。

彼の後継者を決めるための競技大会が行われることになったのだ。

かつて英雄ジークが率いたとされる伝説の軍団『勇者一行』の一員にして、世界に名だたる最高峰の魔法使い。

そんな彼の後釜を狙って、参加者の中には遠き諸島連合から足を運んだ者までいるほどだった。



大会のために用意された円形闘技場。現在、そのバトルフィールドでは桃色の髪をした少女が大歓声を背にして魔法を唱えている。


「我が敵を撃ち抜け『光の魔弾』!」


少女がかざした指先から撃ち出された数発の魔法弾は試験用に創造されたゴーレムに命中した。ゴーレムの土の巨体が結合性を失い崩れ去る。光の初級魔法で撃破とは何とも味気ない。この程度の相手には『あの杖』も必要ない。


「楽勝楽勝、さすがボクだねっ!」


父方遺伝の桃色の髪と母から受け継いだ黒い瞳を持つ少女、カナタ=S=ロウエンは今日も好調だ。少なくとも魔法においてはそうだ。



『撃破確認しました。』


大歓声の中でも聴こえるノイズ混じりの声、片耳に付けた受信機をカナタはトントンと叩く。

これは最近導入された通信機だ。雷の魔石を埋め込んである、よく分からないが雷魔法を応用して『電波』というもので声を届けているらしい。

どうにも好きになれない、魔法の方がよっぽどクリアだ。

この通信機は誰でも使えるから有用なのだ、逆に『念話魔法』が使える自分には必要ない。

それにしても、とカナタは立ち止まり闘技場を見回す。


ーサーカスじゃないんだからさぁ‥‥。


青空を仰ぎ見る吹き抜けの天井、石造りの闘技場を取り囲むように配置された観客席。

古代にあったコロセウムというモノを思い出す。

何でも、人間とモンスターを放り込んで戦わせたという娯楽施設。なんて野蛮な趣味だと軽視してきたが、なるほどコレは確かに楽しいのだろう。


ー観ている人間にはね。


カナタがいるのは闘技場のバトルステージ。さっきの話通りに表現するなら、太古に哀れな剣闘士がモンスターと戦いを強制された処刑場所。

よくもまあ、現代にこんな闘技場を作ったものだ。敬愛する祖父の顔が頭をよぎる、彼が意外とお茶目な性格をしていることを知る者は少ない。

そしてカナタが見せる気分屋な振る舞いと本来の性格がかけ離れていることを知る者は更に少ない。


「カナタ様ー!!」


「こっち向いてくれー!」


「おチビ騎士様ァァ!」



カナタはうんざりしていた。賑やかな場所は嫌いだ。

昔からパーティーなどでお祖父様のオマケとして好奇の目で見られるのは慣れているが、やはりストレスが溜まる。

特に、時折聴こえるカナタを「チビ」よばわりする叫び声は嫌になる。

カナタ自身が150cm程度しかない小柄な身体であるのは自覚している。だが他人に指摘されて平静でいられるかは話が別だ。

『沈黙呪文』をぶつけてやろうと思ったのも一度や二度ではない。

そんな心の声を押し隠し、カナタはまるで歌うように魔法を発動させていく。



「『降雨の光弾(レインアロー)』」


岩をも抉り取る光弾がフィールド全域に豪雨のように降り注ぐ。様々な彩色に光り輝く雨粒は溜め息が出るほど美しい。


天才少女の織り成す魔法の御業を一瞬たりとも見逃さず目に焼き付けようとする観客達とは反対に、カナタは蜂の巣にされていくゴーレムを冷めた瞳で眺めている。

一言で済ますなら「くだらない」、こんな土の塊ではカナタには傷一つ付けられない。自惚れではなく純然たる事実だ。上空から延々と魔法を撃ち込まれ、効果が薄ければ即座に別属性へと変更され攻撃が休まず続けられる。

奇跡的にカナタに近づけたとしても、次の瞬間にはカナタは『転移魔法』で戦闘域を脱出している。

果たして、ただですら動きの遅い土塊の使い魔に勝ち目があるだろうか、あるはずがない。

勝利して当然の作業染みた戦闘行為。カナタには面白くない。


「さてと、こんな感じかな?」


『降雨の光弾』を解除して穴だらけと化したフィールドを残党を探しながら歩いていく。

光弾は満遍なく降らせたはずなのだが、通信機から『試験終了』の連絡がない以上はまだ撃破していないターゲットがいるのだろう。



軽いステップを踏みながら移動するカナタの足元の地面が、ポコリと盛り上がった。

勢いよく飛び出して来たのはヘビの形をしたゴーレム、地中深くに潜って難を逃れていたようだ。長い胴体をくねらせて、カナタの首筋を狙い飛びかかった。



「はい残念♪『凍結の(フロストフォッグ)』!」


カナタを瞬間的に真っ白な濃霧が包み込む。

触れるものに氷の洗礼を与える凍結魔法はその威力を存分に発揮して、土蛇をガチガチに固めて地面に叩き落とした。


カナタが自分を覆った寒さに少しだけ震える。

『凍結の霧』使い勝手は良いのだが、使用者も寒い思いをするのであまり好きな呪文ではない。


空気中にバラまかれた氷の粒が光の乱反射を繰り返す。闘技場に残留していた光の魔力が反応を起こし輝いているのだ。

宝石の欠片を散りばめたような輝きに観客達は魅力される。



『全ターゲットの活動停止を確認しました。王都守護の楯、第一次選抜試験を終了します』


更に大きくなる歓声。

カナタの試験突破を祝福する市民たち。

このまま無言で退場するのは外聞的に良くないだろう。

やれやれ、と内心ため息を吐きながらその場でくりっと一回転する。

フワリ、身に纏う白いマントが翻る。愛らしい桃色の髪が風になびく。


そしてカナタは涼やかな笑顔で告げた。


「みんな応援ありがとねー!」






割れんばかりの大歓声の中、カナタを険しい表情で見つめる参加者の男がいた。

男の名はケディング。

無精髭を生やし、その体格は二メートルに迫る傭兵風の大男。元冒険者から身を立てて守護騎士に選ばれた叩き上げの実力者だ。



「けっ、やっぱり本命様は注目も段違いなこって」


ふんっ、と不機嫌そうに鼻を鳴らす。ケディングはカナタが気に食わない。

祖父譲りの魔法の才能を受け継ぎ、当たり前のように実力を認められ栄光ある守護騎士団入り。可愛らしい髪色と小柄な容姿も相まって市民からの人気も絶大だ。


あんな子供を見ていると、守護騎士の地位を掴み取るのに二十年を賭けた自分が馬鹿らしくなる。おまけにケディングはまともな魔法一つ使えないのだ、世の中不平等にもほどがある。


何一つ欠けた物のない約束された人生、星の光に祝福された恵まれた世界に生きる者。ケディングには羨ましい限りだ。



それがどれほど孤独な生であるのか、ケディングには分からない。空っぽの夜空で煌めく一番星の悲しみは、地上を行く男には無縁であるがゆえに理解ができないのだ。



『続いて守護騎士団所属、騎士ケディングの登場です』


耳に付けた通信機から音声が聴こえる、どうやら出番が来たらしい。さあ行くかと愛用の大斧を持ち上げる。

その姿はまさに歴戦の勇士、鎧の上からでも分かる鍛え上げられた筋肉と傷だらけの両腕は彼の苦難に満ちた半生の証明だ。


観客の前に現れたケディング、人の身の丈ほどもあろう大きな斧を担ぎ上げて大地を踏みしめ進む姿は、まさに威風堂々とした男の歩み。

しかしそんな男を迎え入れた会場の空気は冷ややかだった。


ここにいるのは守護騎士団の華、カナタの試合を観戦しに来た市民ばかりなのだ。

まだ16才という年若き身にして全ての属性魔法を使いこなし、精霊術にも通じる天才。守護騎士団の分隊の指揮官として数々のモンスターを討伐した実績すら併せ持つ。


まさにシベリウス無き後の王国を支えるに相応しき広き器、次世代を担う大輪の花のつぼみ、そんな少女のまばゆい光に引き寄せられた観客達。


なにを持って今更、名も知らぬ中年騎士の試合に期待するというのか、いや誰一人として期待などしていない。帰り支度を始めている者までいる。


普通なら意気消沈するところだろう。注目も期待も底辺、気概を折るには十分な冷水を浴びせられた。しかし、



面白いじゃねえか、ケディングは獰猛な笑みを浮かべた。


華やかさはない、魔法もロクに使えない、そんな自分は確かに凡人だ。

認めよう、星の光に比べればケディングは鉛のように鈍い輝きしか持たぬのだろう。

ならば見せてやる、そんな凡俗極まるケディングの磨き上げた鉛の輝きを、己の生き様を



「ーーーオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォッッッ!!!!」



闘技場を観客席ごと揺らす雄叫び、それは1人の男の魂の吼哮。

可憐な妖精の舞いに夢見心地だった人々は、猛り狂う野獣のような雄叫びによって現実に引きずり戻された。


静まり返った会場中の視線が自分に集まるのを感じて、ケディングが獰猛に笑う。

準備は整った。

さあ、ここからが自分の舞台だ。



ケディングの戦闘体制が整ったのを確認して、会場の隅に配置された魔法使い部隊が詠唱を開始する。

呪文に反応した闘技場の土が盛り上がり、様々な型のゴーレムを形作っていく。この大会の一次試験である『ゴーレム・ハント』が開始された。

魔物から都市を護ることを主な使命とする守護騎士団、その頂点たる『守護の楯』に求められる力も当然同じだ。


ゴーレムは本物のモンスターを使う訳にはいかないための代替品、パワーはあるがスピードは遅い。実戦ではなく試験、相手はモンスターではなくただの使い魔では緊張感は不足する。

しかし油断はできない、一撃をもらい体勢を崩してしまえば、自動制御のゴーレムにそのまま袋叩きにされるだろう。最悪、命を落とす。

大神官シベリウスが直々に前もって示した警告『この選抜試験での候補者の落命には主催者側の責任は一切発生しない』はそういうことだ。


ケディングが集めた情報によると、この一次試験で候補者を一気に5人程度まで間引くらしい。総参加者が三桁を優に越える現状からだ。合格基準はかなり厳しいはずだ。

なら苦戦などはもってのほか、下手に攻撃を食らうことすら許されないだろう。


ケディングは決して多くはない自身の魔力を開放する。


確かに魔法は尊き御業であろう、しかし魔力の使い方はなにも魔法だけではない。

この世界には『魔力資質』というものがある。各個人によって違いがある魔力の性質、これによってその者の得意な属性や相性の良い精霊などが決まってくる。例えば『燃焼』なら炎属性に秀でる上に、炎の精霊に好かれやすい、といった風にだ。

そしてケディングの魔力資質は『循環』。かの勇者ジークと共に歩んだ最強の騎士ガロガインと同じ性質。

体中の筋肉、骨、内臓器官に至るまで全てに魔力を循環させ法外な人体強化を可能にする。


つまりーー



ミシッ、大地が軋むような剛の踏み込み。粉塵を巻き上げケディングは跳んだ、大砲から放たれた砲弾のごとき速度でゴーレムに迫る。


逞しい両腕から振り下ろされるは轟風纏う巨大な両刃斧、しかしその一撃はゴーレムを切り裂くことはなかった。


観客が聴いたのは単なる破壊音のみ、ケディングの一撃はゴーレムを完全に『粉砕』していた。

切断ではなく粉砕。斧はその刃としての役目を果たすことなく、攻撃が接触した瞬間に土の使い魔は脆くも砕け散った。

『循環』の魔力資質であるケディング渾身の一撃は巨人族のソレに匹敵する威力がある。急造のゴーレム如きにはオーバーキルそのものだろう。


「オオオオォォッ!!」




老騎士ガロガインはこの力を使い、当時無双を誇ていた勇者ジークと引き分けたという。ならば、例え老騎士には及ばずとも同じ魔力資質を持つ自分がこんなゴーレムに苦戦など有り得るはずもない。ケディングはそう自分に言い聞かせながら、大斧を振るう。その姿はさながら暴風のようだった。


最初は白けた様子でケディングの登場を眺めていた観客達。

繰り広げられるは、天才少女カナタとは比べるのもおこがましい乱雑な戦闘。単純にして豪快、されどその戦いは人々の熱を呼び起こしていた。

少しずつ歓声が増えていく。


「いいぞケディングー!!」


「やっちまえ!おっさん!!」



「今"おっさん"って叫んだ奴、後で覚えてやがれっ!」


ケディングの怒鳴り声に観客達の笑い声が呼応する。今やケディングはこの闘技場の主役だ。斧を握る腕に力が漲ってくる。


リーチを生かした気合いの薙ぎ払い、衝撃波で四体のゴーレムが吹き飛んだ。大振りな攻撃の隙を突き、狼の形をしたゴーレムがケディングの脚に食らいついた。

だがその程度、岩石のように硬質化したケディングの皮膚には通じない。反対にその牙がひび割れる。


「チッ、邪魔だ犬っころ!」


いつまでも脚を離さない狼の脇腹を鬱陶しいとばかりに蹴り飛ばす、岩を砕いたような音が響く。


その僅かな攻防の間にゴーレムがケディングを取り囲んでいた。だがそれこそがケディングの狙いだった。出来すぎな展開に思わずケディングの口元が愉快そうに吊り上がる。


「これで終わりだ、土人形共がぁぁ!『大地の怒号(クエイクレイジ)』!!」


ケディングは自身に僅かなりとも適性のある地属性の魔力を武器に流し込み地面に叩きつける。


瞬間、ケディングを中心に地面が大きく『爆発』した。

『大地の怒号』周囲の地面に魔力を循環させて膨張・爆発させるケディングの得意技。

爆音に遅れて舞き散らされた大小バラバラの破片はゴーレムの残骸だろう。端から見れば自爆にしか見えないが、硬化しているケディング自身にダメージはない。



魔法の使えぬ非才者たちが編み出した、呪文によらず魔力を直接運用し発動させる『(アーツ)』と呼ばれるこの力。

魔力を直接利用するため個々人の魔力資質に全面的に依存し、汎用性にも欠ける不完全な武術。


魔法のような美しさはない、安定性もない。

だがそんなものはケディングの掲げてきた『武力』の前には不要だ。

負け惜しみと罵られようと構わない、この乱暴極まる戦いこそが元冒険者ケディングの生き方そのものなのだから。



『全ターゲットの活動停止を確認しました。王都守護の楯、第一次選抜試験を終了します』



会場から大きな拍手が沸き起こる。先程の天才少女の時よりはささやかな音量だが悪くはない。



ケディングは機能を停止して原型を崩しつつある小さな蛇型ゴーレムを掴み上げる。


何をするつもりだ?

そう疑問に思った観客達の注意がケディングのゴーレムを掴む腕に集中する。

ワザとゆっくりとした動作で目一杯、衆目を集めたケディングはあろうことかその小型ゴーレムを観客席に投げ込んだ。

投げた先にいたのは自分の出番を終えて試合を観戦していた桃色髪の少女。



バキンッ、カナタの足元で蛇のゴーレムが砕け散った。ケディングがニヤリと不敵に笑う。

会場がどよめいた、これは宣戦布告だ。守護騎士団の至宝たる少女に無名の男が噛み付いた。


騒然とする観衆に対してケディングに気負いはない。もとより『守護の楯』の地位を掴むためには必ず立ちふさがる相手だ。だからこそ今ここで正々堂々宣言したのだ。


『俺が勝つ』と。



そんな男をカナタは熱のない瞳で見下ろしていた。その眼差しに感情は宿らない。

カナタにとっては身の程知らずの愚か者がまた一人現れた、それだけの話だった。


カナタの生まれに、才能に、立場に嫉妬して一方的に自分を敵視してきた大人たち。

表面上だけは友好的に、次は羨んで、最後には勝手に絶望してカナタに呪いの言葉を吐いて去って行った同輩たち。


いずれも取るに足らぬ愚か者でしかない、今更いちいち怒りなど感じることはない。カナタが特別で、周りが低俗過ぎたのだと自らを納得させる。そうしなければ、絶え間なく傷つけられるカナタの『心』がもたない。


それがどれほど虚しい心構えであるのか、そう感じることさえカナタは忘れてしまった。



ーいいよ、直ぐに叩き折ってあげる。せいぜい恨まないでね、おじさん



ケディングがカナタの恵まれた天才ゆえの苦しみを理解できないのと同じように、カナタもまた気づかない。

ケディングの愚直なまでの不屈の闘志、何度も打ち直された鋼の精神、いずれも自らが出会って来た人間達を大きく上回るモノであることにカナタは気づけない。



この瞬間、お互いを何一つ理解し合わぬまま、2人の守護騎士は相対することになった。



そしてその日の夕方、第一次試験の結果が発表される。




『第一次突破』

以下五名



一位:カナタ=S=ロウエン

(ヴォルムス・王都守護騎士団所属)


二位:ユースティ

(新緑の国・自衛団所属)


三位:クラウゼ=ファランド

(諸島連合・元閃光騎士団所属)


四位:ウェイン=ファランド

(諸島連合・元閃光騎士団所属)


五位:ケディング=ゾト

(ヴォルムス・錬鉄都市守護騎士団所属)





まさに壮観たる顔ぶれだった。

後継者争いの最有力となるカナタを筆頭に、三大勢力『閃光騎士団』からはファランド兄弟、小国でありながら帝国からの侵略を悉く跳ね返し続けた『新緑の国』からは自衛団の長であるユースティが名を連ねる。

いずれも他国にまで名を馳せる強者たちであり、凡俗な人間は一人もいない。地方都市の守護に数年前から所属するだけの経歴しか持たぬケディングでは見劣りするのは当然だ。五人中五位、この順位もまたケディングと他の合格者との差を如実に証明している。



それでも、この中年騎士の奮闘を少なくない王都市民が祝福した。

決して届かぬ星に手を伸ばす、そんな男の挑戦を話の種に人々は酒を飲み交わし明日に思いを馳せる。




この日、一発の鉛玉が夜空に光輝く星に向かって放たれた。


鉛玉は遥かな旅路の果てに星を撃ち落とすのか、


やはり無謀にも力尽きるのか、


それとも共に輝く星となるのか、




この時点で予測できた者は一人もいなかった。


敢えて言わせて下さい。「オレは美少女キャラも好きだが、格好いいおっさんキャラも好きなんだ!!」


はい申し訳ありません。


ちなみにケディングは今までにも僅かながらそれらしい描写があります。興味のある方は探してみて下さいね。

そして探し出した読者さんはこう思うはず「おっさん、やっちまったな」と。



正直やっちまいました。

後でルフナとの楽しいお話が待っています。

カナタもそうですが、あの娘も見た目通りの性格とは限りません。後々に登場して頂きます。



順位についてですが、ケディングは攻撃を受けたので五位となっています。つまり他の合格者はノーダメクリア、ゴーレムまみれの闘技場にも関わらず大概な連中です。



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次回予告

『五勇士たちの夜会』

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