Act1.5
難しい用語の解説を軽く。
E-2C hawkeye …早期警戒機の一種です。といってもこれは愛称ですが。
巡視船 …国内では、海上保安庁保有の主に安全確保等に用いられる船の呼称です。このような船は各国によりそれぞれ呼び方や扱いが違ったりするそうですが、我々に親しみやすい名前かなと思い「巡視船」にしました。
詳しくしりたい方はwiki等を参照してください。その内詳しい事をまとめた補足ページのような物を作成する予定です。
"The calm before the storm"
Day1-23:47:25
SSgt.Binaly Aker
3rd Marine Expeditionary Force
Camp Courtney,Japan
「状況はどうなってる?」
「ハッ、以前領海侵犯ギリギリの所に多数の巡視船が確認できます」
「奴ら…一体何が目的だ?まさか一戦交える気じゃないだろうな…」
「分かりません、こちらもできる限りの準備を行った方がよろしいかと…」
「そもそも排他的経済水域に侵入している時点でオカシイじゃないか。日本政府から何か公式発表は?」
「いえ…今のところは何も…ですが、自衛隊は動かしているようです」
「国民には何も悟られずに事を片付ける気なのか…?しかしいくら技術と装備が優秀だとしても、あの数が攻め込んできたら我々でも分からんぞ…」
「長官、E-2C hawkeyeから報告が…」
この国ではメジャーな安物の煙草を咥えると、隣のボビーが火をつけてくれた。
「どうも…コリアンが攻めてくるってホントなのか?」
「分かんねぇよ。ただ今日になって司令部の方が騒がしいみたいだぜ」
「5年前に完全撤退して以来、変にコソコソしてたからな…しかし国連軍も最近足腰弱ってるんじゃないか?」
「実戦経験のある手練の奴が減ってるからだろ。実際俺達もそうだしな。」
「韓国だけならまだしも、あの北朝鮮だからな…最悪中国がバックにいるかもしれない。」
「それはさすがに無いと思うがな…」
灰を落とすと同時に夜空の一点が真昼のように輝き始めた。
「オイオイ誰だこんな時間に花火やってる馬鹿は!?こちとら一応警戒態勢中だぞ!」
ボビーが怒鳴る。だがどうも誰かが夜遊びしている訳では無いらしい。
「違いますボビー軍曹!あれ、艦対地ミサイルです!」
遠くで司令部属の奴が叫ぶ。
ウソだろう。仮にあの光が全て艦対地ミサイルだとすれば、とんでもない数だ。そもそも領海付近にいるのは巡視船だと聞いている。巡視船がミサイルを、しかもあんな数を撃てる筈が無い。
しかし現に光は現れている。そして…
「おいボビー、あれって…」
「あぁ、間違いなくこっちに向かってるぜクソったれ…!おいお前ら、退避シェルターに急げぇ!!!」
まだ一本しか吸っていない煙草の箱を放り投げ、俺はボビーと共に退避シェルターへと急いだ。