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星影が導く花明かり  作者: 天りあま
第二章 仲間との出会い

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39. メディオンを出立します(挿絵有)

「いきなりこんな目に遭うとは思ってなかったっすよー」

「それくらい覚悟しとけって!」


 今朝メディオンを出発したチェラシュカたちは今、道端でヒトを縛り上げている。

 何故そんなことをしているのか。そして何故、共に旅をしないことになったはずのストラメルがレオニクスと言い合っているのか。

 話は数時間前に遡る。


 ***

 

 朝チェラシュカが部屋で身支度を整えているとき、隣の部屋――ラキュスたちが泊まる客室から大きな声が聞こえてきた。

 それなりに防音が効いているはずだが……と様子を見に行く。


「なにワケわかんねえこと言ってんだお前!!」

「おい、うるさいぞ」


 隣室の扉は大きく開いていた。どおりでレオニクスの声が聞こえてくるわけである。

 扉に寄りかかり彼の怒声を聞き流しているのはストラメルだった。


「あ、チェラシュカさんおはよっす」

「おはようストラメル」


 彼の隣から部屋の中を覗く。耳を塞いで顔をしかめるラキュスと、真っ赤な顔で激昂するレオニクスが目に入った。完全に想像通りの光景だ。


「おはようチェリ」

「おはようラキュス。レオニクス。私はもういつでも出られるわ」

「あ、お、おはよう……」


 チェラシュカを見た途端空気が抜けるように勢いが削がれたレオニクスだったが、ストラメルが動くと再び眼光を鋭くする。


「わからない人っすねー。ラクォラの番候補探しもあんたらと同じ場所でするだけっすよ。すっごい奇遇っす」

「なわけあるか!」

「ほんとほんと、偶然っすよねー」


 ストラメルは「ねー」と言ってこちらを向いて首を傾けた。かなり楽しそうにニヤニヤしている。

 チェラシュカも同じように首を傾げ、つられて笑みを浮かべつつ「ねー」と言ってみる。



挿絵(By みてみん)


 

 何やら勘付いたらしいラキュスから、呆れた声で「チェリ」と窘められる。流石幼馴染というべきか。


「ねー、じゃねえよ! お前が可愛こぶっても可愛くねえぞ」

「こっちは?」


 拳から突き出した親指でこちらを指し示すストラメルに、レオニクスがぐっと言葉を詰まらせた。


「かわっ……、チェリちゃんはちげえって。てか指さすな」

「へえー」

「じゃ、なくて! 昨日仲間入りは無しになったじゃねえか! ラキュスがはっきり言ってたろ!?」


 まだ白熱しそうだな、とチェラシュカは部屋の中へとストラメルの背を押し、扉を閉めて防音結界を張る。

 

「言ってたっすねー」

「わかってんならさっさと帰れって」

「いやいや、あくまで俺は偶然道中が一緒になるだけっす。別にあんたらと一緒に旅するんじゃないっす」

「ンな屁理屈が通ると思ってんのか?」


 どすの効いたレオニクスの声に、こんな声も出せるんだ、などと呑気に思う。

 

「偶然って凄いわよね」

 

 チェラシュカが口を出してみたところ、彼のピンと立った耳と視線がこちらへ向けられる。じわじわと見開かれる赤い目。

 

「……え、は、…………チェリちゃん、マジで?」


 彼と目が合ったチェラシュカは、ただ笑みだけを向けた。


「なっ……なんで!?!?」


 レオニクスはここでやっと、チェラシュカがストラメルに入れ知恵をしたと気付いたようだ。

 ここまで静観していたラキュスが口を開く。


「チェリ、条件を満たせなかったのに示しがつかないだろう? 甘やかすとつけあがるぞ」

「つけあがるって酷いっすね」


 自分が入れ知恵したものの、ストラメルの堂々とした振る舞いはなかなかのものだ。仲間入りを最初に申し出てきたときの不安そうな態度が嘘のよう。

 

 レオニクスの困惑に満ちた目と、ラキュスの静かな眼差しを順に見返す。

 自分の言葉を待たれている、とチェラシュカは小さく息を吐いた。

 

「やっぱり、私のせいで約束を守れなくなったのは申し訳ないと思って」

「チェリのせいじゃない」

「そうだぜ? 悪いのは絡んできた奴らと……穏便に済ませなかったそいつだろ」

「いやいやいや! 仮にも俺二人を助けたんすよ?」

「追い払うだけで良かったじゃねえか!」


 二人が再び言い争い始めたため、少し大きな声を出す。


「彼は一人でもメディオンから出るつもりだもの。道中が一緒になってもおかしくないわ」


 彼は、万が一仲間入りが叶わなくても家は出るつもりだと言っていた。あれだけ感動的な別れをした後だし、やっぱり残るとは言いたくないのだろう。


「あと、彼を一人で放っておいたら大変なことになるでしょう?」


 ラクォラには「手綱が必要」だと言われていたし、彼の母にもよろしくとお願いされてしまったことを思い出す。

 

「それはそうだけどよ……」

「大変なことってなんすか!」

「別に俺たちの知ったことではないだろう。勝手にすればいい」

 

 こちらへ来たラキュスに「行くぞ」と手を引かれる。少し振り返ってみれば、レオニクスとストラメルは酷い形相で睨みあっていた。


 苦笑いのレニラに見送られながら、宿を後にする。

 朝食を求め、近くのパン屋さんで焼き立てのパンを買う。店内で食べている間も、二人は視線だけで喧嘩していた。

 


 メディオンを出たチェラシュカたちは、青々とした緑の並木道を歩く。


「いつまでついてくんだよ」

「星空の街までっすけど」

「お前なあ……!」

 

 周りの風景とは対照的に、後ろを歩くレオニクスたちはずっと険悪な雰囲気だ。

 勝手についてきたら受け入れざるをえなくなるとストラメルには言ったのだが、レオニクスの反発具合が想定以上だった。

 

 あまりよろしくない事態だ――そう思っていたところで「あいつ!」という声が上がった。


「あの鞄持ってる奴、うちの宿に来た不審者っす!」


 隣まできたストラメルが少し遠くでこそこそと動く人物をピッと指さした。確か、数日前宿代を安くできないかと言ってストラメルが追い返したという……。

 

 その不審者は両腕で抱えるのがやっとの大きさの鞄を持っている。

 彼は近くに居たもう一人と話しながら鞄を少し開けた。それが傾いた瞬間、開いた隙間から白く細長いものが出てきた。



「腕……?」

 


 信じがたい気持ちでチェラシュカが呟いた瞬間、顔色を変えたストラメルが走り出した。そのすぐ後からレオニクスが獣化して「突っ走んなって!」と追い抜かし、不審者の目の前まで辿り着く。


「な、なんだ急に!? 来るな!」


 レオニクスは喚く不審者へ向かって飛び掛かり――その隣の人物を押し倒した。


「今だ!」

「わかってるっす!」


 レオニクスの足元の人物が「食われる!!」と大騒ぎする中、ストラメルが鞄を抱きかかえる不審者の頭を思い切り蹴飛ばした。


「うぐぁっ!」


 息を殺して近寄っていたチェラシュカたちは、投げ出される鞄を見て駆け出した。風魔法で鞄の落下速度を落としたところ、ラキュスが受け止めてくれた。


「ラキュスさんナイスキャッチー!」

「危ないだろ!」


 珍しく大声を出したラキュスが、鞄をそっと地面に降ろす。その隙間からはみ出ているのは、やはり誰かの腕だった。

 早く中を確かめなければという気持ちと、万が一のことがあったら……という不安がせめぎ合う。


「とりあえずこいつら縛ってくれ!」


 レオニクスの声にストラメルが不審者の方へ向かった。



 ***



 そして現在に至る。魔法で作られた蔓で縛られた彼らは「俺たちが何したって言うんだ!」「放せ!」と騒ぐものの、獣化したままのレオニクスがグワッと口を開けただけで「ひいいっ!」と悲鳴を上げている。

 

 彼らがただの通行人ならば、平身低頭謝るしかない。だがあの鞄から出た腕を見た瞬間、十中八九()()に違いないと直感した。

 そうでなければそれでいい、むしろそうでない方がいい。ただ、万が一を考えれば見逃すわけにはいかなかった。


「チェリ……、開けるぞ」

「……ええ」

 

 大丈夫か、と言外に問う眼差しを真っ直ぐに見返す。


 彼の手によってファスナーがゆっくりと開けられ、同時に彼の表情が険しくなる。

 やはり……と覚悟をしたものの、中を見たチェラシュカはそれでも息を呑んでしまった。

 

 窮屈そうに足を折り畳んで鞄の中に詰め込まれた、幼い妖精。

 呼吸はしているが目は固く閉じられており、血色が悪く羽も一部が潰れてしまっている。縄で縛られた足首が痛々しい。

 

「酷い……」

 

 あの不審者――もとい妖精狩りがストラメルの宿に来たときには、既にこの妖精を誘拐した後だったに違いない。

 ラキュスが幼い妖精をそっと抱き起こす。

 

「うわっ、子供?」

「ひでえな……」

 

 妖精狩りの近くからこちらを見たレオニクスたちが沈痛な面持ちを浮かべる。彼らも何らかの事件だと思ったからこそ動いてくれたはずだが、実際に傷付いた子供を見ると心に来るものがあるのだろう。

 

「チェリ」


 いつもよりずっと固いラキュスの声。

 具体的な言葉が無くても、何を求めているのかは理解できる。

 

「……ええ、わかっているわ」


 チェラシュカは携帯型金庫から取り出した"栄養の塊"を、彼が抱きかかえた幼子の小さな口元に詰める。少しでも回復してくれますようにと心から願う。

 

 妖精狩りも放置できないが、何よりこの幼い妖精を家に帰してあげなければならない。具体的な住処(すみか)を探すのは警備隊などの仕事だが、とにかくメディオンまで連れて行ってあげなくては。

 



「……ああっ!? 一人居なくなってるっす!」

「はあっ!? いつの間に!」


 突然の大声に振り向いた。

 妖精狩りの一人がいつの間にか逃げてしまったらしい。魔法を抑制するような拘束具は持っていないし、獣人相手のときと違い魔法で逃げられてしまうのも仕方のないことではある。


 残った妖精狩りの顔周りにだけ防音結界が張られていたようだ。解除された瞬間、彼は「一人で逃げやがって」と悪態をつく。

 逃げた方向を聞きだしたストラメルが、「絶対捕まえるっす!」と言ってそちらへ走っていった。


 勢いに呑まれて見送ってしまったものの、ちゃんと戻ってきてくれるだろうか。

 そう考えながらラキュスとレオニクスに視線を向ける。

 



 旅をするにあたって、彼らは非常に心強い存在だ。

 いつもチェラシュカの身を案じてくれる彼らには何かと助けられているし、そんな彼らの力になりたいと思う。


 ただ、ここ数日のことを思い返すとどうしても心細さを感じる。妖精狩りでもなんでもない一般人相手に、驚いて身体が固まってしまうなんて思っていなかった。

 そこに現れたストラメル。考えるより先に行動する彼はとても頼もしかった。


 今日だって、今までならもっと決定的な証拠を得てから動いていたところを、人の腕というだけで反応した彼に感嘆してしまった。彼は確かに考え無しだが、それで救われる命もあるのだ。

 

 チェラシュカが無理でもラキュスなら、ラキュスが無理でもレオニクスなら、そしてストラメルなら……仲間の数だけ得手と不得手が重なって補い合えると思う。

 先程の二人の連携も見事だったし、だからこそ、チェラシュカはストラメルに屁理屈を言わせてでも同じ旅路を歩めたらと考えたのだった。


 しかし、それを言うときっと心配させてしまうし……と悩んでいた時のこと。


「騒ぎが起きていると聞いてやってきてみれば……」


 少し高めの声が響く。振り向くと、見覚えのある制服を着た人物がこちらへ向かってきていた。

 頭上に生えた三角形の黒い耳に、腰元で揺れるふさふさとした尻尾を見る限り、獣人の女性体のようだ。黒と白が斑に混ざった髪を、後頭部の高い位置で一つに結んでいる。

 そんな彼女の視線はラキュスの腕の中に注がれている。

 

「あなたたち! 一体何をしているの? まさかその小さな子を寄ってたかって虐めていたんじゃないでしょうね!」

「ちげえって! むしろオレらが助けたっつの」

「どうだか? 獣化も解かず大きな図体を見せつけるだけの獅子のくせに」

「はああああ? そっちこそ上の言いなりになるだけの犬じゃねえか」

「ちょっと!! 犬族差別やめなさいよ!」

「お前が獅子族差別やめろって」


 獣人たちの言い合いに挟まれた妖精狩りが顔をしかめている。

 

「あの!」


 思わずチェラシュカが口を挟むと、彼女は「あ」とこちらを向いた。

 

「……そうだった。で? とりあえず事情聴取するから来てもらいましょうか」

 

 こちらへ、と移動を促される。しかし、ストラメルが戻るまでこの場を離れるわけにはいかない。

 

「わざわざ移動する必要は無いだろう。あいつが妖精狩りで、この子が捕まっていて、俺たちが助けた。それだけだ」

「それが本当かどうかは、起きたその子の話を聞いてから判断します。治安維持隊には逆らわないほうが身のためよ」


 疑いの眼差しを向けられている。まさか、妖精が妖精を(おびや)かしていると思われているのだろうか。

 治安維持隊と言えばあの面倒な人物――セルヴィエルのことを思い出す。チェラシュカはこっそりと彼から貰った魔導ナイフを取り出した。

 


『モディトゥム内の治安維持隊員がそれを見れば、ある程度の融通が利くはずです』


 

 正直大して期待してはいない。だが、可能性があるのなら何でも試すべきだ。そう思い、鞘を付けたまま魔導ナイフを握りこんだ。

 

 声をかけようとしたところ、他の治安維持隊員に何やら指示を出していた彼女が徐にこちらを向き――固まった。


「ああああああなた! そ、それ……!!!」


 震える指をこちらを指す彼女。その目は真っ直ぐチェラシュカの手元へ向けられている。

 これ? と少し持ち上げたところ、勢いよく走ってきた彼女は触れるか触れないかの近さで目を限界まで見開き舐め回すように観察し始めた。ハァハァと荒い息が手に触れる。


「一体これをどこで手に入れたの!?」


 想定以上の反応にチェラシュカは目を見開きつつ、慎重に答える。

 

「えっと……治安維持隊の人から貰ったの」

「名前は!?」

 

 彼女の勢いに思わずたじろいでしまう。鞘が顔に当たりそうなので少し離れてほしい。

 

「……セルヴィエルさんよ」

 

 せ、の音を告げた時から彼女はわなわなと震え出した。と同時に尻尾が物凄い勢いでブンブンと動いている。千切れたりしないか心配だ。


「あのセルヴィエル様から直々に……!? 信じられない……でもこの模様はあの方の物……。あなた、一体何をしたの? いえ、されたのですか!?」


 彼女が言っているのは、鞘と柄に巻き付くような植物の蔦の模様のことだろうか。改めて見ると、魔法で加工してこんな模様を作れるヴェロルは凄い人かもしれない。


 チェラシュカは詰め寄られた分だけ仰け反りつつ、当時のことを思い返す。

 

「……馬に乗ったり?」

「ま、まさかあの方の愛馬に!?」

「あと……角を折ったり、蹴ったり……?」

「つ、つつつつつつ角を折るですって!?!?」


 瞼が無くなる程目を見開いた彼女に対し、ラキュスが「折れた角がそれだぞ」と口を挟む。

 

「なんてこと……!」


 膝から崩れ落ちた彼女は、地面に手を付いて思い切り項垂れてしまっている。

 

「くっ、羨ましい……」


 ドンッドンッと拳を地面に叩きつける様に、つい一歩引いてしまった。

 どこがどう羨ましいのかさっぱりだが、彼女が彼を慕っていることだけはわかった。


 彼女は「あたしだって」や「どうしてこの子に」などとしばらくブツブツ呟いた後、ふっ! と強く息を吐き素早く立ち上がった。地面についた部分をパッパッと払ってから、真剣な眼差しをこちらに向ける。

 両手を身体にビシッと沿わせ、背筋を真っ直ぐ伸ばし――。


「大変失礼いたしました! セルヴィエル様が目を掛けられている方とはつゆ知らず、とんだご無礼を申し上げました!」


 彼女はその上半身を直角に倒した。ポニーテールが勢いよく前に垂れ、その背中がよく見える。

 

「へ?」


 数秒経ってから素早く身を起こした彼女は小さく笑みを作った。

 

「あなたたちを疑う理由は何もありません。妖精狩りの処理と、あとその妖精の子供の身柄はこちらで預かりますね」

「あ、ありがとうございます……」


 先程とはまるで違う態度に、効果がありすぎて引いてしまうくらいだった。むしろ魔導ナイフ(こんなもの)だけでそんなに信用されていいのだろうか。


「あのお方の人を見る目は確かなんです! セルヴィエル様のご判断には全幅の信頼を寄せていますので、例えポッと出の女妖精だろうとあの方のお言い付け通りに対応しますよ」


 微笑みとは裏腹にチクリとトゲのある言葉。

 まさかセルヴィエル(あんな人)のことで嫉妬されるとは思わなかった。どういう関係か知らないが、もう関わることは無いので安心してほしい。

 

 控えていた別の治安維持隊員が妖精狩りを連行していく。

 彼女自身は「子供をこんな目に遭わせるなんて……」と言って幼子を受け取り、しっかりと抱えてメディオンの方へと去っていった。




「くっそー、結局逃げられたっす!」


 治安維持隊と入れ替わるようにして、ストラメルが戻ってきた。


「あれ、なんかあったっすか? てかもう一人は?」

「……お前本気でオレらについてくる気あんのか? 勝手に動き回ってっから、置いてくとこだったぞ」

「あるっす! レオニクスさんこそ、待っててくれるなんて優しいっすね?」

「誰も待ってねえよ!」

 

 レオニクスたちの様子を眺めていたラキュスが、静かな目をこちらに向けた。

 

「チェリは……」


 目が合うと、彼の濃紺の瞳が僅かに揺れた。チェラシュカはただ続きを待つ。

 

「……。一度休憩しようか」

「……ええ」

 

 緩く伏せられた目を見て思う――誤魔化されてしまった、と。

 言いにくいことなら無理に追求したくはない。それでも寂しさを訴える心に従って彼の手を両手で握る。


「ラキュス。私はラキュスの言葉を否定したりしないわ」

「……知ってる」


 ふ、と小さく笑った彼が空いた手でチェラシュカの頭を撫で、それから握った手を外される。彼はこちらに背を向け、あちらの二人に「休憩するぞ」と呼びかけた。

 

 ――柔らかな、拒絶。

 

 原因として思い当たるのはストラメルのことしかない。レオニクスほど明確に反対していなかったが、本当は嫌だったのかもしれない。近いうちにラキュスときちんと話さなければ。

 

 チェラシュカはそう決意して、休憩の準備をする彼らの元へ向かうのだった。

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