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星影が導く花明かり  作者: 天りあま
第二章 仲間との出会い

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9. アドバイスを受けます

 そんなこんなで、チェラシュカたちは魔法陣の追加を依頼することにした。やはり、旅の最初に魔獣と遭遇したというのが大きかった。

 魔法陣の付与には少し時間がかかるというので、その間に店内を見回ろうかなと考えていると、店主から声をかけられた。


「……携帯用金庫は、その腕の一つか」


 彼の目線は、チェラシュカの右手首に向けられている。ほんの少し腕を持ち上げて「ええ」と返す。

 

「旅をするならせめてもう一つ、外から見え辛いところに持っていた方がいい」

「……どうしてですか?」

「平和なところで生きてきた奴は、携帯用金庫を持ってりゃ絶対安心だと思ってやがる。確かに、魔力を登録した本人にしか開けられないから、盗んだって中身は取り出せない」


 チェラシュカが静かに頷くと、彼は更に言葉を続けた。


「だが、その中にそいつの持ち物がほとんど入ってるっつーのは変わらないわけだ。大切なものを入れたそれを盗まれたとして、もし質に取られて脅されたときに、即座に切り捨てられるか? 全財産を入れてりゃ盗まれた時点で旅が終了するかもしれんし、武器なんかを入れてても、それを振るうことなくやられちまうかもしれん。そういうことを考えたことはあったか?」


 畳みかけるようにつらつらと並べ立てられる内容に、チェラシュカたちは何も言うことができなかった。

 確かに、旅行に使う資金は全て携帯用金庫の中にまとめて入れているため、これを失くしてしまったら路頭に迷ってしまう。簡単には外れないように魔法はかけているものの、何があるかわからないため、用心するに越したことはないだろう。

 ラキュスの方を向くと、彼は神妙な顔で何やら考えているようだった。店主に言われたことを想像して、装備の見直しを検討しているに違いない。

 

「そんなお前らのために、いいことを教えてやろう。……携帯型金庫は、あの辺にまとまって置いてある」


 そう言った彼は、ピッと人差し指を立てて店内の一角を指差した。

 

「……いいことって何かと思えば、ただの売り込みじゃねえかよ! てっきりなんか裏技みてえなモンがあんのかと思ったのによ」

「いい商人は商機を逃さないんだ」

「職人じゃねえのかよ」

「俺は職人でもあり、商人でもある」

 

 二人の軽快なやり取りについくすりと笑うと、チェラシュカはラキュスに「折角だから見ましょうか」と声をかけた。


 三人は携帯型金庫の売り場として示された場所へ移動した。そこにはチェラシュカが持っているブレスレット型の他に、ラキュスがシャツの袖につけているカフスボタン型、それからネックレス型やブローチ型など、多種多様な種類が置いてある。


「ねえラキュス、これとっても可愛いわ」

「ん、そうだな」


 チェラシュカが手に取ったのは、親指の先程の大きさの金属プレートだ。桜の花がたくさん重なったような意匠で、端はその桜の輪郭通りにカットされている。

 携帯型金庫は、最初からアクセサリーとして作られたものも多いが、後から加工して身につけられるようなプレートタイプもあるのだ。

 くるりとひっくり返すと、裏面には魔法陣が刻まれている。どの携帯型金庫にも共通してあるものだ。だが、これを描けばなんでも携帯型金庫にできるというわけではないため、何かチェラシュカの知らない条件や特殊な処理があるのだろう。


「これをネックレスにするとかはどうかしら」

「きっと似合う」

「なんかチェリちゃんっぽくていいなそれ」


 いつのまにか近くまで来ていたレオニクスが、チェラシュカの手元を覗き込む。


「でもネックレスって……隠せるか?」


 そう言った彼の視線がチェラシュカの首元へ向けられる。彼が見ているであろうあたりを手で触りながら、チェラシュカは思案する。いつも羽織っているケープは首元をブローチで固定するスタイルのため、じっとしていれば首回りは隠れるが、ちょっと動けばすぐに鎖骨付近に隙間が空く。

 

「ケープの下から見えるかもしれないわね」

 

 また、チェラシュカが持っているブラウスの襟ぐりも大体ざっくり空いているので、ペンダントトップにした携帯型金庫を隠すのであれば、チェーンを長くする必要がある。しかし、胸元にこれを忍ばせるとなると、ずっとそこに意識が向いて落ち着かないだろう。


「……これは?」

 

 ラキュスが近くの棚から手に取ったのは、指の太さくらいの短めのベルトのようなものだった。


「腕輪かしら?」

「アームバンドかな。服の袖を留めたりする奴」


 レオニクスがそう言いながら、別の似たような製品を手に取った。カチャカチャと動かして使い方を確かめているようだ。ある程度長さを調節することもできるらしい。

 なるほど、と思いながらその様子を見ていると、ラキュスが口を開いた。

 

「これに、それを付けられるんじゃないか?」


 そのアームバンドは装飾が無いシンプルなデザインで、桜の金属プレートをくっつけるのに丁度よさげなスペースが空いている。


「二の腕に巻いておけば、ケープで隠れるだろう」

「ほんとね! とってもいいアイデアだわ」

「あ……じゃあ、オレが付けようか? 慣れてるし」

「まあ、いいの? ならお願いしようかしら」


 レオニクスの申し出は願っても無いことだ。魔法でなんとかしてくっつけようかと考えていたが、本職の人につけてもらえるのならそちらの方が確実だろう。彼はこの後食材を買いに行くと言っていたので、助けてもらったお礼も含めてその時には多めに奢ることにしようと思う。


「私はこれを買うとして、ラキュスはどれにするの?」

「外から見え辛い場所だからな……」

「それこそネックレスとかもありじゃねえか?」

「ネックレスはちょっと」


 ラキュスはレオニクスの提案をさくっと却下していた。彼は一番上まできっちりボタンを留めているので、もしネックレス型にしたら取り出すときが結構面倒かもしれない。逆に、レオニクスのようにラフなシャツとパーカーというスタイルなら、ネックレス型は丁度良さそうだ。


「これがいいかもしれない」


 そう言いながらラキュスが手に取ったのは、指二、三本分くらいの幅の四角い金属のプレートだった。表面には薄く波のような模様が彫られている。

 よく見ると四隅に小さな爪のようなものが付いており、何かに引っかけられそうだ。彼はそのままそれを自身の腰元に持っていき、ベルトに近付けた。


「少し調整すればピッタリ嵌りそうだ」

「まあ、本当ね」


 ラキュスのベルトの上にそのプレートが重ね合わされると、ちょうど幅が同じくらいだった。恐らく元々そうして使うための作りなのだろう。


「でも爪で引っかけるだけだとすぐ取れそうじゃねえか?」

「簡単に落ちないよう魔法はかけておくし、裏側から嵌めれば外からも見えにくくなって一石二鳥だろう」

「なるほどな! やっぱ魔法って便利だなー」

 

 そんな風にラキュスが二つ目の携帯型金庫を見繕っていたときに、店主からできたぞと声がかかった。ラキュスがプレートを手に持ったままカウンターへ向かう後に、チェラシュカもついていく。

 二人はカウンター前まで来ると、その上に購入予定の物を置いた。そして、その隣に置かれていた坐する守護(プラエシディウム)に目を遣る。ラキュスが手に取ったそれは一見何の変化も無い。ひっくり返された底面に描かれている魔法陣も、ほとんど変わっていないように見える。


「わかるか?」


 店主は片眼鏡を外しながらそう尋ねてきた。細かな作業など、手元を見るときのみ片眼鏡をするスタイルらしい。

 彼に尋ねられて再度じっくり見てみると、元の魔法陣を囲むように一回り大きな円が増えている気がする。また、何やら複雑な模様や文字も足されている。

 てっきり別の箇所に独立した魔法陣を描くのかと思っていたが、一つの魔法陣にまとめることもできるらしい。


「ちょっと大きくなっているわね」

「こんなに細かい模様もなかったな」


 元の形を思い出しながら二人で興味深く見ていると、店主は「うんうん、感心感心」と言いながら頷いていた。

 

「最初は単純に魔獣除けの効果を追加しようと思ったが……」


 彼は一度そこで言葉を切ると、ニッと笑ってこう続けた。


「結界内の対象者に、危害を加える恐れのある生き物が入ってこれないっつう効果に変えといた。動物や魔獣はもちろん、それ以外の人型生命体も対象になるし、そっちのがいいだろ」

「……まあ」

「危害を加える恐れ……」


 なんと、彼は当初言っていたのよりも恐らく高度な処理を施したようだ。ラキュスも目を丸くして店主の言葉をそのまま繰り返している。危害を加える恐れというのは、具体的にどうやって判別しているのだろうか。

 とりあえずお礼を伝えるものの、「ありがとうございます……?」と若干疑問形になってしまったのは仕方のないことだと思う。


「いいってことよ。料金は変わらず三千エンのままでいいからな」


 そう告げられたのを聞いて、非常に複雑な気持ちになってしまった。いくら善意でより高度な処理をしてもらったとしても、勝手に内容を変えるのはいかがなものかと思う。その上、もともと元値から大幅に値引きされているとはいえ、もし勝手に料金まで上げられていたらなかなかの悪徳商法である。

 そう考えていると、彼は更にこう言った。


「ただ、俺は別だが、ちゃんとオーダー通りに対応しない店はヤバいところが多いから気をつけろよ。俺はきちんとしているがな」


 そんな彼の言葉に思わずラキュスと顔を見合わせた。今までに聞いたことがないほどに自分勝手な物言いである。店主自身がそうしておきながらこちらに注意を促すとは、なかなかの図太さだ。

 とはいえ、彼に依頼すると決めたのは自分たちであるのだし、本来の依頼内容も包括して完了されているのであれば問題は無い――ということにしておこう。無闇に揉めたくはない。


「……はい、わかりました。それで、これを買いたいのですが」


 あまり彼の言動には深入りしないことにして、先程持ってきた品物を手で示した。


「ふうん、これにしたのか」

「はい。それとそれをくっつけて、二の腕に巻いたら丁度いいかと」

「ふむ」


 彼は桜のプレートとアームバンドを手に取ると、この辺か? とぶつぶつ呟いた。そしてどこからか取り出したチューブから何かをプレートの裏側に塗り、アームバンドに近付けたかと思うとその手元が一瞬光り、気付いた時にはプレートがくっついた状態になっていた。


「どうだ? 完璧だろう。サービスだ」


 確かに彼の言う通り、イメージ通りの配置であった。まるで、最初からこのために誂えらえたかのような収まり具合だ。


「あ、ありがとうございます……」


 流れるように処理が完了したことにやや戸惑いつつ、次いで告げられた合計金額を支払う。

 そこへ、後ろからレオニクスがやってきてカウンターの上に何かを置くと店主の方を向いた。その眉は思い切り寄せられており、不可解なのか不快なのかなんとも言えない表情をしていた。


「なあ、ちょこちょこ聞こえてたけどよ、お前無茶苦茶言いすぎじゃねえか?」

「そうか? むしろ親切だと思うがな」

「そんなことしてっと、ますますまともな客が寄り付かなくなんぞ」

「俺のしたいようにして寄り付かなくなった客は客じゃないな」

「お前なあ……。あ、つーかそれ!」


 はっと気が付いたように目を大きく開いたレオニクスの視線は、先程チェラシュカが購入したばかりの携帯型金庫に向けられていた。


「オレが付けようと思ってたのに……」

「なんだ? 誰が付けたところで変わらないだろうが」

「そうだけどよ……」


 折角申し出てくれたレオニクスには少し申し訳ないなとは思うものの、逆にそこまでして彼が気に掛けてくれる理由もわからず、チェラシュカは小さく首を傾げる。

 

「……はあ。まあいいや、これくれ」

「へえ、お前も欲しくなったのか」


 レオニクスが何枚かの硬貨をカウンターの上に置いた。そして、トントンと指で叩いて手元を指し示す。そこにあるのは金属製のバングルである。どうやらあれも携帯型金庫のようだ。


「……あったほうがいいかなと思ってよ」

「ふうん、俺の営業が成功したってことか。まいどあり」

「ちげえっての」

 

 そんなレオニクスたちのやり取りを最後に、チェラシュカたちは雑貨店を後にした。

 紆余曲折あったものの、結果的には良い買い物ができたと思う。


 ◇◇◇

 

 再びレオニクスの案内で街道をしばらく歩いてゆくと、辿り着いたのは多くの人が行き交う市場だった。


「たくさん人が居るのね」

「今日は平日だから、これでも少ねえ方だぜ」

「まあ、そうなのね! ……うっかりすると、すぐはぐれてしまいそうね」

「チェリ、俺から離れるな」

「わかったわ」


 レオニクスが慣れた足取りで市場を進んでゆく。彼は青果店に立ち寄ると、パパっと野菜を見繕っていた。

 人波を縫って進んでいたチェラシュカたちが慌てて後を追って声をかけると、もう購入が済んでいたらしい。


「もう買ったの……!?」

「ん? ああ、チェリちゃんたちを待たせちゃわりぃだろ?」

「俺たちは大分時間をかけてしまったと思うんだが……」

「気にすんなよ。オレ、誰かの買い物に付き合うのは慣れてんだぜ」


 そう言った彼は笑みを浮かべているが、やや疲れているように見えるのは気のせいだろうか。

 兎にも角にも、お礼をするために彼の買い物に付き合うはずだったのに、終始このスピードだとその本懐を達成できない恐れがある。気を引き締めねば、とチェラシュカは密かに拳を握りしめた。


 次に彼が向かったのはパン屋だった。店内に充満する美味しそうな匂いに、つい口角が上がる。どんなパンがあるのだろう、と引き寄せられるように端の棚から見ていたのだが、レオニクスが店員と話す声が聞こえてはっとそちらを向いた。その手元には食パンが一斤あり、カットの依頼をしているようだった。

 慌てて駆け寄り「もう買ったかしら?」と聞くと、「おう。あ、チェリちゃんはゆっくり見ててくれていいからな」と言われた。

 

 後からやってきたラキュスが「レオニクス……」とやや不満げな声を出すが、食パンがスライスされるのを眺めているレオニクスは気付いていないようだ。

 折角なので、物語で見たような「もう払っといたよ」とかいうスマートな精算をしてみたかったのだが、場所も相手も悪かったらしい。このままでは、お礼と称して現金を渡すしかないかもしれない……。


 パンはもう見たから大丈夫とチェラシュカが伝えると、次にレオニクスが向かったのは精肉店だった。明らかに彼のテンションが上がっているのがわかる。

 レオニクスの後について店内に入ったチェラシュカは、ラキュスの服の裾を引いて自分の隣に来させ、今度こそ絶対に支払うのだと決めてカウンター横に陣取った。

 そんな二人の様子が目に入っていないのか、レオニクスはショーケース内の生肉をじっと眺めている。

 そして、彼が注文をして店員が合計金額を告げようとしたところで、「私が支払うわ!」と割って入った。


「え、チェリちゃん?」

「やっと助けてもらったお礼ができるわね」

「そんなの気にしなくていいって」


 彼はそう言って話を流そうとするが、貸し借りはきちんとしておかないとモヤモヤしたままになる。そこへラキュスも言葉を重ねた。

 

「これは俺たちなりのケジメなんだ」

「ええ、私たちの気持ちを形で表させてほしいの」


 ラキュスに目配せをしてから、レオニクスの服の裾を少し引き、彼の身体をカウンターからこちらへと向けさせる。それから、真っ直ぐ彼の目を見つめてこう言った。


「ね、いいでしょう? 受け取ってもらえたら嬉しいわ」

「……へ? ……あ、えっと」


 彼が戸惑っている間に、チェラシュカの思惑通りラキュスが支払いを済ませてくれた。

 ありがとうございましたー、と告げる店員の方へ目を向けると、何してるんだろうこの人たちと思っていそうな表情をしていた。他に客はいなかったが、目の前でバタバタするのは配慮にかけていたかもしれない。

 ペコ、と店員に向けて小さく会釈してから、まだ困惑しているのか固まったままのレオニクスの服を引っ張り「行きましょう?」と声をかけた。

 ラキュスが生肉の入った包みを受け取ったのを見て、レオニクスははっとしたように「わりぃ」と言い、それを受け取って鞄に仕舞っていた。

 

 ◇◇◇

 

 そんなこんなで、市場からレオニクスへの家まで向かっているときのこと。

 

「あら……?」

 

 今、真っ黒なローブを被った人が見えたような。

 チェラシュカは雑踏に目を凝らしたが、その人影は人波に紛れて見失ってしまっていた。

 

「チェリ、どうかしたか」

「真っ黒なローブを着ている人が居たような気がしたのだけれど……一瞬で見失ってしまったの」

「そうか。……ローブなんて、この時期に着てたら目立つだろうにな」


 今は花が咲いて草木が青々と生い茂る暖かな季節だ。しかも、アウステリアは比較的温暖な気候である。魔法で温度調節をしているのかもしれないが、わざわざそんな恰好をするのはやはり不可解だ。

 

「特にその人がどうってわけでもないのだけれど、なんとなく印象的で」

「ふうん……もしかしたら魔女かもしれねえな」

「そうなの?」

 

 ここへ来てから初めて耳にする魔女という言葉に、なんとなく緊張を覚える。

 魔女は見た目上ヒトと変わらないそうなので、気付いていないだけで既に見かけていた可能性は高い。

 だが、今までフロリニタスに来た旅人は専らヒトか獣人だったため、より身近ではない他種族という印象が強いのだ。

 魔女の最も大きな特徴として挙げられるのは、女性体しか存在しないということ。

 そして、魔力や魔法に関する研究が熱心な種族であると聞く。


「アウステリア全体だと、獣人が一番多くてその次がヒト、その次が魔女らしいんだけど、見た目でわかんねえからパッと見は獣人とヒトの国って感じなんだよな。ほぼ獣人ばっかの街もあるし」

 

 レオニクスの話からすると、アウステリア内には魔女の数は少ないが、存在はしているということだ。チェラシュカたちの自国――レヴァノスにも魔女は住んでいるはずだが、フロリニタス以外の都市を訪れていないため、当然見かけたことはない。


「たださ、獣人は割と他人と違う行動で悪目立ちするのってあんま好きじゃねえんだよな。得意分野で目立って威張りてえ奴はいるけどよ。ヒトも割とそういう感じっぽいし、じゃあそんな変わった格好してんのは魔女じゃねえかなって」

「なるほど……」

 

 チェラシュカとしては、機会があればそんな彼女たちと仲良くなって、話を聞いてみたいと思ってはいる。

 なんせ、今オルベア中で使われている便利なものの多くは、彼女たちが発明したものらしいからだ。獣人やヒトなど他種族間で共同で作ったものもあるそうだが、具体的なことは魔導具史を学ばなければわからない。それを、もし今開発中のものなどについて聞く機会があれば――。

 そう考えるものの、見た目で確実に判別がつくわけでない。レオニクスの言うように一見目立つ格好をしているのだとして、そんな人に片っ端から「あなたは魔女ですか?」と尋ねるわけにもいかないだろう。

 

 となると、彼女たちに会えるかどうかは完全に運任せである。

 旅の途中で魔女の友達を作るのは難しくとも、少しくらいはお話しできる機会があったらいいな、と淡く期待を抱くのだった。

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