第73話 (63)星が泳ぐ
ーーカッピーにハナさん、どうしてこんなことを。
夢から覚めたオラフさん。寝惚け眼で『アレ』の動画を見て、オラフさんは戸惑いを隠せなかった。カッピーが自発的にこんな事をするとは思えない。とすると主犯はハナさんだろう。そういえば、ハナさんは最近何だか元気がなかった。何だか2人に置いて行かれた感覚がする。いつからこんな事を画策していたんだろう。何かあるなら相談して欲しかった。友達だと思っていたのにな。今回だけじゃない。いつもそうな気がする。色んな人に置いて行かれてばかりだ。歩みの遅い僕はミドリガメのようで、みんなのように急いで走れない。
『カッピー、『アレ』見たよ。何があったの?大丈夫?心配です。』
咄嗟にカッピーにメッセージを送る。そしてすぐに後悔する。不用意にメッセージを送るべきじゃなかったかもしれない。カッピーはカッピーで人が押し寄せる現状に辟易としている様子だった。何か思い悩んでいたのかも。こういうことは直接話したほうが良いかもしれない。メッセージの送信を取り消そうとした瞬間、既読の二文字が表示される。
ーー遅かった!しまった!
そう思ったのも束の間、すぐにカッピーから返事が来た。
『心配かけて申し訳ないです。『アレ』は全部僕が悪いです。明日また話したいです。』
そのメッセージと共に可愛らしいカピバラのキャラクターが泣いているスタンプが送られる。文面には元気がなさそうだけど、スタンプが送れるのなら、少しは大丈夫そうだ。オラフさんはほんの少し安心する。
『うん!また、明日!僕もまたカッピーと踊りたいよ!』
というメッセージと共に可愛い犬のキャラクターが踊っているスタンプを送り返す。すぐに既読はついたが、なかなか返事が来ない。どうしたんだろう?寝たのかな、と思っていると返事がくる。
『すいません。明日詳しく話すんですが、もしかしたらもうオラフさんと一緒にゾンビできないかもしれません。おやすみなさい!』
『え?どういうこと??』
そこからカッピーの返事がなくなってしまった。気になる。どうしてゾンビ出来ないのだろう。もしかして、『アレ』なんて勝手なことをしたからクビになってしまうのか?
ーーとにかく明日は出勤日だ。カッピーの様子を確かめなきゃ。
先ほどまで見ていた夢のことをすっかり忘れて、丸々と布団にくるまってカッピー達を案じるオラフさんであった。
「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!
ここまで読んで頂いて本当に嬉しいです。
このキャラのエピソードもっと読みたいなどあれば、コメントで教えて頂きたいです!
ぜひよろしくお願いします!