第62話 (53)INTERNET LIVING DEAD
「いや〜。まずいよ。まずいよ。」
「焦ってるSポテさん、メロい。」
「それ使い方あってる?全然メロくないよ。」
「俺にそんなこと言うなんて、おもしれー女。」
「それも使い方あってないんじゃ…。」
「もう、2人とも僕の話聞く気ないでしょ!」
話をしたそうなSポテトを放って、2人で掛け合いを披露する文子ともじゃ。我慢の限界だったのか、そんな2人を遮るようにSポテトさんが話し始める。
「今ゾンビダンサーしてるハナさんが変な感じで話題になっちゃってるんだよ。」
「どんな風に話題になってるんですか?」
「今北産業。」
「急に古いな…。」
「実はハナさんはーー。」
ハナさんとチョウチョの関係。そして、2人の画像がネットで話題になったこと。それが、チョウチョの不倫のニュースによってさらに加熱。芸能界で活躍するチョウチョと地方のテーマパークで細々と踊るハナという構造で、心無いコメントがネットに溢れていること。などをツラツラとSポテトさんは語った。
「ほう。それは中々にブッ刺さり。無理すぎるんだけど。」
「そもそもテーマパークで踊ってるのが下みたいなのもよくわからない論法ですよね。」
「そうなんだよ。どっちもそれぞれ頑張ってるでいいはずなのに。僕もファンとして心が痛いよ。」
「ファンじゃない奴ほど騒ぐのエグい。」
「そうそう、ネットで話題くらいなら良いんだけどーー。」
そう話す三人のすぐ側を男2人組が話しながら通りがかる。
「Rainのオーディション出てたハナってダンサー、ここで踊ってるらしいぜ。見に行こうぜ!」
「まじかー!俺オーディション見てたわ。落ちぶれたなー。」
そう話す2人組をキッと睨むSポテトさん。
「あんな奴がパーク内にも現れ出してるんだ。」
「これは良くない。」
「そう、TKちゃん。本当に良くないんだよ。」
「で、何か私達にできることはあるんですか?」
怒りと使命感に満ちた顔をするSポテトさんにもじゃが聞く。Sポテトさんは、うーんと考え込んだ後あっけらかんとした顔で答える。
「ないっ!」
「横転。」
「ないんですか?!」
「もし変にハナさんに突撃する奴が現れたら、取り押さえるとかしかないかなぁ。こちらから動けることはないよー、唯のお客さんだしね。」
「とりあえず、見に行ってみますか?」
「完全に同意。」
とりあえずゾンビを見に行くことにした3人。こういう時にファンは無力なものなのだな、とSポテトさんは考えていた。
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