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第28話 (22)Alternative Plans

ポンポンポンポン。


 メイク道具片手に鏡と睨めっこをするビッグボス。その様子はいつもの仕事人といった感じのギラギラしたものではなく、期待に胸を高鳴らせる乙女のようにきらめいていた。


「あれ?ビッグボス、今日のメイクいつもと違いますね?」


「ん?んー」


カキカキカキカキ


「絶対いつもと違いますよ!アイシャドウもいつもより濃くしてますよね?」


「そうかなー。いつも通りだよー」


「チークもなんか濃くないですか?」


「え?!やりすぎてるかな?」


「そんなやりすぎてはないですけど。いつもよりは気合い入ったメイクですね!」


「んー?そうかなー。まぁまぁ、ちょっと、ね」


「なにか?あるんですか?あ、デートとか?」


「まぁまぁ」


カキカキカキカキ


 不自然にはぐらかすビッグボス。あかねちゃんもいつもと違って歯切れの悪い彼女の様子を見て、頭の上に疑問符を浮かべていた。


ガチャ。


「お?ビッグボス!気合い入ってるねー!今日はよろしくね!」


 上司さんが扉を勢いよく開けて、休憩室に入ってくる。相変わらず腹から声が出ている。気合いが入ってるとはどう言うことだろうと思っていた。二つ目の疑問符があかねちゃんの頭の上に浮かぶ。


「上司さん!お疲れ様です!」


「上司って辞めてよ。ハハ!僕にはジョージって名前があるんだからさ!相変わらずジョークが好きだなあ!アッハッハ!」


 全く若い子には敵わないなぁ!アッハッハ!と笑いながら金髪のリーゼントヘアーを手櫛で治す上司さん。その陽気な声色にこちらも釣られて元気になってくる。


「上司さん!今日はよろしくねってどう言うことですか?」


「あかねちゃーん。ジョージだってば。今日はゾンビナイトで頑張るスタッフの取材として、ビッグボスにテレビの撮影がくるんだよー!」


 胸元から番組の打ち合わせ資料と思われる紙を出し、ぴらぴらと見せつける上司さん。それを聞いてあかねちゃんは、成程と納得のいった様子であった。


「なんだあ!テレビに出るからメイクきめてたんですね!ビッグボスも女の子ですね!」


「テレビ出るからってわけじゃないけどー。まぁまぁ。あーそうか。忘れてたわ。テレビねテレビ」


ーー嘘つけ!絶対テレビ出るからだろ!


 心の中で突っ込んでしまったあかねちゃんであったが、そこはビッグボスの顔を立てるためにスルーしたのであった。


〜〜〜


「と言うわけで、2人とも今日はよろしくね」


「て、テレビの取材ですか?!緊張するなー」


「前に連絡来た時はスタッフだけって話だったんだけど、ゾンビの中の人の話も聞きたいって電話があってさ。急だけどごめんね?取材自体は閉園後にするそうだから。残ってもらうことになっちゃうんだけど」


 急遽ビッグボスに呼び出されたカッピーとハナさん。いつもと違い化粧の濃いビッグボスに驚きつつも、テレビの取材というビッグイベントにカッピーはワクワクし始めていた。2人に企画書のような紙を渡して軽く説明をするビッグボス。しかし、ハナさんはその紙をじーっと見ながら難しい顔をしていた。


「普通に聞かれたことに対して答えれば良いんですよね?緊張するなー。でも新人の僕で良かったんですか?」


「1人は新人の方にお話を伺いたいってことだったから、カッピーは適任なのよ。だから、カッピーと仲の良い先輩のハナにもお願いしたいんだけど」


ーーと言って難しい顔をしていたハナさんの方へビッグボスが顔を向ける。ビッグボスもハナさんの様子が何やらおかしいことに気づいてるようであった。


「すいません!無理です!断らせて下さい!」


 驚いた、というのが最初の感想だった。てっきりハナさんなら、「カッピーのあんな失敗話やこんな失敗話まで話そうかな!ネタには困らないからねー。みんなに知らしめてやりますよー。ははー!」と言って快諾するものだと思っていた。


「え、どうして?何か理由があるの?」


「本当にすいません!ちょっと今日用事、、そう。用事があって。どうしても残れないです」


 どう見ても不自然な様子のハナさん。しかし、ビッグボスもそんな彼女に強制はできないようで、うーん困ったなぁと考え込んでしまった。


「カッピー、ごめんね。1人でお願い!」


 ひそひそ声で謝ってくるハナさん。別に謝るようなことないのに、と思っていた。


「だ、大丈夫ですけど。そんなに急ぎなんですか?」


「うん。ち、ちょっとね」


 ハナの代わりを見つけるのも難しいから、カッピー1人で受けてもらうことになるかなーとビッグボスがぶつぶつと喋っていた。僕は1人で取材を受けるのを想像して、途端に緊張してきてしまった。失敗したりうまく答えられなかったらどうしようと不安になっていた。


 ハナさんが、用意があるので失礼しますと言って去った後。ビッグボスと2人で突っ立っていると、急に後ろからポンポンと肩を叩かれた。振り返ると、そこにはココロさんが満面の笑みで立っていた。


「テレビくんの?俺出たい!困ってるんでしょ?俺が代わりに出るよ!カッピーとはソウルフレンドだし!な?」

「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

ここまで読んで頂いて本当に嬉しいです。

このキャラのエピソードもっと読みたいなどあれば、コメントで教えて頂きたいです!

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