第161話 (148)戦う男-1
「タテノくん、見回り代わりにやっといたよ?」
「あ、ありがとう!あかねちゃん助かるよ」
「カードキー失くすなんて、おっちょこちょいだなぁ。見つかったの?」
「いや、まだなんだよねー。どこだろう」
「えー大丈夫?手伝おうか?」
「いいよ、あかねちゃんは先に帰ってて」
「そう?あんまり無理しないでね?じゃあね!」
「うん、また明日!」
あかねちゃんに手を振っていると背後から、憎い憎い男の声がする。
「やっぱり間抜け男やのー、カードキー失くすなんて。」
「来たか、ハッタリ」
「間抜け男が困ってるゆーから来てやったわ。どこで落としたんや?ゆーてみー。西の天才パーク探偵のオレがあっちゅーまに見つけてやるわ」
「いや、その必要はない」
「あ?必要ないってどういうこっちゃ…」
戸惑うハッタリ野郎に僕はポケットからカードキーを取り出し、ひらひらと見せつける。
「なんや!見つかっとるんかい!ほんなら、オレの仕事は…」
ガシっ
「いや、お前の仕事は終わってない」
「な、なんや離せ!間抜け男!」
「間抜けはお前さ、ハッタリ野郎」
僕は逃げようとするハッタリの腕をぐいっと掴んだ。決して逃さないぞ。あの日の迷惑男みたいにお前を逃しはしないさ。
「ハッタリ、お前は神出鬼没だ。パークのどこを探してもお前は見つからなかった。普段パークのどこで何をしているのか知らない。だが、お前が唯一必ず現れる時がある。そう、それは事件が起こった時だ。」
「だからなんやねん…」
「俺はそれを逆手にとったのさ。ビッグボスは言っていた、ハッタリくんはなくしもの捜索が得意だと。だから、俺はカードキー紛失事件をでっちあげ、お前が湧いてくるのを待ってたんだよ!案の定お前はノコノコと現れた!事件を求めてな!」
「くそぅ!!罠かいな!」
悔しがるハッタリ野郎。なんとか僕の拘束から抜け出そうとするが、そう簡単に逃げられるわけにはいかない。力をグッと入れて、ハッタリを掴む。これは僕一人の力じゃない。あかねちゃんとの愛の力だ!愛の力は無限大なんだ!
「さぁ、行こうか。」
「はぁ?行くってどこにやねん」
「決まってるだろう。俺とお前で決着をつけよう!あかねちゃんを賭けて!ジェットコースター対決で!!」
「ジェ、ジェットコースターたいけつぅ?」




