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ゾンビナイト  作者: むーん
激動編

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161/222

第161話 (148)戦う男-1

「タテノくん、見回り代わりにやっといたよ?」


「あ、ありがとう!あかねちゃん助かるよ」


「カードキー失くすなんて、おっちょこちょいだなぁ。見つかったの?」


「いや、まだなんだよねー。どこだろう」


「えー大丈夫?手伝おうか?」


「いいよ、あかねちゃんは先に帰ってて」


「そう?あんまり無理しないでね?じゃあね!」


「うん、また明日!」


 あかねちゃんに手を振っていると背後から、憎い憎い男の声がする。


「やっぱり間抜け男やのー、カードキー失くすなんて。」


「来たか、ハッタリ」


「間抜け男が困ってるゆーから来てやったわ。どこで落としたんや?ゆーてみー。西の天才パーク探偵のオレがあっちゅーまに見つけてやるわ」


「いや、その必要はない」


「あ?必要ないってどういうこっちゃ…」


 戸惑うハッタリ野郎に僕はポケットからカードキーを取り出し、ひらひらと見せつける。


「なんや!見つかっとるんかい!ほんなら、オレの仕事は…」


ガシっ


「いや、お前の仕事は終わってない」


「な、なんや離せ!間抜け男!」


「間抜けはお前さ、ハッタリ野郎」


 僕は逃げようとするハッタリの腕をぐいっと掴んだ。決して逃さないぞ。あの日の迷惑男みたいにお前を逃しはしないさ。


「ハッタリ、お前は神出鬼没だ。パークのどこを探してもお前は見つからなかった。普段パークのどこで何をしているのか知らない。だが、お前が唯一必ず現れる時がある。そう、それは事件が起こった時だ。」


「だからなんやねん…」


「俺はそれを逆手にとったのさ。ビッグボスは言っていた、ハッタリくんはなくしもの捜索が得意だと。だから、俺はカードキー紛失事件をでっちあげ、お前が湧いてくるのを待ってたんだよ!案の定お前はノコノコと現れた!事件を求めてな!」


「くそぅ!!罠かいな!」


 悔しがるハッタリ野郎。なんとか僕の拘束から抜け出そうとするが、そう簡単に逃げられるわけにはいかない。力をグッと入れて、ハッタリを掴む。これは僕一人の力じゃない。あかねちゃんとの愛の力だ!愛の力は無限大なんだ!


「さぁ、行こうか。」


「はぁ?行くってどこにやねん」


「決まってるだろう。俺とお前で決着をつけよう!あかねちゃんを賭けて!ジェットコースター対決で!!」


「ジェ、ジェットコースターたいけつぅ?」

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