第139話 (127)???、はじめてのウルパー攻略日記-1
ドキドキドキドキ
ーーあ〜緊張する!!
勢いでオールナイトのチケットを取ってしまったけど、私は子どもの頃に一度ウルパーに行っただけ。当然その時の記憶もほとんどない。つまり、初めて行くも同然である。そんな私がオールナイトイベントに、しかも1人で行って大丈夫なものなのか。
ゴクゴクゴク
私はコーラを飲み、気持ちを落ち着けた。コーラは至福だ。泡泡が喉を通り抜け、私に平常心を与えてくれる。
げふっ、げぇえ〜ふ
おっと失礼。ゲップが出るのが炭酸飲料の欠陥の一つだと思う。何よりあの、情けない音。もっと、たんたかたーん!みたいな可愛い音で出てくれたらいいのに。実際はガスの放出音としかいえない音と共に出てくる。もしも私が七つ揃えると願いが叶う球を集めたとしたら、願い事はギャルのパンティではなく、ゲップの音を可愛くしておくれ!と頼むな、うん。
カタカタカタ
しょうもないことを空想しながら、私はキーボードで『1人 ウルパー 大丈夫』と調べてみた。全ての答えはネットの海に漂っている、はずだ。そして、検索上位にとあるサイトがヒットする。
『1人で、ウルパー、不安、ですか?でも、大丈夫。テーマパークのコツが、あなたの、不安を、解消します。』
ーーふむふむ
どうやら“テーマパークのコツ”と言う人が運営している個人サイトのようだった。プロフィールにテーマパークのプロと書いている。どうやら信頼できそうだ。サイトをスクロールすると、気になる見出しが目に入った。
『1人で、テーマパークに、来る、人は、意外と、多い、のです』
なに?!1人でテーマパークに来る人は意外と多いのか?文章を読むと、特に秋のゾンビナイトはUPJオタクと呼ばれるガチ勢が多く来る為、殆どが1人でテーマパークを訪れるのだという。
ーーなんだ!じゃあ私が1人で言っても浮かないんだ!
ほっ、安心した。てっきりテーマパークというのは家族連れやアベックだらけなのだと思っていた。どうやら、私のようなソロ活者が行っても問題ないようだ。私はてっきりーー。
ほわんほわんほわ〜ん
「何〜あの人〜!もしかして、1人でウルパー来てるのー?きもーい!」
「おい、可哀想だろ。勇気出して1人で来たんだからそっとしておけよ。そんなことより今日も君は綺麗だな」
「きゃっ!いやんいやんいや〜ん」
「おかぁーさぁーん!この人、1人で来てるよー!」
「こら、見ちゃいけません。さっ、行きますよ。スタコラサッサ」
「お客様、迷子ですか?」
「え?!1人で?!てっきりお連れ様と逸れたのかと!ぷぷっ!1人って!どうぞごゆっくり〜」
ほわんほわんほわ〜ん
こういう扱いを受けるものだと思っていた。なんだ意外に優しい場所じゃないか。一安心した私が再びページをスクロールしていくと、驚きの文言が書いてあった。
『無料版はここまで。ここからはテーマパークのプロである、テーマパークのコツがまとめた携帯必須の“ウルパー最強攻略ガイド”に掲載しています。購入リンクはこちらから→』
ーーげげっ!有料かよ!
なんと有料コンテンツに誘導するためのサイトだったのだ。しかし、この“ウルパー最強攻略ガイド”を買えば、ウルパーを十二分に楽しめるようだ。ウルパーの公式サイトを見てもよくわからなそうだったし、いっそのことこの“テーマパークのコツ”のを買ってみるか?一応値段を見てみると500円とお手頃価格であった。
いや、でも怪しいか?いやいや、テーマパークのプロと書いているんだから、信頼できるはずだ。お?この人、SNSもやっているのか。
カチカチ
ーーえ?!この人、フォロワー50万人もいるの?!
私はこの数字を見て確信した。間違いない。この人はテーマパークのプロで信頼に足る人だと。私のようなウルパー素人を助けるためにこうやって活動してくれているのだ。この人が人生を賭けてまとめてくれた情報を500円でシェアしてくれるなんて、安すぎるくらいなのかもしれない。知識は水だ。独占してはならない、と言うことか。
カチカチ
ーーよーし!買ったぞー!これで完全攻略だ!




