第111話 (99)迷子犬と雨のビート-7
ーーな、なんだ?!何が起こっているんだ?
レインコートを奪われ、びしょびしょになりながら何とか事務所へと戻ったタテノくんを待っていたのは、衝撃の光景だった。
「中々やるやんけ。この調子で活躍したら、ほんまにオレの助手か相棒にしたってもええで。」
「何で私があなたの助手になんか!もう二度とごめんです!」
「なんやねん!折角西の天才パーク探偵の右腕になれるチャンスやっちゅーのに。遠慮することないんやで?」
「遠慮なんてしてません!」
誰だあの男は。なんで僕のあかねちゃんとあんなに仲良さそうに喋ってるんだ?それに、何だあの探偵みたいな格好は。ダンサーか?ゾンビの次は探偵ダンスショーでも始まるのか?あかねちゃんもいつの間にあんな奴と仲良くなってるんだ??
「あっ!タテノくん!なに?びしょびしょじゃん!傘持ってなかったの?」
「い、いやレインコートは持ってたんだけど、なくなってて…。」
「なんやお前。雨予報なの知らへんかったんかー?噂通り、間抜けやのー。」
「は?!噂通り?!お前、俺の何を知ってるんだよ!」
「そりゃパークにおる人のことは全部頭に入っとるわ。パーク探偵やからな。」
「パ、パーク探偵?!なに??」
何だこいつ!初対面の僕に間抜けと言ったり、あかねちゃんとイチャイチャしてみたり、挙句はパーク探偵だぁ?!そんなおもしろ職業あるわけないだろ!
「あ、あかねちゃん!こいつ何なの!」
「え?ご、ごめん私もよくわからなくて…。なんかでも探偵ではあるみたい…。」
「探偵…?」
「そうや!紹介が遅れたな。オレは浪速のパーク探偵、ハッタリや。推理力と運動神経はWHOの親父譲り、度胸と優しさはオカン譲りでーー。」
「WHO?なんで親父が世界保健機関にいたら、推理力と運動神経がいいんですか?」
「あ、あれ?やのーて、FBI?いや、CIAやったかな?」
「…。それもハッタリで嘘なんでしょう?」
「と、とにかく!西の天才パーク探偵でな。東のスドウ、西のハッタリゆーて。」
「そんな御託はいいんだよ!ハッタリ!あかねちゃんとはどう言う関係なんだよ!」
僕はゴタゴタ話す謎の男にキッパリと言い放った。こいつがどこのどいつで誰の息子だろうとどうだっていい。問題はあかねちゃんとの関係だ。
「あかねちゃんは、オレの相棒で相方で弟子でパートナーやな。今日決まったんや。」
「何勝手なこと言ってるんですか!そんなの決まってません!断固として拒否します!」
ぐにゃあ〜
僕は自分の視界が歪んでいくのがわかった。相方?パートナー?こいつが?あかねちゃんの?違う。あかねちゃんの横にいるのは僕だ。僕のがあかねちゃんの相棒で相方で弟子でパートナーで許婚でバディーでマブでペアでコンビでアベックで…。とにかく!!!
「…お前じゃない!」
「ん?なんや?」
「あかねちゃんとジェットコースターに乗るのは俺だ!!」
「…は?なにをゆーてん…。」
「うるさい!とにかくあかねちゃんはお前には渡さな…。はっ、はっ、はっくしょーーん!」
だめだ。寒気がしてきた。探偵野郎への怒りに燃えていたから気づかなかったが、身体は濡れた衣服に体温を奪われて冷え切ってしまっていた。
「タテノくん、早くシャワー浴びて着替えてきなさい!探偵さんも、私は助手になんかなりませんから。」
「ハッタリー!勝負だ!どっちがジェットコースターか!逃げるなよ!」
「ジェットコースターはタテノくんと約束してるから、今度行こうね。今はとりあえず、着替えないと!」
僕はあかねちゃんに背中を押されてシャワー室の方へと向かうのだった。今日はこれくらいにしておくが、次は決着の時だ。ハッタリめ、逃げるなよ。
「なんやあいつ。変な奴やのー。」
この時、僕とあかねちゃんは同じことを思っただろう。
(お前のが変だろ!)
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