ゆいこのトライアングルレッスンU2〜大学生の制服デート〜
「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の企画「ゆいこのトライアングルレッスン」2025年2月14日オンエア分のテーマ:U2(ユニフォーム)に投稿したものです。
不採用でしたがここで供養させていただきます!
たくみ視点です。
「ねえ!ひろし、たくみ!今度制服着て、遊園地に行かない!?」
最近ハタチになったゆいこがまた何か言い出した。
「突然どうした?」
「いや、俺らもう21なんだけど…さすがにキツくねえ?」
「ううん!ふたりともまだいけるって!大丈夫!
行こ!ねっ?」
ゆいこはこう言い出したら聞かない。俺たちに拒否権なんて無いのだ。
なんて横暴なヤツだ。
でも、そんなところもかわいくて、まあ振り回されてやってもいいかな、と
なんだかんだ付き合ってしまう俺たちも俺たちなんだけど。
あっという間に当日だ。
ていうか、ひろしも俺も高校の制服なんてよくまだ持ってたな!?
まさかまたコレに袖を通す日が来るなんて思わなかった。
「いやーー……大丈夫か?これ……」
……これ以上鏡を見ちゃダメだ。我に返りそうになる。
どこの姫だよ!?と言いたくなるような
あのわがまま娘が強くご所望なのでまあ着ていきますけども……
……誰か知り合いに会いませんように。
強く念じてから家を出る。
「わあっ!!ひろしもたくみもやっぱり制服すごく似合う!!
久しぶりに見たせいもあるけど、良い!!良いよ!」
「ゆいこ、あんまり大声出さないで……近所の人に見られたらやばいから…」
「ええ?大丈夫だよ〜」
大丈夫じゃないんだって。
俺たちの気も知らないでゆいこは無邪気にはしゃいでいる。
大体、ゆいこはなんでそんなに自信満々に制服を着れるんだ?
……確かにかわいいけど、高校生には見えねえからな?
お前高校のときそんなに髪巻いて化粧したりしてなかったろ!
「着いた〜!ね、写真撮ろ!」
「ええ…写真撮るの……」
「ひろし、諦めろ…」
そのあとも異様にテンションの高いゆいこに連れ回されるひろしと俺。
いや、遊園地自体は好きだし楽しいよ?楽しいんだけど…服装のせいでどうにも落ち着かない。
メリーゴーランドにジェットコースター、コーヒーカップ。様々なアトラクションを制覇していく。
観覧車の中でオレンジ色に染まる景色を眺めていると、ひとしきり遊んで満足したのか、ゆいこが少し静かになる。
「……そういえば、ここ高校の卒業遠足でも来たよねー。
あのときはそんなにだったのに、今日はびっくりするくらい楽しかった!なんでかな?
ひろしとたくみと一緒に回れたから、かもね!」
ゆいこが真っ直ぐにこちらを見て笑う。
隣でひろしの息を呑む音が聞こえる。
この一瞬を切り取って永遠に残しておきたくなるくらい、綺麗な笑顔だった。
……こういうところだよなあ、俺たちがこいつから目を離せないのは。
ゆいこ:20歳
たくみ・ひろし:21歳
1学年差で考えてます。
卒業した後に「まだいける!」「いやもう無理だろ」みたいな感じで制服を着てるのも現役とはまた違った良さがありますよね!