私は愛しい人が勝っただけ
初めて小説を書きます。誤字脱字がありましたら、すいません。また、良かった点・改善すべき点等がありましたら、教えてくださると嬉しいです。
これは性別✕恋愛を絡めた倫理的な短編ストーリーです。※恋愛要素は少なめです。
これを通して皆様の見聞が広がったのなら幸いです。
僕は短い髪が好きだ、男の子みたいなかっこいい格好が好きだ、逞しい身体がほしいと思う。
でも、僕の身体は女の子だ。心は女の子じゃないと思う、かといって別に心が男の子なわけじゃない。ただただ、かっこいいものが好きなんだと思う。
そんな僕に好きな人ができた。男の人だった。世界の生き物の中で一番好きだと思う。
しかし、彼は可愛い女の子が好きだった。彼は優しいから、僕が告白しても否定はせず、素敵な対応を取るだろう。けど、振られるのは変わらないと思う。
僕はその人と絶対結婚がしたかった。それほどまでにその人を愛している。
だから、僕は変わった。
一人称を私にして、可愛い女の子のメイクや格好をして、好きな低い声も高くした。正直、少し嫌だった。
唯一の救いは彼がスカートへのこだわりがなかったことだ。
それから何度もアプローチして、仲良くなって、付き合って、結婚もできた。今では子どももいて、彼らは全員成人もした。
私は好きな人と繋がるために、好きなものを捨てた。このことに後悔はない。けれども、ふとしたときに思う、私はもっと好きなものを身に着けていたかったと。
これは勿論誰も悪くありません。人には好みがあるのは当たり前だし、彼、彼女にだってあります。そして、この文にも書かれている通り、彼は彼女のことを否定することはなかったでしょう。しかし、それなら好き合えるか?と言われたら別です。
彼女はそれをわかっていたから、彼には何も言わず、自分の心の一部に蓋をして、残りの人生全てを彼といることに決めたのです。
もしかしたら、彼女は、彼女のまま彼と付き合えた世界線があったかもしれません。しかし、それは我々の想像で、その真相はわからないものです。